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「しばらく俺は寝る。アラーム鳴って起きなかったら起こして」

「何時のアラーム?」

「7時」

「バイトは何時から?」

「8時半」

「ん、わかったよ」

「冷蔵庫にあるのは好きに食べていいし好きに飲んでいい。俺の部屋も別に入って構わんけど漁るなよ」

俺は自室に戻り、ベッドに寝転がる。直ぐに閉めたドアが開いた。

「・・・なんの用だ?」

「一緒に寝ようと思って」

「失せろ」

「あはは、いいじゃん」

当たり前のように俺が寝転んでるベッドに腰掛けた。

「充電器挿しといて」

「おっけー」

俺は少し空いてたカーテンを閉め直す。

「寝付くまでお喋りしない?」

「・・・なにを話すんだ?」

「なにか話したい?」

「話題を用意してから言えよ」

「私は君の話ならなんでも聞きたい」

「話すことなんてねーよ」

寝返りをうち、顔を壁側に向ける。

「つれないなー」

壁と俺の隙間に身体をねじ込んできた。

「・・・酒臭い」

「愛の匂いかもよ」

「馬鹿が」

目を閉じる。身体の下に腕を通され、抱きしめられた。

「・・・なんだよ」

「・・・彼女と別れたから人肌が恋しいかなって。このベッド2人用の大きさでしょ」

「・・・」

「まぁ、私が君を感じたいだけだけど」

「台無しだよ」


「起きて」

少し揺すられ目を覚ました。時計を見るとアラームが鳴る少し前の時間だ。

「・・・おはよう」

「っ・・・おはよう、ご飯一応作ったけど食べる?」

「や、いいや。帰ってきてから食べる」

「ん、わかったよ」

ベッドから降り、箪笥を開ける。来ていた灰色の汗臭いシャツとカゴパンをその場に脱ぎ捨て、スーツに着替える。

「・・・見蕩れちゃうね」

「はっ、売上に貢献してくれるかい?お嬢さん」

井伊は俺に財布を投げた。お札が結構入ってる。俺は投げ返した。

「いつもどうやって行ってるの?」

「バスだな」

「送ってこうか?」

「酒飲んだろ」

「とっくに抜けたよ。1缶飲んだだけだし」

確かに時間は結構経ってる。

「頼もうかな」

「わかった」

家を出て、鍵をかける。少し迷った後、鍵を渡した。

「え?」

「スペアキーがないんだ。夢希がなくしたからな」

「・・・ふーん、君の隣にいるには教養が必要そうなのに、身の丈が合ってなかったのかしら」

・・・元カノの悪口を怒るのは器が小さいのだろうか。俺は何も言わず階段を降りた。

「乗って。助手席にね」

「はいはい・・・あ、煙草忘れた」

「はい」

ハイライトを渡された。

「さっき買ってきた」

ちらりとミラーで後部座席の方を見ると、カートンが2つ置いてあった。

「・・・ありがと」

「なんでも頼って」

静かに車は動き出した。

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