ロリの病院 ①
今回の戦利品は、中々の上玉だった。
目覚まし代わりの準備運動としては、あまりにも物足りない相手だったのだが、持ち帰ったリーダーで楽しめたので、良しとしようか。
あてがわれた自室も、中々設備が整っていやがる。おかげで、機材には苦労せずに済んだ。どうやらユグドラシルの野郎も、今回はアタシを買ってくれてるみてぇだ。
この前は、散々だったからな。特注のベビー用品で、赤ちゃんプレイを敢行したってだけで、冷凍催眠刑。それを、刑期を帳消しにしてまでアタシに頼るって事は、それだけ今回の件を重く見ているって訳かい。まさか、人間が過去からやって来たんだからなぁ。そりゃあ、大変だわな。
「し、失礼します、隊長。定時連絡によると、そろそろ頃合いとのことです!」
緊張しながら入って来たのは、確かM3……だったかな。グノーディアの部下で、何故だか今は私が隊長って事になっちまった。他の奴にも言える事だが、悪い奴じゃあ無いんだか、数百年平和だったせいか、どいつもこいつも弱すぎる。実戦じゃ、まず使えねぇだろうな。
「ああ、分かった。そんじゃあ、ちょっと出かけるわ。お前ら、ついてこなくていいぞ。アタシ一人で十分だ。ってか来るな」
「しかし! このままではグノーディア隊長の……」
「アタシが隊長だ。いいから黙ってろ」
「はい……」
ま、意気込みは買うけどな。アイツの部下思いのせいで、面倒な奴等ばっかだ。嫌いじゃあないが、実際に押し付けられると色々苦労すんなぁ、コレ。
「ま、その分はコイツで楽しませてもらおうか」
もう何百回も見てきたリストに、今一度目を通しとく。ああ、今回は特上品だ。
「ティスちゃんに、シェリーちゃん……ね。ああ、美味そうだ。特にこのティスってのがいいな。こーいう気の強そうな幼女ほど、折れたらいい顔してくれんだよなぁ……ん?」
ロリにばっか目を通してたせいで、もう一人の顔をよく見てなかったが、この怜奈って女、何処かで見覚えがある。誰かに、似てんだよな。
「使用神武は、雷桜か。……なぁるほど、そりゃ、あの連中も焦るわな」
「あ、あの。隊長、怜奈さんが、どうかしましたか?」
「ああ、何でもない。ただの人違いだ」
「……はぁ」
それに、アタシには関係のない事だしな。とっとと片付けて、ティスちゃんとシェリーちゃんで楽しむとしようかい。
「それと、コレはもういい。好きにしな」
ベットで震えてるリーダーさんは、中々楽しめたが、もう引き出しも無さそうだ。それに、この世界は幼女で溢れているから、替えはいくらでも効く。
装備を点検し、部屋を出ていく。さて、雷桜なんて化け物持ってんだ。精々楽しませてもらおうじゃあねぇか。
それにこっちも、切り札を用意させて貰ったからな。
「大丈夫、君⁉ 可哀想に、よっぽど怖い目にあったんだね。スープと毛布持ってくるから、ちょっと待っててね。カウンセリングもしないと……手続き、早く終わればいいんだけど」
部屋の中から、甘ちゃんの声が聞こえてきた。ったく、グノーディアの部下だけあって、限りなく甘っちょろい連中ばっかだ。
「こんな狂った時代にいるんだぜ。どーせならもっと、楽しもうじゃあねぇか」
目が覚めると、見知らぬ天井だった。というか、何処かの病室に寝かされてた。
「怜奈さん! やっと気が付いたんですね。良かった……3日も目が覚めなかったから、どうしようかと」
「全く、大変だったのよ。気絶したアンタを運ぶの。思ったより重か……うひゃぁ⁉」
覗き込んできたティスちゃんとシェリーちゃんを抱きこんで、感触を確かめる。うん、柔らかくて、ふかふかでいい匂いがする。うん、本物だ。私、生きてるよ。
「怜奈さん、苦しいです。硬くって……」
「アンタの胸、ゴツゴツすんのよ!痛いじゃない!」
む、失礼な。確かにぺったんこだけど、そんな岩盤みたいに言われると傷つくなぁ。
「酷いなぁ、傷ついたなぁ。罰として一緒にお風呂でも……アレ?」
そういえば、傷がすっかり塞がっている事に気が付いた。折れた骨も、すっかり元通りになっている。
「お目覚めのようですね。後で検査いたしますので、今はどうか安静に」
体の感触を確かめていると、ナースさんが入ってきた。それも、アンドロイドでは無く、本物の……。
