25
俺は台所で水道水を直飲みしてから、自室に入った。既に井伊はベッドに腰掛けていた。
「・・・」
「寝っ転がって。私が上になる」
「・・・前セックスした時も思ったが、なんで主導権を握りたがるんだ?」
「・・・どうだっていいでしょ」
俺は椅子に腰掛ける。
「早く来てよ」
「・・・お前、なんでそんなに俺を求めるんだ?」
「なんでもいいでしょ!」
苛立ったように足を組み直す。
「なに?知りたいの?じゃあ教えようか」
井伊は着ていたブラを外し、投げつけた。
「元カレがよく私に睡眠薬を飲ませたりしてきたから、セックスは主導権を握らないと怖いの」
「・・・」
「はい、これで満足した?」
俺は机の上に置いたままだった服を投げた。
「・・・なによ」
俺は投げられたブラもベッドに投げ、タンスを開ける。
「あんたを求める理由?好きだからだよ。他に理由がご入用か?インテリ君」
俺はパジャマ用のジャージを手渡した。
「だから何なの?」
「・・・井伊のことは、結構好きだ」
「っ、結構ってなによ」
「少し、時間をくれねぇか?まだ、色々気持ちを整理したいんだ」
「・・・」
「夢希はもう好きじゃあないし、オルタナティブとしてお前が好きな訳でもない。だから、もう少し待てないか?」
「・・・無理、待てない」
「なんでだよ」
「・・・好きが止まらない」
「はっ」
俺は立ち上がり、井伊の隣に座った。
「・・・じゃあ、夢希の連絡先、消せる」
「目の前で消してやるよ」
ラインを開き、ブロックして見せた。そのままトーク履歴も削除した。
「・・・そう」
井伊は俺の枕を抱きしめた。そのまま赤くなった顔を隠した。
「・・・井伊」
「・・・なによ」
「服を着ろ」
「今からセックスするんでしょ」
「え」
押し倒された。
「隣に座ったなら同意ってことだもんね」




