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『銀河最高峰の魔法科学国家、日本の東京にゲートを開いてしまう ~専守防衛(無敵)の精神で、現代兵器もダンジョンもすべて優しく無力化いたします~』  作者: 藤台団二
第2章『現代日本の脅威? ダンジョンなんてただの資源です』

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第13話:他国の精鋭部隊(笑)と、お掃除の邪魔者

第13話をお届けします!


新宿ダンジョンの2層目に潜入したルシードたち。そこで彼らが出会ったのは、日本を監視するために極秘で潜入していた、超大国A国の最高機密サイボーグ部隊でした。


地球最強を自負する彼らが中層ボスに蹂躙され、絶望する中、ミリアの『魔導ホウキ』が「お掃除の邪魔ですよ」とすべてを優しく蹂躙・資源化していく、圧倒的な国際格差ざまぁの爽快な展開をではでは、お楽しみください。

『新宿ダンジョン』の地下2層目は、かつて地球の有識者たちが「人代の立ち入るべからざる地獄」と称した場所だった。


1層目の近代的な地下街の面影は完全に消失し、ここでは壁も床も、脈打つ生体組織のような赤黒い未知の土壌に覆われている。


空気はねっとりと重く、吸い込むだけで肺が焼けるような強烈な魔素の匂いが漂う、まさに異世界の魔窟そのものだった。


だが、そんな絶望の空間を、ルシードとミリアの二人は、まるでお気に入りの庭園でも散策するかのように平然と歩み進めていた。


「いやあ、2層目に入ってから、さらにエネルギー廃棄物の濃度が濃くなってきました~ね、ルシード様!」


「そうだね、ミリア。大気中の未処理成分が多すぎて、少し外套が汚れそうだ。

地球の皆さんは、本当に健気というか、よくこんな劣悪な環境の産業廃棄物集積所ダンジョンを、防衛シールドもなしに放置していたものであるだよ」


ルシードは白い手袋の指先で、空間の魔素をチリでも払うかのように軽く弾いた。


それだけで、彼の周囲数メートルを漂っていた濃密な魔素が、パチパチと綺麗な青い火花を散らして完全に分解・無害化されていく。


その後ろを歩く案内役の天野晴斗一尉は、すでに自動小銃を肩にかけたまま、魂が抜けたような顔で追従していた。


先ほど1層目で、突入部隊を壊滅させた巨大魔獣ガルムの群れを「家庭用掃除機」のごとき魔導杖で一網打尽に吸い取られた衝撃から、彼の脳はいまだに回復していない。


(もう俺、何が来ても驚かないぞ。絶対に驚かないからな……)


天野が心の中でそう固く誓った、その時だった。


空間の奥、入り組んだ結晶の回廊の向こうから、凄まじい大気の震えと、――ドゴォォォォン!!! という、重火器が炸裂したような爆音が響き渡った。


「銃声!? いや、この高周波の破裂音は、自衛隊の装備じゃない……!」


天野の自衛官としての本能が呼び覚まされる。


「おや、先客でしょうか? 行ってみましょう、ミリア」

ルシードたちが出頭を速め、回廊を曲がった先には、まさに現代地球の最高峰たる「科学の粋」と「異世界の暴力」が激突する、凄絶な戦場が広がっていた。


「撃て! 撃て! 動きを止めるな!

重粒子ガトリング、出力最大フルパワー!」


英語の怒号が響く。


そこにいたのは、日本政府に極秘で新宿ダンジョンへと不法侵入していた、超大国A国の中央諜報局が誇る最高機密サイボーグ特殊部隊『プレデターズ』の精鋭たちだった。


彼らの肉体は9割以上が最新のチタン合金と人工筋肉に換装され、手にするのは戦車をも一撃で消滅させる、未公開の重粒子電磁砲レールガン。まさに地球最強の兵士たちだ。


しかし、その最強のサイボーグたちが、今はボロ雑巾のように床に転がり、四肢を毟り取られて絶望の悲鳴を上げていた。


彼らの目の前に君臨していたのは、2層目の主――中層ボス『ミノタウロス』。


体長6メートルを超える巨体に、鋼鉄以上の硬度を持つ花崗岩の皮膚。その右腕に握られた巨大なバトルアクスが一振りされるたび、A国が誇る最先端のサイボーグ兵士が、文字通り消しゴムで消されるように粉砕されていく。


「バカな……!

