希望の光
「こんのバカもんがぁ!」
アジトの教会に戻った2人を待っていたのは、いきなりボスの怒鳴り声と神聖魔法だった。
「うぐぁっ!」
見えない力に弾き飛ばされ、思いっきり後ろの壁に叩きつけられ、2人とも床に崩れ落ちる。
盗賊ギルドのボスとは言え、れっきとした教会の牧師である。簡単な治癒魔法とある程度の攻撃魔法は心得ているのだ。
「押し入り強盗は厳罰じゃと、あれほど言ったじゃろうがぁ!」
肩で息をしながら顔を真っ赤にして、床にうずくまる2人に近づいた。
「ボス…いや…あれは…空き巣の予定が、警備兵に見つかっちゃって…仕方なく」
クラクラする頭を振りながら、クリフが弁明する。
「屁理屈などいらんわ!まったく、どいつもこいつも…」
ボスは腰に手を当てて大きく一つため息を吐き出した。
「ボブが脱走した…」
力なくつぶやいたボスの言葉に、ギンジの顔が一瞬輝いた。
「さ、探してきます!」
ギンジはヨロヨロと立ち上がり、壁に寄りかかりフラフラしながらも、足早に教会を出て行った。
「お、俺も…」
まだダメージの抜けきらないクリフもヨロヨロと立ち上がり、フラフラ歩き出す。
「生死は問わぬ、必ず見つけ出すのじゃ。良いか?もうボブに生きるすべはないぞ…」
クリフを諭すように言うボスの顔は、やはりどこか寂しそうだった。
「探して来ます…」
それだけ言ってクリフも教会を出て行った。
「仕方ないのじゃ。ギルドを守るためには…、仕方ないのじゃ…」
また、ボスは大きなため息を一つついた。
「おーい!ギンジぃ」
遠くにギンジの背中を見つけたクリフが、呼び止めて駆け寄る。
「心当たりがあるのか?」
心配そうに訪ねるクリフにニヤリと笑い返した。
「ガキの頃から一緒だったからなぁ。ボブのコトは乳首の場所から尻の穴まで知ってら」
「いや、乳首と尻の穴は誰だって…」
不敵に笑いながら珍しく冗談を言うギンジに戸惑いながら、とりあえずツッコミを入れる。
「必ず先に見つける!俺に策ありだ。ちょっと付き合え」
自信満々に歩き出すギンジの後ろを、クリフはついて行くしかなかった。




