第088話 顔を赤くしてるくせにすました顔でうどんを食べるアヤカちゃん
電話を終えると、皆を見渡す。
「ある意味で予想通りだったね」
リクが苦笑いを浮かべた。
「微妙に負けてるっていうところがあいつらしいよな」
大賭けする度胸はないが、興味があるからやってみるって感じ。
「まあ、大村君が無事で良かったじゃないの。でも、早めに合流した方が良さそうね」
それはそうだが……
「ミナトも捕まえないといけないタイプだったか」
「だからポケ〇ンじゃないんだから」
リクがツッコむ。
ただ、こう言ったらなんだが、北浦さんもそのタイプだぞ。
「高梨君、どうするよ?」
高宮さんが聞いてくる。
「うーん……」
四国に行ってから神戸に行くって考えていたが、ミナトも急いだ方が良い。
ただ、神戸に行ってから四国に行くのもな……
「とりあえず、今日はもう休まない? ミナトが無事っていうのがわかっただけでも十分だし、エルヴィスとリンダさんがいないから明日、話し合おうよ」
リクが提案してきた。
「そうするか」
「じゃあ、明日の9時くらいにまた集まろうか」
「そうだねー……フォロー、よろ」
高宮さんがぽつりとつぶやいて立ち上がると、リクと北浦さんと共に部屋を出ていった。
「風呂に入って、寝るか。アヤカ、先に入ってくれ」
「そうね。じゃあ、お先に」
アヤカが風呂に入ったのでベッドから立ち上がり、さっきまでリクが座っていた席につく。
「ふう……」
どうするか……
四国と神戸……アヤカの祖父母と仲間のミナト。
俺はリーダーだからどちらかを選び、どうするのかの結論を出さないといけない。
そして、その結論はなるべく公平にしなければならない。
何故かというと、もう皆もわかっているだろが、リーダーの俺は私情でアヤカに肩入れをするからだ。
だからなるべくそうしないようにしないといけない。
「うーん……」
でも、四国には行くべきだよな……
神戸の次は多分、京都だ。
理由は北浦さんの従兄。
それを考えた時に四国に行かないという選択肢はない。
やはり先にミナトと合流し、こちらに戻ってくるのが一番、無難なような気がする。
悩んでいると、アヤカが風呂から上がったので次に俺も入ったが、湯船に浸かりながらも考えていく。
そして、1つの案が出たところで風呂から上がると、アヤカがテーブルについていたので隣に座った。
「どうする?」
アヤカが聞いてくる。
「当然だが、四国も神戸も行く」
「そう……でも、優先すべきは大村君よ」
それはわかってる。
「確かにそれはそうだ。しかし、やはり行くなら神戸に行って、そこからこっちに戻るというのは避けたい。吉井もだが、徳島の救世主のこともある。その2人はまだこの辺りにいる可能性が高いし、1つのところに長居すべきじゃない」
もちろん、さっさと東京に行きたいという思いもある。
ミナトと合流できそうだし、俺達の何度目かの人生は東京に着いてから始まるのだ。
「その辺りが難しいところ? 悩んでたようだけど」
さすがに悩んでいるのはわかるわな。
「ああ。そのことを明日、皆と話すが、俺はここで二手に分かれるもありかと思っている」
やっぱりこれじゃないかなって思う。
「二手……四国に行く人と神戸に行く人ってこと?」
「ああ。片方が四国に行き、アヤカの祖父母の確認をする。もう片方は神戸に行き、ミナトと合流。その後、待機か先に京都に行くかはそちらで判断する」
もう俺の中でメンバー割もできている。
というか、一択なのだ。
「せっかく合流したのに別れるわけね……」
「あくまでも一時的にだ。それに個別で行動じゃない。7人パーティーを分けるんだ」
「まあ、3人、4人って考えたらそんなに変じゃないわよね」
俺達は元々、4人パーティーだった。
そこで1人ずつ失い、3人パーティーになったのだ。
異世界でも冒険者がパーティーを組んでいたが、だいたい2人から5人だったし、その中でも3人と4人が圧倒的に多かった。
「ああ。このことを明日、皆に提案し、相談する。エルヴィスとリンダ姉さんの情報もあるだろうし」
「わかった……私は四国よね?」
「それは絶対だな」
当然だ。
「ユウ君は?」
「アヤカと一緒に行く」
これも当然。
「そう……ありがとう」
「俺はアヤカのそばにいるから」
そう言って、手を握った。
「うん……」
アヤカがちゃんと握り返してくれる。
しばらくそうしていたが、さすがに時間が時間なため、寝ることにした。
翌日、朝起きた俺達は朝食を食べる。
「昨日、何杯飲んだっけ?」
蕎麦のカップ麺を食べながら聞く。
「うーん……2杯かな?」
「酒は控えないとな」
「そうね」
うん……
俺達は朝食を食べると、寝ぐせを直したりし、皆が来るのを待つ。
そして、9時になると、皆がやってきたのでエルヴィスとリンダ姉さんに昨日の電話のことを話した。
「なるほどな……とりあえず、無事だし、命の危険がないことがわかったのは朗報だ」
「そうですね。まずは一安心といったところでしょう。ゾン子ちゃんに感謝ですね」
エルヴィスとリンダ姉さんが頷く。
「ああ。それでなんだが、そっちの情報はどうだったんだ?」
「主に私が四国のことを聞きました。エルヴィスさんは神戸ですね。分担したんですよ」
なるほど。
チームワークだ。
「四国は?」
「焼き鳥屋の大将の言ってた通りですね。香川と徳島の県境で睨み合いです。そこに高知と岡山からそれぞれの援軍っていった感じです。どうなるかはわかりませんが、早急に四国に行き、さっさと四国から離れた方が良さそうですね」
巻き込まれるのが一番嫌だからな。
「愛媛と高知は?」
「愛媛はやはり広島ですね。ただ、こちらの情報はなかったですし、動きはないと思います。広島側も切り裂きジャックのことがありますし、そっちの対処が優先でしょうしね。高知は先ほども言いましたが、徳島への援軍ってだけですね」
やはり香川、愛媛、高知のルートか……
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