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湿拳四郎 ~笑界湿度400%~  作者: 伝説の男前


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第十三話 バケコとネタクラッシャーの孤独

土佐弁の、化け猫。


バケコ。


しなやかな動きで、四郎の周りを、ぐるりと回る。


バケコ


「うちはな」


「ネタクラッシャー言われとる」


四郎


「クラッシャー?」


バケコ


「誰かのネタの最中に」


「……」


「ふいに、邪魔してまうがよ」


四郎


「悪役なのか?」


バケコ


「ちゃうがよ」


「……」


「ただ」


「うち、ずっと一人でやってきたき」


「……」


「誰かと、組むのが、苦手なんよ」


ドゴォォォォォォン!!


【協調拒否結界】


発動。


世界中で。


「人と一緒にやるくらいなら、一人でいい」という気持ちが、広がる。


『協力すると、ペースを乱される』


『一人の方が、気楽』


『誰かに頼ると、迷惑をかける』


四郎の中にも、少し、そんな気持ちが芽生える。


HP


36000000



19000000


バケコ


「うちは」


「……」


「昔、コンビ組んどった」


「……」


「でも、相方が、うちのペースに合わせてくれんで」


「……」


「結局、解散したがよ」


「……」


「それから」


「人と組むの、怖くなった」


四郎は、考えた。


これは。


御霊Brosの話とも、少し似ていた。


だが。


違う角度の話だった。


四郎


「バケコ」


「……」


「相方と、ちゃんと話したか?」


バケコ


「は?」


四郎


「合わなかったんじゃなくて」


「……」


「合わせる努力を、お互いしなかっただけなんじゃないか」


静寂。


バケコの動きが、止まった。


四郎の胸の七つの傷が、輝く。


ドクン。


ドクン。


笑界編・第十三奥義。


湿拳・歩み寄り拳


効果。


『一人でいることへの逃げを、見抜く』

『誰かと組む勇気を、もう一度持たせる』


四郎


「行くぞ!」


バケコ


「うち、一人でええがよ!」


四郎


「一人じゃなくても、いいんじゃないかぁぁぁぁぁ!!」


ズガァァァァァァァァァン!!


直撃。


世界が光る。


バケコの動きが、ゆっくりと、しなやかに、変わっていく。


バケコ


「うち……」


「……」


「また、誰かと組んでみようかな」


ぽたり。


ぽたり。


どばぁぁぁぁぁぁ!!


湿拳洪水発生。


【バケコを浄化した】


経験値+390


笑石のかけら獲得


称号獲得


『歩み寄りを選んだ者』


四郎


「十三体目……!」


その時。


九つの尾が、ふわりと、揺れた。


標準語の、優美な狐。


九尾の狐・タマモ


「あら、楽しそうね」


「わたくしも、混ぜていただける?」


「九役、同時に相手してもよろしくてよ」


四郎


「えっ、九役同時!?」

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