結‐3.お部屋交渉
せいやぁ!(とりあえず、投稿!)←オイッ
慌てて準備をして、5人で屋敷から外に出ると、睡蓮が見送りにきた。
「また、来るがよい」
ニコニコと笑いながら手を振る睡蓮さんに、私も手を大きく振り返して歩き出した。
「ヒナタ」
一番後ろで並んで歩いていた蛍が、手を口元に当てて、小声でヒナタを呼ぶ。
「ちょっと落ち着いたらまた花畑に行こう」
「良いけど、あの場所は秘密だよね? 3人に見付からずに抜けられるかな……」
不安げなヒナタに蛍は楽しそうな表情になる。
「何とかする。ううん、してみせる。だから、行こう」
「もう、蛍ってば悪い顔になってるよ? ……分かった、行こう」
イタズラを思いついたような不敵な笑みを浮かべる蛍に、ヒナタは苦笑いしながら誘いを了承したのであった。
***
屋敷に着くと、蛍はさっそく昴に部屋の交換を頼んでいた。
可愛らしく小首を傾げて、上目遣いで昴さんを見てる――蛍、それは逆効果なんじゃないかな?
昴さんが無表情だから!
むしろ、鎌を背中からチラつかせて何してるのかな!?
「ね、いいでしょ? 僕の部屋の隣なら、一番昴の部屋から遠いよね?」
「……」
「昴は今まで通り、ヒナタに関わらなくていいし、何かあったら僕が傍に居るから! ね? お願い」
“キュルン”と効果音が聞こえた気がした。
しかし、昴の冷たい瞳に変化は無い。
「さすが昴様……揺るぎ無しですね。素晴らしい!」
「どうでもいいんだけど」
ちょっとずれてる朔と、暇そうにあくびをしている煌を横目に、昴は右の眉をピクリとつり上げる。
「朔」
昴が蛍に背を向け朔を呼びつけると、その声に素早く反応し、朔がキリリと執事モードになった。
「はい、昴様」
「……あの部屋に移動させろ」
昴はチラリとヒナタを見ると、一瞬苦悩の表情をしながらも朔に指示を出す。
その言葉に朔は目を見開いて、驚きの表情を浮かべた。
「まさか、あの部屋でございますか?」
「あぁ」
「はい、承知いたしました……」
朔の言葉を聞くと、用は終わったと言わんばかりに、昴はさっさと屋敷の中に入ってしまった。
そんな昴の背中を、蛍は不思議そうな表情で見送る。
「朔、あの部屋って……“あの?”」
「そのようです…………“昴様の隣”です」
えぇっ!? 嫌がってたのに何で……隣!?
ヒナタが一人パニックになっていると、朔が不服そうにじっとりとした瞳でヒナタを見る。
「あの部屋は特別なんです。それを貴女に貸すなんて……。」
「えっと、や、やっぱり今の部屋で――――」
「ダメだよ」
蛍がヒナタの肩に手を置き、輝かしい笑顔で顔を覗き込む。
「昴の隣は納得いかないけど、なるべく近くにいてほしいよ」
「うっ……」
蛍の懇願にヒナタの意志が折れたのは言うまでもない。