「ナース幼女ですね! 素晴らしいです!」
「は、はい⁉ あ、ありがとうございます?」
いやぁ、流石ロリ世界。ナースさんまで幼女だよ。なんか、おままごとしているみたいだけど、この世界じゃあ本物のナースさんなんだよなぁ。
「って事は、ここって何処かの病院って事?」
私の疑問に答えたのは、私の胸から逃れた二人だった。
「ち、違うわよ! あーもう、死ぬかと思ったわ」
「テロリスト、妖精卿のアジトです。私達は、ここのメンバーに拾われて、助けられたんですよ」
「……え?」
テ、テロリスト? いいの、そんな物騒な連中に匿われちゃって。
「あー大丈夫です。テロリストと言っても、怜奈さんが思うような人たちではありません。ほんのちょっとした、反社会組織の総称の事ですので」
シェリーちゃん、随分と軽く言ってるけど、いいの⁉ そんなあっさりと物騒な事言っちゃって⁉
「大体、国家反逆罪で宿題1週間の世界で、そんなおっかない連中いる訳無いじゃない。テロリストったって、社会問題を議論したり、政府に文句言ったりするぐらいよ。実害なんて、ほとんど無いわ」
「そうですよ。しかも中には、国民が社会に依存し過ぎず、自分の考えを持つ模範として、政府主導の組織までありますからね」
「……平和だね」
反社会組織を作る必要ありなんて、お気楽にも程があるよ。平和過ぎるのも、これはこれで考え物なのかもしれないなぁ。
「全く、どいつもこいつも危機感無さすぎなのよ。国や政府がなんでもやってくれるから、ただ流されるだけの人生に、疑問すら持たない連中バッカ」
「ティスちゃんが、色々気にし過ぎなんだと思うけど。ま、確かにそうかもね。皆、社会がなんでもやってくれるから、ほとんど籠の中の鳥さん状態。グノーディア戦の時も、演習か撮影かなんかだと思って、誰も通報しなかったしさ。まるで、飼われている感じだから私は嫌だな、この世界」
どうやら二人も、社会に呆れているみたい。特にシェリーちゃんには、怒りに近いモノさえ感じられる。
「その様子ですと、傷も完治しているみたいですね。心拍数も正常、体のどこにも問題なし。では、お食事でもどうぞ。食堂で待っていますので」
ナースさん(って事はこの人も一応はテロリストなのかな?)は、機器に映し出されるデータを見て、手元のボードに書き写すと、そう言って出ていった。
……ってか、結構な大怪我だったと思うんだけど、もう治っちゃったんだ。
「未来の科学は凄いもんなんだねぇ。骨とか結構折ったけど、もう完治しちゃうんだもん」
「いや、この時代の医療でも、でもそんなでたらめな回復しないわよ。アンタが治ったのは、ヒーロースーツと同化した、雷桜のおかげなんだからね」
「その通りです。どうやら雷桜には、装者の自然治癒能力を高める機能がありますので、運び込まれた時にはそんなに大した怪我じゃあ無かったのです。むしろ、疲労の方が深刻な状況でした」
ああ、なるほどね。それで、こんなにすぐ回復出来たのか。そう言えば、最初に変身した時も、痛みが一気に引いたし、それも雷桜のおかげだったんだね。
「あ、コレ私が解析した雷桜の取扱説明書です。目を通しておいて下さいね」
シェリーちゃんに手渡されたリストには、雷桜の機能やら武装やらが記述されていた。結構な量なので、一つ一つちゃんと目を通しておかないと。
ああ、この雷撃ってのが、グノーディアに止めを刺した奴なのね。エネルギーを1か所に集めて、一気に対象を打ち抜くなんて、シンプルで分かりやすいじゃない。気にいったよ。
それと、痛覚を麻痺させたり、回復力を上げたりする機能まである。だから、変身した瞬間に、痛みが一気に引いた訳ね。
他にも、シールドやらブースターやら色々な武装がてんこ盛り。もしかして、雷桜ってトンデモ兵器だったりする? それに、宇宙空間にも適応って……無茶苦茶だなぁ。
「アレ? シェリーちゃん、この2つ、空白だけど?」
「ああ、そこですね。すみません、解析不能な部分が二つほどあったのです。そこだけ、とんでもなく強固なブラックボックスでしたので、私では到底……。L2ちゃんも、連れ去られてしまいましたし」
「い、いや。責めてる訳じゃあないよ。ただ聞いてみただけだから……え?」
L2ちゃん、攫われちゃったの?
