第二十二話 ヴァン伯爵と孤独な自尊心
霧の中。
マントを翻す、気品ある影。
南部弁の、吸血鬼。
ヴァンパイア・ヴァン伯爵。
ヴァン伯爵
「儂は」
「深夜番組専用じゃ」
「日の当たる場所では、生きられん」
四郎
「ちょっと、いいキャラっぽいけど」
ヴァン伯爵
「ほめ言葉と、受け取っておこう」
「……」
「だが」
少し、影が差す。
「深夜にしか、出られんということはな」
「……」
「ずっと、孤独じゃということでもある」
ドゴォォォォォォン!!
【孤高結界】
発動。
世界中で。
「自分は特別だから、孤独でいい」という強がりが、広がる。
『人とつるむのは、自分には合わない』
『一人の方が、気高く生きられる』
『孤独こそ、強さの証明だ』
四郎自身の心にも、少し、そんな気持ちが、芽生える。
HP
50000000
↓
28000000
ヴァン伯爵
「儂はな」
「……」
「昔、仲間がいた」
「……」
「だが」
「みな、太陽の下に、出ていってしまった」
「……」
「儂だけが、夜に、取り残された」
「……」
「だから」
「儂は、孤高を、誇りに変えた」
四郎は、その言葉に、隠された寂しさを、感じ取った。
四郎
「ヴァン伯爵」
「……」
「孤高って、本当は、選んだものじゃなくて」
「……」
「仕方なく、そうなっただけなんじゃないか」
静寂。
ヴァン伯爵のマントが、わずかに、揺れた。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第二十二奥義。
湿拳・夜でも繋がる拳
効果。
『強がりの孤高を、本当の孤独として認めさせる』
『夜と昼、違う時間にいても、繋がれることを示す』
四郎
「行くぞ!」
ヴァン伯爵
「儂は、孤独で構わん!」
四郎
「夜でも、繋がれるだろぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
ヴァン伯爵のマントが、ゆっくりと、緩んでいく。
ヴァン伯爵
「儂は……」
「……」
「本当は、夜でも、誰かと一緒にいたかった」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
【ヴァン伯爵を浄化した】
経験値+500
笑石のかけら獲得
称号獲得
『夜の孤独を手放した者』
四郎
「二十二体目……!」
霧の奥から。
沖縄語の、若々しい声が、響いた。
ゴブリン・ゴブ太
「先輩!」
「俺も、見てもらえますか!」
「俺、まだ、下積みなんスけど……」




