表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/60

第011話 旅館


 俺達はSNSを見ながら情報を探っていく。


「色んな情報があるな。というか、カオスだな」


 人間側の情報もあれば、悪魔側の情報もある。

 相手を批判するのはわかるのだが、肯定派もおり、レスバをしている。

 さらには結構ショッキングな画像をアップしているのもあるし、何が何だかわからない状態だ。


「エルヴィスが言うようにほとんどが信用できないわね。【食料が豊富で安全なシェルターを知ってますよ】とか書いてあるのもあるけど、絶対に嘘よ」


 っぽいな。


「人間側も信用するなっていうのもわかるな」

「こんな状態だものね。それも10年も。もう日本人の秩序もないと思った方が良いわね。異世界と一緒」


 まあ、異世界生活の延長か。


「やれるか?」

「もち。今更でしょ」


 まあな。

 俺達も色々なことがあった。

 魔物を倒すことがメインだったが、盗賊を倒したこともあるのだ。

 最初は寝られなかったことを覚えている。


「アヤカ、やっぱり俺達以外は信用するな」

「おっ、今のはかっこいいわよ。それは他のクラスメイトもってことよね?」


 好感度、上がったかな?


「ああ。これは女子側には言ってなかったことだが、俺達が旅をしている時にも色々あったんだ」

「知ってる。私らもあったもん。というか、私らの方が多いかもね」


 そうか……


「俺達は異世界で魔物を倒し、レベルアップしていった。多分、マナという経験値の塊だ」


 10年分の蓄積がある。


「でしょうね。強くなる一番の効率は強い奴を殺し、マナを奪うこと。他の連中にこの知識があったかは知らないけど、もう皆が知っていると思っていい」


 この世界では悪魔も人間も知っているらしい。

 帰ってきたクラスメイト達もすぐにわかることだろう。


 俺達が頷き合うと、ノックの音が聞こえてきた。


『おーい、いるかー? それとも1時間くらい後に来た方が良いかー?』


 エルヴィスの声が聞こえてきたので立ち上がり、扉の方に向かう。

 そして、扉を開けると、エルヴィスを招き入れた。


「エルヴィス、変なこと言わないで。ユウ君がどぎまぎするから」


 もうしてない。


「わりー、わりー。この旅館はどうだー?」


 エルヴィスが対面に腰かけたので俺も座る。


「良いところね。できたら平時に来たかったわ」

「へっへっへ。そうだな。情報は見つかったか?」

「まだよ。そっちは?」

「ここの支配人にちょっと聞いてきた。別府ではそういう異分子の情報はない」


 ミナトとリクはいないのか?


「そう……困ったわね」

「あいつらも弱くはないから大丈夫だと思うが……」


 心配は心配だ。


「それで小倉に行くというのは変わってないか?」

「ああ。それはそうだ」

「ええ」


 アヤカも頷く。


「そうかい。じゃあ、伝えよう。この別府から小倉までは人間の町はない。だが、オーガの集落があるんだよ」


 オーガ……


「確か『奪え、奪え』だったか?」


 エルヴィスがそう言っていた。


「ああ。盗賊団だな。ここと北九州付近を繋ぐ高速を根城にしている。通ったらまず戦闘は避けられない」


 高速道路に住んでんのか?


「下道は?」

「危険であることは変わりないが、高速よりかはマシだな。だから行くなら下道で行け」


 ちょっと時間がかかるが、まあ、そこまでの差はないだろう。

 俺達は10年待ったんだ。


「それで足のことなんだが……」


 ここが大事。

 歩くとかなりの距離だ。


「小倉ねー……まあ、連れていってやってもいいぞ」


 マジ?


「いいのか?」

「それだけのマナをもらっている。返すと言ったが、良いマナだし、返すくらいなら働こう。それに小倉の競馬場っていうのが気になっていたしな」


 角が生えた馬が走ってるんだっけ?

 それ、悪魔だろうし、しゃべるのかね?

 ウマ悪魔?


「助かる」

「良いってことよ。こっちはもう報酬をもらっているんだ。それにちょっとお前達が気になる」

「すまん。俺は好きな人がいるんだ」


 実はいるんだな。


「知ってるよ、どぎまぎ君。そういうことじゃなくて、異世界のこともだし、お前らは異質すぎる。その仲間はどうなんだろうって思っただけだ」


 高宮さんと北浦さんか。


「俺達と同じくらいのレベルだな」


 俺達は力にあまり差がない。

 まあ、だから仲良くできたとも言えるんだが。


「その辺がな。お前らは面白れーんだよ」


 面白いか?


「よくわからないが、協力してくれるなら助かる」

「ええ。ありがとう」

「礼はいらねーよ。じゃあ、明日、朝一で小倉に向かうってことで良いか? 多分、昼には着く」


 車ならすぐか。


「あ、エルヴィスさー、別府にドラッグストアとか服屋とかある? 色々と揃えたいのよね」

「服屋は充実しているが……ドラッグストアは野ざらしだぜ? 回復魔法を使える奴が多いし、悪魔に薬なんかいらねーからな」


 俺も回復魔法を使えるな。

 もっと言えば、ポーションも作れる。

 俺達で回復魔法を使えるのは俺、リク、高宮さんだ。


「薬もだけど、色々と欲しいの。10年前のものでも大丈夫」

「じゃあ、市内にいくつかあるから寄ってやるよ」

「ありがとう」

「ユウも何かいるか?」


 んー……


「スマホって手に入るか? 俺の分はもう使えないが、今後のことを考えると、新しく持っておきたい」

「それなら俺の分をやるよ。俺はいっぱい持ってるからな」

「多いな。そんなにいるのか?」

「色々と仕事があるんだよ」


 農家でそんなにいるっけ?

 まあ、いいか。


「じゃあ、くれ」

「ほれ」


 エルヴィスがスマホを投げたので受け取る。


「悪いな」

「構やしねーよ。それよりもせっかく温泉旅館に来たんだし、風呂でも行こうや」


 おー、そうだった。


「確認だけど、男女は分かれてるわよね?」

「当たり前だ。それにこの時間ならまだ他の客は少ない。ゆっくり入れや」

「ふーん……じゃあ、行きましょうか」


 俺達は立ち上がると、部屋を出て、エルヴィスの案内で大浴場に向かった。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

【予約受付中】
~漫画~
~7/9発売予定~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

~書籍~
~7/10発売予定~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

【新刊】
~漫画~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
農家もやってる情報屋かな?エルヴィスさん
支配人とも気軽に?話せるゴブリン
用意周到すぎるやつと最初に出逢えてよかったなw あやしさは拭えないけど。。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