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撫でられ、愛でられ、嬲られ、舐められ、抱かれて、全てが終わった時はもうすぐ朝日が見える時間だった。俺は眠れず、ピースに火をつけた。ベランダから見える町並みは薄暗く、車も人も見当たらない。煙草を吸う時の擬音って絶対スパスパじゃあないよな。どうでもいい考え事を吐き出し、また咥える。

「寝ないの?」

俺は声の方を向く。井伊は渡したジャージを着ていた。俺のサイズと合わないからか、裾を曲げている。

「吸い終わったら寝るよ」

「そう」

井伊はハンモックの隣に座った。重さに軽く軋んだ。

「はい」

手渡されたのは缶チューハイだった。

「寝ねえのか?」

「どうせ寝ないでしょ」

缶をぶつけ合い、口を付ける。

「なあ」

「なに」

「お前、俺のこと好き?」

「うん」

「そうか」

「君は?」

「結構好きだよ」

「そう」

肩を寄せ合い、煙を吐き出し、酒を飲む。最悪の夜中だ。

「いつから好きなんだ?」

「ゼミの時、君が元カノさんと喋ってる時、あまりにも冷めた顔をしてたから気になって、目で追うようになって、大好きになった」

「いつくらい?」

「んー、1年の秋くらい」

「倦怠期だったのかもな」

「なにが嫌になってたの?」

「・・・色々だな。家事は半分って決めてたのに大体は俺がやるようになってたり、勉強中もやたらと話しかけてきたり、小さな嫌なことが月まで届きそうになってたんだよ」

「ふーん、そっか・・・そっか」

「んだよ」

煙草を灰皿に捨てる。立ち上がろうとしたら膝に手を置かれた。強くはないが、立ち上がれない。俺は少し迷い、ハイライトのフィルターを開けた。

「君は私の何が嫌い?」

「・・・性欲が強いところと嫉妬深いところ」

「治らないから諦めて」

「えぇ・・・」

「私が君の嫌いなところは、言葉にしてくれないこと」

「諦めろ」

「ふふっ」

俺は井伊の口に咥えてた俺の煙草を突っ込んだ。

「なによ」

「飲み終わっちまった。スコッチ開けようぜ」

「あ、待って」

唇を軽く重ねるようなキスをされた。

「炭酸水、冷蔵庫にあるよ」

「割らずに飲む」

「グラスは2つ、氷も忘れないで」

「はいはい」


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