友を斬る
「でも、ギンジが終わらせてくれるんだろ?背中のバスタードソード、似合ってないぜ」
ボブはギンジの両肩を掴んで、背中に背負っているバスタードソードに目をやって、また寂しそうに笑った。
「チッ、マリア先生に挨拶はしてきたのかよ…」
ギンジはボブの顔から目をそらし、孤児院の恩師の名前を出す。
「挨拶なんて行けないよぉ!学者にでもなったんなら別だけど、泥棒だもんねー。親不孝この上ないね…」
ボブは驚いたように何回も首を振った。
「そいつぁ俺も耳が痛ぇや…」
ギンジの言葉に、二人で吹き出してしまった。
「じゃあ、あっちの森に行こうか。ここじゃマリア先生に迷惑がかかるから」
ボブは指差した方に歩き出すと、ギンジとクリフも後ろに続いた。
森の中を少し歩いたところに、少し広めのスペースがあった。ボブはここで足を止める。
「ここらでイイかな」
ボブは振り返ると、二人の顔を交互に見た。
「ゴメンな…二人とも」
色々な意味を込めた謝罪だった。
ギンジは背中のバスタードソードをゆっくり引き抜く。
「両手を広げて目をつむりな」
「ああ…」
ギンジの指示に従い、直立で両手を広げ、目をつむった。
「お前が脱走したって聞いた時から、俺がお前にしてやれんのはコレしかねぇと思ってた…」
「ああ…」
ギンジは剣を上段に構える。
「お前、タトゥーは右腕だったよな…」
「ああ…」
クラウン王国の盗賊ギルドメンバーは、全員体のどこかに王冠とナンバーのタトゥーが入っているのである。
「ぬぅるぁあぁぁ!」
気合いとともに上段に構えた剣をボブめがけて叩きつけた。
肉を斬り骨を断つ感触がギンジの両腕に伝わる。と同時に、ゴトリと何かが地面に落ちる物音…。
数瞬後…。
「ぐあぁっ!」
ボブの叫び声が森中に響き渡った。




