表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/92

第66話「交流戦の始まり」

 交流戦の会場は、学園から電車で四十分の場所にあった。


 広い競技施設だった。


 複数の異能者育成機関から、Sランク相当の生徒が集まっていた。


 俺は会場に入った瞬間、気配の密度が違うことに気づいた。


 強い。


 全員が、覇凰学園の平均より一段上の実力を持っていた。


 城島が隣で静かに言った。


「雰囲気が違いますね」


「そうだな」


「緊張しますか」


「しない」


「そうですか」城島が言った。「私は少ししています」


「それでいい。緊張は集中を生む」


「黒瀬くんらしい言い方ですね」城島が微かに笑った。


---


 受付を済ませた。


 参加者の名簿を見た。


 二十人だった。各機関から複数名が参加していた。


 形式は個人戦のトーナメントだった。


 城島と俺が同じブロックに入っていた。


「同じブロックか」城島が言った。


「決勝前に当たるかもしれない」


「そうですね」城島が静かに言った。「もし当たったら——全力でいきます」


「そうしてくれ」


「手加減されたくありませんから」


「しない」


「よかった」城島が頷いた。「手加減されたら悲しいので」


---


 控室に入った。


 高坂がいた。


 東央異能学院の制服を着ていた。体格がいい。目つきが鋭い。


 高坂が俺を見た。


「来たな、黒瀬」


「そうだ」


「体育祭、見ていた」高坂が言った。「騎馬戦の瞬間加速を躱したところ。あれを見て——今日が楽しみになった」


「俺もだ」


「黒剣はまだないのか」


「まだだ」


「それでも来たか」高坂が言った。「なぜだ」


「現状を確認するためだと言った。それは変わらない」


「なるほど」高坂が腕を組んだ。「お前が今どのくらいかを見る。それが今日の俺の目的だ」


「同じだ」


「同じ目的で戦うか」高坂が少し笑った。「面白い交流戦になりそうだ」


---


 トーナメントが始まった。


 俺の一回戦の相手は、北部異能学院のBランク相当の生徒だった。


 雷操作の異能を持っていた。


 試合開始の笛が鳴った。


 相手が即座に雷を放った。


 広範囲の雷だった。逃げ場を塞ぐ形の攻撃だ。


 俺は雷の間を縫いながら、最高速度で一直線

 ーーーーーー走り抜けた


 相手が驚いた。


「雷の隙間を走ったのか」


「隙間があった」


「隙間が見えたのか」


「見えた」


 俺は間合いを詰めた。


 掌底を打ったその時、、、


 煉の手と相手の体に細かな静電気が発生した。


「なんだ、これは?」


 そう呟きながらも相手の体に煉の手が近づき、あと数ミリで触れる、そんな瞬間、煉が磁石のN極とN極を近づけた時のように飛ばされた。


「危なかったな」


「お前何をした」


「なあに、軽く電気をパチパチさせただけだ。」


「そうか」自分の攻撃が当たらなかった。その現象から生じる悔しさはあった、本当にあった、だが俺の表情は笑いを堪えきれていなかった。


「次は俺から行こう」


そう相手が言った時、、、


 雷鳴が空を裂き、地面が白く焼けた。

 目の前に立つ敵は、まるで空そのものを従えているかのようだった。指先を軽く動かすだけで、青白い閃光が空気を切り裂く。


「お前の敗因は武器を取り戻してから、この場に来なかったことだ」


 低く笑う声と同時に、稲妻が落ちる。

 だが主人公は、跳んだ。


 ――遅い。


 地を蹴る一歩が、雷の軌道を外す。着地と同時に踏み込み、そのまま懐へ。拳を振り抜くが、雷の壁がそれを弾いた。皮膚が焼け、痛みが遅れて走る。


 それでも止まらない。


 次の瞬間、敵の足元へ滑り込む。視線ではなく、“気配”で雷の発生を読む。閃光が落ちる前、ほんの一瞬の空気の歪み。その隙間を縫うように動く。


「馬鹿な……!」


 驚きの声。

 その中心へ、拳が届く。


 鈍い衝撃。雷が散る。

 空が、静かになった。


「まあ、なんとかなると思っていたからな」


 一回戦終了。


---


 二回戦、三回戦と勝ち上がった。


 城島も勝ち上がっていた。


 準決勝の組み合わせが発表された。


 俺の相手は——城島だった。


---


 城島が俺に向かってきた。


「来ましたね」


「そうだな」


「手加減しないと言いましたよね」


「言った」


「では——全力でいきます」


 試合開始の笛が鳴った。


 空間が、わずかに歪んだ。


「――光理支配」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