第9話:今一度この国を洗濯いたし候
第9話をお届けします。
今回は、日本を影から脅迫し、貪り尽くそうとしていた超大国A国の工作員たちへの、異次元のデトックス(排除)が炸裂するエピソードです。
かつての歴史的偉人(坂本龍馬)が残した「今一度日本を洗濯いたし候」という至高の名言を胸に、ルシードたちの純粋すぎる絶対防衛システムが、日本全土、そして永田町の闇を根底から洗い流す、究極の痛快ざまぁ展開をぜひぜひ、お楽しみください!
「――日本を裏で操作する、ハンドラー」
無人の議場に浮かび上がった、超大国A国中央諜報局の冷酷な龍の紋章。
それを見つめながら、ルシードの言葉を頼りなく繰り返した天野晴斗一尉の背中を、恐ろしいほどの悪寒が駆け抜けていた。
地球における最強の軍事力と経済力を誇る、絶対的な覇権国家。
日本にとっては、安全保障の要であり、信じるべき「唯一の同盟国」。
しかしその血塗られた実態は、古参の鬼塚議員のような気高い義人を家族の命で脅迫し、都合の良い操り人形として日本を内側から支配し、家畜のように調教し続ける、ドス黒い最悪の寄生虫だったのだ。
同盟という甘い言葉の裏で、彼らは日本の富を吸い尽くし、その牙を意図的に抜き続けていた。
「使節殿……。
相手は、地球で最も多くの核兵器と、世界最強の軍隊を持つ国だ。これ以上の介入は、あなた方にとっても、地球の国際政治において致命的な火種になりかねない……っ!」
青ざめ、声を震わせる天野一尉に対し、ルシードはただ、深い哀れみと絶対的な決意の混ざった、神秘的な碧い瞳を静かに向けた。
「天野一尉。
あなた方は、本当にどこまでも健気で……そして、あまりにも優しすぎる。
これほどまでに残酷な裏切りに遭い、尊厳を奪われながらも、まだなお敵の持つ原始的な力を恐れ、耐え忍ぼうというのですか。そんな悲しい我慢は、もうしなくていいのであるのです」
ルシードは静かに振り返り、先ほど政治家たちの九割九分が消え去って、もぬけの殻となった広大な本会議場を見渡した。
国を売ろうとしていた野党も、私欲のために異世界を騙そうとしていた与党もすべて消え去り、今やここには、泥を被りながら必死に国を守った老重鎮・鬼塚と、純粋に未来を憂う数人の若手議員、そして自衛官の天野しか残っていない。
「かつて、この国の歴史において、
まだ見ぬ夜明けを夢見て、
命を賭けて戦った偉人が、このような手紙の一節を残したと、
我が国のデータベースで確認しました」
ルシードは胸にそっと手を当て、まるでその偉人の魂に深く共鳴するかのように、厳かに、しかし議場全体に響き渡る声でその言葉を紡いだ。
「――『今一度この国を洗濯いたし候』、と」
その言葉がルシードの美しい唇から発せられた瞬間、
天野一尉も、鬼塚も、若手の小鳥遊議員も、脳に電流が走ったかのように弾かれたように目を見張った。地球の、それも日本の激動の時代を駆け抜けた魂の言葉が、今、銀河最高峰の超文明を持つ異世界人の口から放たれたのだ。
「地球の、この日本の偉人が抱いたその気高い悲願。
我がザーランド王国の魔法科学が、今ここで完全に引き継ぎ、実現しましょう。
鬼塚さん、あなたがもうこれ以上、独りで泥を被る必要などどこにもありません。
この美しい国を内側から蝕み、国民の未来を貪り食う悪意のシミを、根底からすべて洗い流します!」
「ルシード様、全自動悪意濾過システムの同調、完了しました!
専守防衛フェーズ4へ移行します!」
傍聴席でミリアが涙を力強く拭い、凛とした声で叫ぶ。
ルシードの掌の上で静かに浮かんでいた黄金の『真実の天秤』が、これまでにないほど激しく駆動を始め、まるで議場の中に小さな太陽が産声を上げたかのような、目も眩むほどの絶対的な輝きを放ち始めた。
その黄金の光の波動は、国会議事堂の分厚い花崗岩の壁を物質透過し、新宿の空へ、そして東京の全域へ、さらには日本列島全体へと一瞬にして全方位に拡大していった。
その瞬間、
地球の軌道上を回っていた各国(A国やC国など)の軍事偵察衛星のカメラが捉えた日本列島は、宇宙の静寂の中で、まるで黄金の繭に優しく包まれたかのように美しく、神聖に明滅していた。
それは、日本国内に潜伏し、日本国民への明確な悪意・脅迫・破壊工作・間諜活動を行っているすべての者を、魂の魔力波形からピンポイントでスキャンする、絶対的な排除の光。
その頃、東京都港区の一等地に堂々とそびえ立つ、A国大使館の地下深く。
厳重な電子ロックと電磁シールドに守られた極秘の作戦オフィスでは、数人のベテランエージェントたちが、かつてない大パニックに陥っていた。
「何だこの光は!? 外部からのサイバー攻撃か!?
バカ言え、
ネット回線は物理的に遮断してあるんだぞ!」
「待て、システムが完全にハッキングされている!
CIAが半世紀かけて構築した日本支配のための極秘エージェントリストや、脅迫用の工作データベースが、ものすごい速度で暗号解除(開示)されていくぞ!」
「防衛省の鬼塚からの定時連絡が途絶えた!