我が国の誇る重粒子砲が、皮膚を1ミリも凹ませられないだと……!?

化け物め、来るな! 来るなぁぁぁ!」


部隊の隊長らしき男が、両脚を失いながらも地面を這い、狂ったように電磁砲を連射する。


だが、ミノタウロスは小揺るぎもせず、冷酷な牛の目をぎらつかせながら、その巨大な斧を男の脳頭へと振り下ろした。


(終わった……!)


誰もがその男の「死」を確信し、天野一尉が思わず目を背けようとした、その瞬間。


「――ちょっと失礼しますよ。お掃除の邪魔になってしまいますので、そこを退いていただけますか?」


あまりにも緊張感のない、妙に透き通った少女の声が、戦場に響き渡った。


「は……?」


死を覚悟していたA国の隊長が目を開けると、視界に飛び込んできたのは、ミノタウロスの巨大な斧の刃を、わずか指先ひとつで受け止めている、可憐な甲冑姿の異世界少女――ミリアの姿だった。


正確には、指先ではない。


ミリアの指の先数センチメートルの空間に展開された、出力わずか0.5%の『自動防衛障壁』。


地球を滅ぼしかねないボスの全力の一撃が、その黄金の薄膜に触れた瞬間、パァンというマヌケなクラッカーのような音を立てて、完全に運動エネルギーを殺されていた。


ミノタウロスが、信じられないというように巨体を震わせ、斧を引き抜こうとする。しかし、バリアに吸着した斧はピクリとも動かない。


「ルシード様!

この奥、ものすごい量のエネルギー廃棄物が固まっています! 三角コーナーが完全に目詰まりを起こしている状態です!」


「やれやれ、本当に不衛生であるね。

ミリア、周囲の可哀想な生身の知的生命体サイボーグを巻き込まないように、スポット吸引を使いなさい」


「了解です!」


ミリアは手にした『超高密度エネルギー吸引魔導ホウキ』を構えると、ミノタウロスの巨体に向けて、その先端をすっと向けた。


「お掃除モード・フェーズ2、空間局所クリーンアップ、スイッチオン!」


――ズズズズズズズズズズズズズッッッ!!!


次の瞬間、戦場に響き渡ったのは、地球最強のサイボーグたちの兵器の音ではない。


それは、あまりにも聞き馴染みのある、しかしあまりにも絶大な「ダイソンの掃除機」を数万倍に増幅したような、強烈な吸引音だった。


「モ、モウゥゥゥウウウゥゥ!?」


ミノタウロスが、生まれて初めて体験する「絶対的な力」の前に、情けない牛の悲鳴を上げた。


その6メートルを超える巨体が、ミリアの杖の先端に発生した、親指ほどの極小の時空歪曲点に向かって、ぐにゃりとゼリーのように歪み、引き伸ばされていく。


近代兵器をすべて弾いた無敵の花崗岩の皮膚も、宇宙の物理法則そのものを書き換えるザーランドの魔法科学の前には、ただの「吸い取りやすい粗大ゴミ」でしかなかった。


ズブズブ、ズババババッ!


