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ロリの病院 ③

 そう、私もシェリーちゃんと似たような境遇なんだよね。


「生まれる前に父親が蒸発して、母も私を生んで死んじゃった。私の時代じゃ、出産は命懸けだしね。その後、親戚をたらい回しにされて、十歳の時に母の親友に引き取られたの」

「……⁉」


 ティスちゃん、びっくりして声も出ないご様子。ま、この話をしたら、大抵はこうなるよね。聞いちゃいけない事を言わせてしまった、そんな罪悪感に見舞われちゃうみたい。


 そして、憐れまれて、可哀想な子になってしまう。それが、嫌だった。可哀想な子扱いてのは、腫物を扱う感じだから、子供心に寂しいモノなんだよ。


 だから、普段は決して人には言わないんだけど、今回は特別。ティスちゃんには、ぜひ言っときたかったんだ。シェリーちゃんが、どれだけ貴方に救われているのを、伝えたくて。


「でもね、私は幸せ者よ、胸を張ってそう言い切れるわ」

「……その自信は、何処から来るのよ」

「決まってるでしょ。心の底から信頼できる、大好きな人と一緒にいられるからよ。引き取ってくれた一家の人達は、まるで本当の家族みたいに、私を愛してくれた。それに、とっても可愛い妹だっているしね。あの人達には、感謝してもしきれないよ」


 まぁ、その可愛い妹がこの頃妙にそっけないんだけどね。昔は、お姉ちゃんとか言って、懐いてきたんだけどなぁ。だからお姉ちゃん、穂村ちゃんのヒーローになりたくて、いつの間にかこんな所まで来てしまった。


 幼女のヒーローになるって決めて、ヒーローやって怒られてるけど、未来で幼女を助けているなんて言ったら、どんな顔をするんだろうか。


 まぁ、呆れるだろうなぁ。バカ姉にはぴったりだとかね。そんな彼女だけど、ヒーローの件に関しては、私の身を案じてくれてる所もあるっぽい。口には出さないけど、心配してくれているのは、ひしひしと伝わってくる。その思いやりは、独りぼっちだった頃には、決して味わえなかった。


「シェリーちゃん、突然独りぼっちになって、寂しかったと思うよ。だから、見知ったティスちゃんのパパさんに甘えてたんだと思う。大人になれば、見える世界や夢が広くなって、自分の力で世の中面白おかしく出来るんだろうけどさ。小さい視野しか持たない子供にとって、身内が世界の全てなんだよね」


 幼女という、人生を捧げる最高の女神に出会えたから、サンダー・ドラゴンなんて子供じみたヒーローになって変身できる。彼女達の為に、体を鍛えられる。悪人とだって戦える。何より、穢れの無い、真っ直ぐな心を愛する事が出来る。


「何の見返りを求めない、真っ直ぐな愛ってのは、とっても大切で、かけがえのないモノなんだよ。ティスちゃんは、もしシェリーちゃんに愛されないからって、彼女の事嫌いになっちゃう?」

「そ、そんな訳無いでしょっ!」


 ちょっと意地悪な聞き方だったかな。むきになって怒らせちゃったよ。


 でも、怒ってくれたから、一安心だ。それだけ、彼女の事を見返り無しに愛してあげているんだから。その綺麗な愛に、心まで浄化されそうだよ。

 やっぱ幼女は、いいもんだねぇ。


「怜奈……アンタの事、ただの変態色情魔だと思ってた。だから、シェリーがアンタに甘えるとか、許せなかった。それで、嫉妬しちゃってた。でも、なんだか馬鹿馬鹿しくなっちゃたわ。まさかアンタに、教えられるとはね。そうよ、幼馴染の私が、アンタなんかに敗けてたまるもんですか!」


 ちょっと、酷くないかなぁ。ま、いいけどさ。大体合ってるし。


「それと……ありがと」


 そして、照れながらも、精一杯の気持ちを振り絞ってだした、小さなお礼。まだ完全にデレきってないから、ちょっとツンデレ気味。でも、それが。


「可愛いぃぃぃぃぃぃぃぃ! ツンデレ幼女頂きましたぁっ! もっと嫉妬してもいいのよ!てか嫉妬して! むきになってるの、見ていて悶絶しそうなぐらい、ツボなんだから! そうだ、これからシェリーちゃんとスキンシップ増やそう。そうすれば、シェリーちゃんの甘ロリボディを堪能できるし、ティスちゃんのツンデレも見れる! 一石二鳥どころじゃあないぜぇ!」


 ティスちゃんの照れ顔で、リミッターが、外れたのを感じる。こうなってはもうどうしようもない。本人が目の前にいるのも無視して、欲望をさらけ出してしまう。この昂るロリコンスピリッツの叫びを止めるためには、エネルギーを爆発させるしかないのだ。


「ああ、やっぱアンタは、どうしようもないド変態。こんな奴に、シェリーを……」

「ティ、ティスちゃん。い、今はどうかご勘弁を」


 ティスちゃんが、気を高めて戦闘態勢に入っている。私も、平時ならどうにでもなるんだけど、今は昂るエネルギーを抑えるので精一杯だ。


「渡して、たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ありがとうございますぅ!」


 右ストレートが頬にどっこーん。幼女パンチ、頂きましたぁっ!


「フヘへへ、いい。幼女の駄々っ子パンチ、最っ高……」

「ひぃぃっ! な、なんで殴ったアタシが怯えて、アンタが幸せそうなのよ。い、意味わかんない!」


 世の中には、ドMって言葉があるのですよ。ま、私は幼女専門のMだけど。それ以外だったら、全力で殴り返すけど。いや、そもそも殴られる前に拳で止めて、蹴りを入れて転ばせて、顔面殴り続けるけど。


「え、えっと。怜奈……さん?」

「あ、ナースさんじゃあないですか。こんな所まで来て、どうしたんですか?」

「い、いや、地面に転がって、ひ、一人ニヤニヤしている貴方にだけは言われたくないです。……そうじゃなくて! 皆さんに、だ、大事なお知らせが、あ、あるんです!」


 地面にうずくまりながら、幸せな痛みに酔いしれていると、ナースさんが裏庭までやってきた。それも、火急の要件があるみたいなのか、ここまで走って来たらしい。そのせいか、息も乱れきっている。


「シェリーさんが、シェリーさんが……攫われちゃいました!」

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