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友を斬る  作者: ダービー
8/9

奇策


「て、手元でも狂ったかよっ…うぐっ!」


ボブは切断された右腕を押さえながら、必死に激痛をこらえていた。


「お前とは、コレまでだ。ドコへでも行っちまいな…」


あえて無感情に、激痛でもがいているボブを一瞥すると、切断した腕を掴んで来た道を戻りだした。


「クリフ!頼む…」


ギンジの呼びかけにクリフはボブの前に立った。


「うわぁ、血が…痛そうだなぁそれはぁ…。キモイキモイキモイぃ。ほれっ」


ボブの切断部をまじまじと見て、しかめっ面で半分以上本気の感想を述べると、小さな小瓶をボブに投げ渡した。


「死体以外は何でも治せちゃう奇跡の薬エリクサーだぞ。あ、切れた腕は生えてこないけどな…」


クリフは自慢気にボブを見下ろすが、ボブには何が何だかわからない。


「ギンジが考えた苦肉の策だよ。ほら悪徳商人から盗んで来たやつだから遠慮はいらねぇ。グイッとやんな…。早く飲まないと、ホントに死んじゃうぜ」


クリフも一通りの説明を終えてボブに背を向ける。


「後はどっか遠くにでも行くんだなぁ」


背中越しに手を振ってギンジの後を追いかけた。

「まったく、あの筋肉デブが…。腕が重すぎて涙が出らぁ馬鹿野郎…」


ブーブー言いながらボブの腕を脇腹に抱え、重そうに歩いていたギンジは立ち止まり、木々の隙間から青空を見上げた。


「あばよ…相棒…」


小瓶の液体を一気に飲み干した次の瞬間、切断面が光り輝き、あっという間に痛みがなくなった。

切断面には早くも皮膚が出来ている。


さっそく、肩だけになった右腕をクルクルと回し、動きの具合を確認すると、満足そうに木々の合間から空を見上げた。


「あばよ…相棒…」

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