という凄まじい音とともに、ミノタウロスは断末魔を上げる暇さえ与えられず、わずか3秒で、ミリアの杖の中へと綺麗さっぱり吸い尽くされてしまった。


それだけではない。


「ついでに、周りの有象無象も綺麗にしちゃいますね!」


ミリアがホウキを周囲に大きく一振りすると、2層目の奥から無限に湧き出そうとしていた数千頭の魔物の群れが、ズズズズズッ! と一瞬でまとめてダイレクトに吸引され、空間から完全に消失した。


あとに残されたのは、不気味な赤黒い生体組織から、普通のコンクリートの床へと「除染」された、ピカピカに綺麗な地下空間だけだった。


カチャリ、と小気味良い音がして、ミリアの魔導杖の根元から、今度はメロンほどの大きさの、深紅に激しく輝く結晶がゴロゴロと床に転がり落ちた。


「はい! 中層ボス型エネルギー、および随伴廃棄物、完全回収完了で~す!」


ミリアは満面の笑みでその巨大なエネルギー結晶を抱え上げた。


「素晴らしいね、ミリア。これは非常に純度が高い。

小鳥遊さんに渡せば、日本全土の電力を、これ1個で約50年間、完全に賄えるクリーンエネルギーになる。地球のゴミは、本当に優秀な資源だ」


ルシードが感心したようにメモを取る。



その様子を、地面に這いつくばったまま見ていたA国の特殊部隊の生き残りたちは、もはや恐怖を通り越して、脳の理解容量が完全に破綻していた。


自分たちが国家の予算を数兆円投じ、肉体を捨ててサイボーグとなり、最新鋭の重粒子砲を持ってしても傷一つつけられなかった絶望の化け物が。


異世界の、お節介な少年少女の「お掃除ボランティア」によって、わずか数秒で、スマホの充電器か何かのエネルギー燃料へとリサイクルされてしまったのだ。


「あ……あ、あり得ない……。我が国の科学力は、世界、最強……。う、宇宙人、お掃除……電磁砲が……ゴミ……?」


部隊の隊長は、あまりの圧倒的な格差と現実の崩壊に、白目を剥いて泡を吹き、そのままカタリと意識を失って気絶した。


他の隊員たちも、精神が完全に限界を迎え、誰も起き上がろうとはしなかった。


「おや、天野さん。あちらの生身の皆さんは、過酷な環境で力尽きてしまったようです。我が国の親衛隊に連絡して、安全な地上の病院へ空間転移(ポイ捨て)しておきますね」

「あ……ああ、頼むわ……」


天野一尉は、すでに自動小銃を地面に置き、ルシードから手渡された「日本の電力を50年賄うメロン結晶」を、落とさないように震える両手で大切に抱えていた。


地球最強の軍隊が絶望した現代ダンジョンは、銀河最強のお節介国家の前に、ただの「超効率的なエネルギー採掘場」へと、その概念を完全に書き換えられようとしていた。

第13話をお読みいただき、ありがとうございました!


A国の誇る最新鋭サイボーグ部隊が絶望する目の前で、ミノタウロスが「ダイソン」のようにズズズと吸い込まれ、日本の電力を50年賄う最高級リサイクル燃料結晶に変わるシーンを描かせていただきました。


地球最強の兵士たちがショックで泡を吹いて気絶するギャップ、楽しんでいただけましたでしょうか。


次回、第14話からは、ついに新宿ダンジョンの最深部が完全崩壊し、数万の魔物が地上へと溢れ出す最大最悪の災害『大氾濫スタンピード』が幕を開けます。


世界中が「日本の終わり」と絶望する中、ルシードたちがゲートの入り口に仕掛ける「お節介シールド」が、全ての恐怖を最高にマヌケな資源回収イベントへと変えていくことになります!


もし今回の圧倒的な格差無双がお気に召しましたら、ぜひ感想の書き込みや作品への評価(ブックマーク・応援)をぜひぜひ、よろしくお願いいたします!

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異世界転移(※ゲートもの)・ 異世界 ・現代 ・ローファンタジー ・魔法科学 ・超文明・ 圧倒的格差・ 専守防衛 ・ほのぼの ・内政/交渉・ 自衛隊 ・ダンジョン ・ネット通販/グルメ・ 主人公最強(国家)・ ざまぁ(技術格差による無自覚無双)
― 新着の感想 ―
なんてことだ。主人公達が強すぎてピンとこない ミノタウロスの絶望感、ヤバさの方が理解出来てしまう 「スマホの充電器か何かのエネルギー燃料へ」 ↑ その絶望が軽く扱われてる感が出てて笑う
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