「ごめんなさい。あの後、突然やって来た仮面の男に、頭部機能を奪われてしまったんです。情けないですよね。皆頑張って戦ったのに、私だけなんにもできなくて」
「あ、アンタのせいじゃ無いわよ! 悪いのはあの変態仮面なんだから!」
変態仮面……ああ、あの厨二男か。私には危害を加えなかったけど、L2ちゃんはちゃっかり回収したんだね。
シェリーちゃん、今にも泣きそうな顔だ。そんだけ、悔しかったんだろうな。
でもさ、そんな落ち込まないでよ。可愛い顔が台無しになっちゃうじゃない。
「ありがとね、シェリーちゃん」
「……え? 怒って、ないんですか?」
「当たり前じゃない。シェリーちゃん、皆の為に頑張ってくれたんでしょ。それを責める資格なんて、私には無いよ」
それに、私が雷桜で変身した時も、彼女がいなかったら到底間に合わなかった。他にも、雷桜の解析までしてくれたんだから、彼女には感謝する事がいっぱいだ。
「シェリーちゃんが気負う事なんて無いよ。決めた、L2ちゃんは私が取り返す。元の時代に戻るのは、それからでいい」
抱きしめて、優しくささやく。彼女が、安心できるように。
「れ、怜奈さぁぁぁん」
あらあら、泣き出しちゃったよ。彼女なりに、責任感じてたんだね。張りつめていた風船が、一気に破裂したみたいに感情が溢れだしたみたいだ。
「……堕ちたな」
やっぱ幼女は最高だぜぇ。精神が未熟なためか、ちょろい、実にちょろい。そこがまた、いい。
「私、お腹空いちゃったよ。一緒に、ご飯でも食べよっか」
「はい……はい」
「その後、お風呂に入ろう。シェリーちゃんの事、色々知りたいしさ。その後は、一緒のベットで、子守唄を――」
夢が、妄想が、一気に膨らんでいく。いやこの好感度なら違う。コレは未来だ。近い将来の、未来予知って奴だ。
「フヒヒ、グヘへへへ。いける、今度こそいけるぜぇ」
「離れろド変態っ!」
突然、顔を真っ赤にしたティスちゃんに引っ叩かれた。なんでだろう、私悪い事なにもしてないのに。
「ど、どうして……」
「そんな邪悪な顔しといて、よくもまぁぬけぬけと! どうせ、邪な事考えてたんでしょう」
「失礼な! ただ五感全部で、スキンシップしたいだけだよ!」
「ベッドで寝てろ、この色情魔ぁぁぁ!」
やれやれ、随分と暴力的なスキンシップだねぇ。ま、それも嫌いじゃあ無いけどさ。
「いやぁぁぁ! ど、どこ触ってんのよ!」
「いやぁ、ゴメンゴメン。たまたま、当たっちゃたよ」
「静かにして下さい! ここ何処だと思っているんですか!」
この後、ティスちゃんと肉体的スキンシップで騒いでいたら、入ってきたナースさんに怒られた。
でも、幼女なので怖くない。それどころか、コレはコレでご褒美だよ。説教幼女、いいね。




