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黄昏の箱庭  作者: 天音凛
第二章・朔~秘めたる大華、君に捧ぐ~
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小話.???

 静まり返る廊下に一筋の光が差し込む。

 引き寄せられるように、僅かに空いた扉から中の様子を見てしまった。

 ヒナタの手を優しく包み、微笑む朔。

 何故だろうか……二人だけの空間はとても暖かく、そして眩しく映った。

 これ以上は見てはいけない……――無意識で手に力が込もって、爪が手のひらに食い込んだ痛さで気付く。

 ――――自分は今なんて顔をしているんだろうか。

 簡単に想像がつく……何て醜いんだ。

 悔しさか悲しさか分からない感情で、頭がおかしくなりそうだ!

 今すぐに中に入って――――……。


 ……どうするというのだろう?

 自分が自分じゃないみたいだ。

 何故か今の二人を見ているとイライラが止まらない。


 波立つ感情のまま二人を見ていると、肩を叩かれる。


「何してるの?」

「……蛍」


 ニコニコといつも通りの表情で後ろに立っていた蛍は、俺の状況と部屋の様子を見比べまた微笑む。


「うん、朔は大丈夫だね。さ、部屋に戻ろう!」

「……」

「覗きは駄目だよ~、ほら早く早く!」


 中々動かない俺の背を、蛍がぐいぐい押して部屋から遠ざける。

 蛍の鼻歌を聞きながらそのまま歩いていると、突然フッと胸の苦しみが消えたのが分かった。


「?」

「ん? どうかした?」

「……」


 胸の辺りを撫でてみる……何ともない。

 横で首を傾げる蛍の顔をみながら考えても答えはでず、俺は騒ぎだした蛍を置いて部屋に歩きだした。


 一体何だったのだろうか?

 もう見えない朔の部屋の方に振り向いたが、すぐに考えるのをやめる。


 ――――何故かその答えは出してはいけない気がした。



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