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湿拳四郎 ~笑界湿度400%~  作者: 伝説の男前


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第二十五話 トロ吉とネット炎上の恐怖

霧の中から、にやにやと、笑う影。


標準語の、攻撃的な口調。


トロール・トロ吉。


トロ吉


「お前のやり方、見たけどさ」


「……」


「『敵を笑わせて浄化』とか」


「キレイごとすぎね?」


四郎


「いや、別にキレイごとのつもりは……」


トロ吉


「みんな、そう言うんだよな」


「……」


「で、後から、ボロが出る」


ドゴォォォォォォン!!


【炎上結界】


発動。


世界中で。


「批判されるかもしれない」という恐怖が、広がる。


『何か言ったら、叩かれる』


『発言する前に、反応が怖い』


『正しいことを言っても、燃やされる』


四郎の動きも、急に、萎縮する。


HP


42000000



22000000


トロ吉


「お前の今までの戦い方さ」


「……」


「全部、ネットに晒したら」


「絶対、突っ込みどころあるよな」


四郎


「うっ……」


確かに。


これまでの戦いを、振り返れば。


完璧ではなかった部分も、あった。


トロ吉は、笑った。


「ほら、図星じゃん」


「……」


「お前みたいなの、見ると」


「つい、煽りたくなるんだよな」


四郎は、少し、考えた。


そして。


トロ吉の言葉の奥に、何かを感じた。


四郎


「トロ吉」


「……」


「お前、何か、燃やされた経験あるのか?」


静寂。


トロ吉の表情が、初めて、揺れた。


トロ吉


「……」


「昔、俺の発言が」


「すげぇ、叩かれたことあってさ」


「……」


「それから」


「叩かれる前に、先に、誰かを叩く方が」


「楽になった」


四郎は、頷いた。


「分かるよ」


「……」


「でも、それ、お前自身も、苦しくないか?」


トロ吉の体が、わずかに、震えた。


四郎の胸の七つの傷が、輝く。


ドクン。


ドクン。


笑界編・第二十五奥義。


湿拳・先に叩かない拳


効果。


『攻撃される前に攻撃する防衛本能を、ほどく』

『批判の恐怖を、対話への勇気に変える』


四郎


「行くぞ!」


トロ吉


「お前のやり方、絶対突っ込まれるって!」


四郎


「突っ込まれても、お前と話したいぞぉぉぉぉぉ!!」


ズガァァァァァァァァァン!!


直撃。


世界が光る。


トロ吉の攻撃的な表情が、少しずつ、和らいでいく。


トロ吉


「俺……」


「……」


「先に叩かなくても、よかったのかもな」


ぽたり。


ぽたり。


どばぁぁぁぁぁぁ!!


湿拳洪水発生。


【トロ吉を浄化した】


経験値+430


笑石のかけら獲得


称号獲得


『先に叩くのをやめた者』


四郎


「二十五体目……!」


ヌラリ翁


「お前さん、これで」


「先に決めた三体、終えたのう」


四郎


「あ、そういえば」


「最初に占いみたいので選ばれた三体、もう全員倒したな」


ヌラリ翁


「うむ」


「ええ流れじゃ」


その時。


霧の奥から。


地響きのような足音が、近づいてきた。


標準語の、太い声。


ジャイアント・デカスケ


「おーい」


「俺もいるぞー」


「俺、デカすぎて、誰にも、ちょうどよく見てもらえないんだー」

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