国会の生中継の映像を見ろ、神条も総理も、議員どもが全員消えて――」
そこまで彼らが絶叫し、引き金を引こうとした、まさにその瞬間だった。
冷機が漂う最先端オフィスのデスクの真上、そして床一面に、黄金の幾何学的な魔法陣が眩く出現した。
「なっ、何だこれは――」
――パシィィィィン!!!
空間の膜が優しく弾ける超常の破裂音。
次の瞬間、日本を裏で家畜のように操り、利権を貪っていたA国のハンドラーたち、さらには都内の雑居ビルや地下アジトに潜伏していた他国のスパイ、工作員、破壊工作員、テロリストの総勢数千名が、衣服の一繊維すら残されず、文字通り「身一つ(全裸同然)」となって、それぞれの「本国」の、最も重要な施設のど真ん中へと一瞬で強制転移(国外追放)された。
ある者は、A国ワシントンの大統領作戦本部の重厚な会議机の上に、全裸でポコンと出現し、お偉方たちの前で間抜けな悲鳴を上げた。
またある者は、C国の情報本部のエリートたちの目の前に、衣服も持たずに転がされ、パニックに陥った。
ルシードの「暴力は振るわない。ただ自国へお帰りいただく」
という超理論の前に、世界最強の諜報員たちも、ただの全裸の不審者として処理されるしかなかったのだ。
それだけではない。
彼らが隠し持っていた「日本を脅迫するためのすべての極秘データ」や「不正資金の隠しルート」、さらには大国が隠蔽していた不都合な真実のすべてが、ルシードの善意のハッキングによって、小鳥遊たちの待つ新生・日本政府のメインサーバーへと綺麗に自動転送されていた。
文字通り、日本という国家を蝕んでいた「悪意あるすべての不純物」が、消しゴムで綺麗に消されたかのように、丸ごと完全に消滅したのだ。
「……終わりましたよ」
ルシードは、役割を終えて静かに光を収めた『真実の天秤』を懐へと仕舞うと、あまりの出来事に呆然と立ち尽くしている鬼塚や小鳥遊たち若手議員の前へと、静かな足取りで歩み寄った。
「日本を裏で縛り、家畜のように調教していた全ての枷は、我が国の専守防衛権に基づき、完全に領域外へと排除いたしました。
何度も申し上げますが、我が国は平和主義ですので、暴力は一切振るっていません。
彼らにはただ、大好きなご自国へ、ありのままの姿でお帰りいただいた(国外追放)だけですから。……それから、安心してください、鬼塚さん。
あなたの大切なご家族の安全も、我が国の親衛隊が空間転移魔法を使い、すでに完璧に保護いたしました。もう、あなたを脅かすものは、この地球上のどこにもいません」
「あ……あ、あ、ああ……っ」
鬼塚は、シワの深く刻まれた両手で顔を覆い、その場に崩れ落ちるようにして、声を上げて泣いた。
子供のように、声を震わせ、涙を床にボタボタと流して慟哭した。
長年、最愛の家族の命を守るため、そして日本の未来の苗木(若手議員)たちを育てるために、独りで泥水をすすり、世界中から「老害」「売国奴」と石を投げられながら背負い続けてきた、ドス黒く孤独な重圧。
それが、異世界の「お人好しすぎる最強の盾」によって、誰も、何一つ傷つくことなく、完璧に救い出されたのだ。
「鬼塚先生……! 終わったんです、本当に……本当に終わったんですよ……っ!」
小鳥遊たち若手議員も、涙を流しながら鬼塚の細くなった肩を抱きしめ、共に泣いた。
傍聴席でそれを見届けていた天野一尉は、誰もいなくなった静かな議場で、ただ一人ぽつんと天を仰いだ。
(本当に……本当に洗濯しちまいやがった。野党も与党も、アメリカの最高機密の工作員も、丸ごと全部、跡形もなく……。こんなめちゃくちゃで、世界一優しい奇跡が、本当にあってたまるかよ……っ!)
日本の政界、そして国家の縮図たる闇のすべてが美しく洗い流され、真の意味での「新生・日本」が今、産声を上げた。
キョトンとした顔で、涙を流して抱き合う日本人たちを「なんで泣いているんだろう?」と不思議そうに見守るルシードとミリア。
彼らの善意100%の最強のお節介は、ここからさらに加速し、地球の常識を平和的に蹂躙していくことになる。
第9話をお読みいただき、ありがとうございました!
歴史的偉人の名言「今一度この国を洗濯いたし候」の通り、ルシードたちの純粋な善意と圧倒的テクノロジーが、日本を裏から支配していたA国のハンドラーたちをも巻き込み、日本全土から悪意を一斉に洗い流す最高にスカッとする展開を描かせていただきました。
次回、第10話は第1章の最終回(締めくくり)です。
トップが消えて綺麗になった日本政府(ちょっと心配ですけど)とザーランド王国が、本当の意味での「対等な専守防衛同盟」を結び、ルシードの次なるお節介(環境浄化や自衛隊チート化)が本格的に始まります!
もし今回の日本丸ごと大洗濯展開に胸が熱くなった、最高にスカッとしたと感じていただけましたら、ぜひぜひ感想の書き込みや作品への評価(ブックマーク・応援)をよろしくお願いいたします!




