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今日の会場は白玉楼・・・って訳でもなく、普通に焼肉屋だ。乾杯だけ皆でして、好き勝手飲み出した。隣に佐々木、正面に武内、その横が山重と矢田だ。
「おら、飲めよ」
「飲んどるは。ビール押し付けんなやハイボールにしてくれ」
山重が手話で佐々木に何か言ってる。山重は生まれつき喋れないらしい。彼氏の佐々木が全部通訳してる。
「えー、今日くらいはいいでしょぉ」
「なんて言われたんだ?」
「煙草吸おうとしたら止められた」
「佐々木吸わないもんな」
「高校ん時吸ってたけど、彼女できてからやめた」
「すげえな。火いる?」
「おお、貰おかな」
山重に叩かれてる。ラブラブだよなこいつら。
「横山、焼けたよ」
武内が皿にタンを置いてくれた。遠慮なくかぶりつく。うますぎ。レモンサワーで流し込む。最高だねぇ。
「誰だよ瓶ビール頼んだヤツ」
「あ、私です!」
矢田も皆に馴染んでお酒を飲んでる。
「横山さん、コップ出してください」
「サワーのコップに入れようとすんな。もう酔ってんのか?」
「えへへ」
矢田は幸せそうに小さなコップでビールをチビチビ飲んでる。佐々木は普通にハイボールを飲んでて、山重はカシオレだけで酔ったらしく、真っ赤な顔で静かにベタベタ甘えてた。佐々木も満更でもなさそうに頭を撫でてる。コイツら本当にどこでもいちゃいしてやがるな。けっ。武内は肉を焼いて色んな人の皿に配ってた。
「武内」
「なーに?」
「焼くのかわろか?」
「や、いーよいーよ」
「そうか。口開けて」
「あ」
俺の皿の上のハラミを口に押し込んでやる。
「んー、うまいね」
「やろ?」
「や、私が焼いたし」
俺も4杯目のサワーを流し込み、次はビールを頼む。
「そーいやさ、横山」
「なんや」
「今彼女いないんだよね」
「・・・まぁ、そうだな」
「そっか」
「なんだよイキナリ」
「あはは、なんでもいいでしょ」
届いたビールを1口飲む。
「ちょっとトイレ」
「横山」
「なんや」
「飲み干していきな。なんか入れられるかもよ」
「お前が止めてくれよ」
忠告を無視し、トイレに向かう。用を足し、ついでに外に出て煙草に火をつける。
「ふぅ」
「横山さん」
声の方を向く。矢田だった。らったった。
「隣、いいです?」
「勿論」
ベンチの真ん中から隅に寄る。
「火、貰っていいです?」
「はいよ」
矢田はペースに火をつけた。えっ、ピース?
「なんでピースなの?」
「パッケージが可愛くて」
悠々と煙を吐き出してる。中々やるね。
「横山さん、彼女いないんですよね」
「ああ。別れたばっかだ」
「じゃあ、私彼女に立候補しますよ!」
酔ってるのか矢田の顔は真っ赤だ。俺は軽く笑った。
「考えとくよ」
灰皿に捨て、店内に戻った。




