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『銀河最高峰の魔法科学国家、日本の東京にゲートを開いてしまう ~専守防衛(無敵)の精神で、現代兵器もダンジョンもすべて優しく無力化いたします~』  作者: 藤台団二
第1章:ゲート開通と「お節介」なファーストコンタクト

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第5話:拍手喝采の異世界人と、冷や汗の日本政府

第5話をお届けします。今回は、ルシードが善意100%で取り出した魔道具『真実の天秤』が、国会議事堂の本会議場で起動するエピソードです。


我が国の友好の魔道具を、これよりこの場で皆様にプレゼントしましょうである!」


ルシードがそう宣言した瞬間、彼の掌の上に浮かぶ黄金の小さな『天秤』が、議場全体の照明をかき消すほどの強烈な蒼白い光を放った。


国会中継のテレビカメラが一斉にその光を捉え、全国のブラウン管――いや、液晶画面の向こう側の国民たちも、突如として始まった未知の超常現象に釘付けになる。


「な、なんだあの光は!?」


「警備員! 傍聴席の異世界人を制止させろ!」


与野党の議員たちが大混乱に陥る中、壇上の神条だけは、歪んだ全能感に酔いしれていた。


(ふん、魔道具だか何だか知らんが、好都合だ! この演出を利用して、私が異世界のテクノロジーすらも味方につけた『新時代の指導者』だと国民に植え付けてやる!)


神条は、芝居がかった仕草で両手を広げ、ルシードに向かって朗々と語りかけた。


「おお、素晴らしい! ザーランド王国の使節殿! あなたがたも我が党の崇高な『非戦の精神』を理解してくれたのですね! さあ、その平和の光で、ミリタリズムに染まった哀れな日本政府を照らし、導いてあげてください!」


「ええ、もちろんであるですよ、神条さん」


ルシードは、聖者のような、あまりにも無垢で濁りのない笑顔で頷いた。


「我が国では、平和を語る者の魂は、常にこの『真実の天秤シン・ヴェリタス』によって証明されるのが習わしです。

この魔道具は、言葉の奥にある『魂の純粋な魔力波形』を感知し、周囲の空間にその本音を視覚化(ホログラム化)する性質を持っています。

あなたのように気高い平和主義者の脳内が映し出されれば、この国の人々も、きっとあなたを心から信頼するでしょう」


ルシードの意図は、完全に善意だった。


「こんなに素晴らしい平和主義者が、国民に疑われるのは可哀想だから、彼の清らかな本心をみんなに見せてあげよう」という、お節介の極みである。


だが、その言葉を聞いた瞬間、神条の顔から一時に血の気が引いた。


「は……? ほん、ね……? 視覚化……?」


「さあ、起動します!」


ミリアが嬉しそうにパチンと指を鳴らす。


その瞬間、

『真実の天秤』から放たれた光の波紋が、議場全体をサーモグラフィのように滑らかに走った。そして、最も光を浴びた壇上の神条の頭上に、巨大なホログラフィックのスクリーンが不気味に浮かび上がった。


そこに映し出されたのは、神条の美しい記憶や平和への祈り……などでは断じてなかった。


『ククク、分かっておりますとも。私はただ、いつも通り「対話による平和」を叫んで、政府の防衛方針を徹底的に叩き潰すだけです。日本の防衛力など、我が私腹を肥やすための道具に過ぎんのですよ』


大音響とともに議場に響き渡ったのは、紛れもない、神条自身のドス黒い声だった。


音声だけではない。


映像として、昨晩、薄暗い料亭の個室で、C国の工作員から分厚い裏金の封筒をヘラヘラと受け取り、懐へ愛おしそうに仕舞い込む神条の姿が、毛穴の1つ1つまで鮮明に映し出されていた。


議場が、文字通り凍りついた。


「なっ……な、何だこれはぁぁぁぁーーーっ!?」


神条の絶叫が響く。


しかし、魔道具の暴走は止まらない。


光の波紋は、神条に賛同して拍手を送っていた野党議員たちをも次々とロックオンしていく。


彼らの頭上にも、次々と個別画面マルチウィンドウが出現した。


『この異世界騒ぎを利用して、現政権を引きずり下ろせ!』


『次の選挙でC国からの選挙資金が倍になるぞ、へへへ』


『有事の際は、真っ先にあの国へ亡命する手筈になっているからな』


売国、収賄、私腹の肥やし、国民への蔑視。


「平和の使者」を気取っていた面々の、ヘドロのようにドス黒い脳内の本音と、具体的な銀行口座の海外送金記録の数値までが、国会中継の電波に乗って、日本全国数千万人の目にダイレクトに晒されたのだ。


「最悪の放送事故だ……いや、最高の間引きか?」


自衛隊の天野一尉は、傍聴席で開いた口が塞がらなくなっていた。


隣を見ると、首相と官房長官が、あまりの衝撃に椅子から転げ落ちそうになりながらも、引きつった笑みを浮かべている。


日本政府がどれだけ泥を泥で洗うような政治工作を仕掛けようとも、絶対に不可能だった「売国奴の一斉炙り出し」が、異次元の超テクノロジーによって、わずか数十秒で完了してしまった。


しかし、この状況にあって、未だに事態を最も理解していないのは、他ならぬルシードたちだった。


「おや……?」


ルシードは、ホログラムに映し出されるドス黒い映像と、叫び声を上げて逃げ惑う野党議員たちを見つめ、不思議そうに端正な首を傾げた。


「おかしなことになりましたね、ミリア。彼らの言葉テキストは素晴らしい平和主義なのに、魂から出力されている魔力波形(本音)が、なんだか我が国の『犯罪奴隷』よりも酷く濁っています。……これはいったい、どういう現象なのであるでしょうか?」


「わかりません、ルシード様~っ……」


ミリアも涙を引っ込め、ポカンとした顔でパニックの議場を見下ろしていた。


善意100%の最強お節介国家が、現代日本の最も深い闇を、無自覚に抉り出した瞬間だった。

第5話をお読みいただき、ありがとうございました!

神条たちの「一見立派な演説」の化けの皮が、ルシードの純粋すぎる魔道具によって粉々に粉砕され、日本全土へ大暴露されるカタルシスの前半戦を描きました。神条たちの本音が醜ければ醜いほど、ルシードの「あれ? おかしいですね?」という無自覚な純粋さが最高に際立ちます。


もし今回の「真実の天秤」による大暴露展開がスカッとした、面白いと感じていただけましたら、ぜひ感想の書き込みや作品への評価(ブックマーク・応援)をよろしくお願いいたします!

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異世界転移(※ゲートもの)・ 異世界 ・現代 ・ローファンタジー ・魔法科学 ・超文明・ 圧倒的格差・ 専守防衛 ・ほのぼの ・内政/交渉・ 自衛隊 ・ダンジョン ・ネット通販/グルメ・ 主人公最強(国家)・ ざまぁ(技術格差による無自覚無双)
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