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蘇我の姫  作者: たま


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謎の男

太政大臣(今の総理大臣?)となった高市皇子は良く働いてくれる。おかげで藤原京は安定してる。

姉の子2人もすくすく育ち、今では娘はサーラの良き右腕だ…が、困る。

なぜなら、彼女が皇子を産めば明らかサーラの子、草壁皇子のライバルになる。

それでなくても弟の大津皇子が高市皇子の片腕として容姿も武力、知力共に優れて現在巷の人気者だ。

姉は常にサーラより正しくて優秀だった。

そんなしっかり者の姉が亡くなった後託された姉弟の2人。

いつもほとんど半裸で歩き回って屋敷では男女が朝昼夜の区別なくまぐわっている…まさに娼館だったが、自分が懐妊したこともあり、すっかり保育施設へと変化させた。

図書を充実させて学問に強い召使いなどに切替えた。

大津皇子のために武術に優れた召使いも増やした。

すっかり高級教育施設へと変貌させた。

生きていた頃の姉のように髪を束ね服も正しい正装を常に心がけた。

産後の肥立ちが悪い下の妹2人の子も引き受ける。

皆、子供は丸々としているが母親は全てを奪われて起き上がる事もままならなくなっていた。

サーラ以外はダイエット女子だった事も災いしたのだろう。

「フン、男にモテるのにダイエットなんか必要ないわよ!アイツら、ただの下半身に支配された繁殖装置なんだから!」白馬の王子を失ったサーラは誰よりもリアリストだった。

サーラは誰よりもしっかり食べ、やっと育った豊かな胸は大きな首飾りで見えるか見えないかのままにしていた。

下半身も薄い衣で覆うだけで、たまに全部見えてるらしく高市皇子が必死で布や扇ぐ羽で隠すよう召使いに指示を出していた。

大海人王子は大喜びしていたが、宮廷中のヒンシュク女だったのに!

姉の死後は、スーパーナニーとなり屋敷も全く変化して驚かれた。

大海人王子いや、今は天武天皇となった夫の体調は藤原京が造営安定しだしてからずっと良くない。

安心したのだろう。ずっと若い時から宙ぶらりんな地位だったので。

やっと晴れて天皇となり子供達は、サーラがスーパーナニーとして皆育ててくれてる。

政治は高市皇子が活躍し大津皇子や草壁皇子も手伝っている。

すっかり天武天皇は役目を終え苦難の多かった人生を破天荒なサーラ姫と楽しく歩めた事を感謝してる。

「ダメです!1日でも長く!アナタが造った国を平和な世界を慈しんで下さい!」と声を掛けるがすぐ深い眠りに落ちてしまった。

サーラも40代となり落ち着いては来たが、夫と年が離れていた事がヒシヒシと辛くなってきてる…政情も安定し夫はほぼ寝たきりとなってしまった。

女ざかりの身を持て余すことが増えた。

だが皇后となった立場で高市皇子にも落ち着いてくれと再三言われて、育てた大津皇子も草壁皇子に恥をかかす訳には行かず…ため息しか出ない。

有間皇子のための寺院の構想も立てなくては!

やる事は多いのだ!

だが、しかし…夜せつなく遠い有間皇子を思いながら月を眺めていると文が届けられた。

「藤原不比等様がサーラ様にお目通り願いたいとのお話しです。

有間皇子様の仏像を作るお手伝いをしたいと。」藤原不比等の母は、祖父が右大臣を務めていた時の左大臣だった阿倍倉梯麻呂の親族なのだ。つまり有間皇子の母方の親戚でもあるのだ。

「まあ、あちらに有間皇子の遺品があるのかしら?

今まで隠して持っておられたのかも?さっそく会いましょう。」と返事した。

長年、語ってはならない名だったが今は晴れて名を語って良い世界をやっと夫や高市皇子達と作ったのだ。

有間皇子の母方の親族が、まさかあの中臣鎌足の息子だったとは!

確かに阿部氏は実力ある豪族だった。しかし、中臣鎌足だ。父天智天皇から妻を譲り受けたはず。それに降嫁した嫁も居ただろうに…生き残った男子は不比等1人となっていた。

そう言えば、ヒドい天然痘で人前でその姿を見せたことは無いと聞いていた。

母方が阿部氏なのも知らなかった。全て闇のように情報が無いのが不比等なのだ。


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