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『銀河最高峰の魔法科学国家、日本の東京にゲートを開いてしまう ~専守防衛(無敵)の精神で、現代兵器もダンジョンもすべて優しく無力化いたします~』  作者: 藤台団二
第1章:ゲート開通と「お節介」なファーストコンタクト

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第4話:国会見学と、お花畑な平和論

第4話をお届けします。今回は、ルシードたちが日本の国会本会議を傍聴するエピソードです。

前回の布石を受け、野党党首・神条が「一見すると極めて立派で感動的な平和論」を大熱弁します。それに純粋に感動して大はしゃぎするルシードたちと、裏の事情を知るために「最悪の展開だ……」と冷や汗を流す総理たちの温度差を、コミカルかつ緊張感たっぷりに描写しました。実際にあったらイラつきそうです。

翌日、東京・永田町の国会議事堂は、異様な熱気に包まれていた。


議場を見下ろす傍聴席の最前列。そこには、日本政府が極秘裏に招待したザーランド王国の使節団――ルシードとミリア、そして案内役の天野晴斗一尉の姿があった。


ルシードは「これが日本の最高意志決定機関か」と、興味深そうに厳かな議場を見渡している。


一方、階下の与党席に座る首相は、チラリと傍聴席を見上げて不敵な笑みを浮かべていた。

昨日の会合で、異世界人が日本の『憲法九条』に涙を流して感動したことは確認済みだ。今日の国会審議で日本の平和主義をアピールし、さらに彼らから有利な条件を引き出そうという、腹黒い計算が働いていた。


しかし、その目論見は、野党第一党の党首・神条しんじょうが登壇した瞬間に狂い始める。


「――議長! 私は、上空の異世界ゲート出現に対する、政府のあまりにも硬直したミリタリズム的対応に、断固として抗議いたします!」


壇上に立った神条は、テレビカメラを意識して、わざとらしく前髪をかき上げながら、朗々とした声を議場に響かせた。


「政府は自衛隊の戦闘機をスクランブル発進させ、未知の隣人を脅かそうとした! これは重大な挑発行為であり、憲法九条の精神に対する明白な冒涜である! いかなる理由があろうとも、武力による威嚇を行ってはならない! 必要なのは武器ではなく、対話のテーブルです! 真摯な話し合いの精神さえあれば、敵意など一瞬で溶けてなくなるのです!」


神条の演説は、実に堂々としたものだった。


大国からの裏金で私腹を肥やし、日本の防衛力を削ぐために言わされている売国奴のセリフ。


しかし、その声にはプロの政治家としての「欺瞞の熱」がこもっており、一見すると極めて人道的で、崇高な平和主義の演説に聞こえた。


野党席からは


「そうだ!」


「その通りだ!」

と、サクラの議員たちによる盛大な拍手と歓声が湧き起こる。


「……っ! なんという……なんということであるのだ……!」


その時、傍聴席で神条の演説を聞いていたルシードが、激しい衝撃に打たれたように身を乗り出した。

その端正な顔は歓喜に紅潮し、美しい瞳は涙で潤んでいる。


「ルシード様……! 私、私もう駄目で~す……! 胸が、胸がいっぱいで……っ!」


隣のミリアにいたっては、すでにハンカチを両手で握りしめ、ボロボロと大粒の涙を流して号泣していた。


「素晴らしい……! 素晴らしいぞ、地球の平和の闘士よ! 魔法の防衛システムもない、核兵器の一発で消し飛ぶような脆弱な身でありながら、これほど堂々と『対話による平和』を叫ぶとは! 彼らは命を賭して、非戦の思想を体現しようとしているのいるのであるのだ!」


ルシードは感動のあまり立ち上がり、議場に向けて激しく拍手を送り始めた。


「よく言った! その通りだ! あなた方の高潔な精神に、我がザーランド王国は心からの賛辞を贈る!!」


「素晴らしいです! あなたこそ真の聖騎士で~すーっ!」


超文明の使節団による、まさかの総立ちでの拍手喝采。

議場内は一瞬でシンと静まり返り、すべての議員の視線が傍聴席へと集まった。


「ククク……ッ!」


壇上の神条は、内心で狂喜の笑みを噛み殺していた。

(まさか、異世界のバカどもがこれほど簡単に釣られるとはな! これで『超文明の使節も私の平和論を支持している』と世論にアピールできる。最高だ、C国からの次の報酬が楽しみだぜ!)


神条はこれみよがしに傍聴席のルシードたちへ向けて、恭しく一礼してみせた。


一方、与党席の首相は、顔面を土気色に変えて頭を抱えていた。


「な、何てことだ……。あの宇宙人ども、神条のデタラメなお花畑平和論を、本物の高潔な思想だと勘違いしてやがる……!」


「総理、大変です! このままでは我が国の防衛方針がすべて否定され、神条の売国的な非武装論が『異世界の支持を得た正論』として通ってしまいます!」


官房長官が悲鳴のような声を上げる。


隣にいた天野一尉も、胃に穴が空きそうなほどの激痛を感じていた。

(ルシードさん、ミリアさん、騙されないでくれ……! あいつはただの腹黒い売国奴で、言ってることはただの防衛放棄なんだ……!)


しかし、純粋無垢なザーランド王国の面々に、地球人の「嘘」や「政治的欺瞞」という概念は通じない。


「総理大臣、そして日本の皆さん!」


ルシードは議場を見下ろし、聖者のような慈愛に満ちた笑顔で宣言した。


「我が国は、彼のような崇高な平和主義者を断固として支持します! 彼の活動を支援し、真の平和を共にはぐくむため――我が国の友好の魔道具を、これよりこの場で皆様にプレゼントしましょう!」


ルシードの手の中に、怪しく、しかし神聖な輝きを放つ小さな「天秤」のオブジェが現れる。

善意100%のルシードが取り出した、ザーランド王国最高峰の因果干渉魔道具。



それが、日本の政界に渦巻くドス黒い悪意を、すべて白日の下に晒すことになるとは、まだ誰も気づいていなかった。

第4話をお読みいただき、ありがとうございました!

神条のクズな本性を裏に隠した「お花畑演説」にピュアに感動してしまうルシードたちと、それによって外交計画が崩壊しかけて絶望する日本政府の対比をお楽しみいただけましたか。


次回、第5話ではルシードが善意で取り出した魔道具『真実の天秤』が起動します。神条たちの「本音」が国会中継の電波に乗って全国へ暴露される、怒涛のざまぁ展開へのカウントダウンが始まります!

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異世界転移(※ゲートもの)・ 異世界 ・現代 ・ローファンタジー ・魔法科学 ・超文明・ 圧倒的格差・ 専守防衛 ・ほのぼの ・内政/交渉・ 自衛隊 ・ダンジョン ・ネット通販/グルメ・ 主人公最強(国家)・ ざまぁ(技術格差による無自覚無双)
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