表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友を斬る  作者: ダービー
3/9

諦めと葛藤

クリフの部屋で気まずい沈んだ空気の中、2人は何をするともなく長い沈黙に支配されていた。


「確かお前とボブは同じ施設上がりだったよな?」


沈黙を破ったのはクリフ。背もたれに背を預け、後頭部で手を組んで軽い雰囲気でギンジに話しかける。


単に沈黙を破るだけに発した言葉だ。


「ああ…」


ギンジは床に片膝を立ててあぐらをかき、宙を見つめている。


「たまたまギルドに入ったのは3人一緒だったよなぁ」


他愛もないどころか、何の意味もない話題である。


「ああ…」


宙を見つめ、ギンジは空返事で応え、放心状態を貫いた。


「なぁ…、悩んだって俺たちにはどうしようもねぇんだって。もう諦めろよ」


「あ?」


クリフの言葉にギンジは立ち上がった。ズカズカ近づきクリフの胸ぐらを掴んむ。


「諦めるだと…?仲間が殺されそうだってのに…諦めるだと…?馬鹿野郎!」


ギンジは握りしめた拳で思いっきりクリフを殴り飛ばした。


「馬鹿野郎…。なんで平気でいられるんだよ…」


壁に打ちつけられ、しゃがみこんだクリフを見下ろしながらギンジがつぶやく。目からは涙が溢れていた。


「平気…?」


口角からにじんだ血を拭いながらクリフは苦笑いを浮かべる。


「平気なわけねぇだろうがよ…」


クリフは小さくつぶやく。


「平気なわけねぇだろうがよ!」


そしてギンジを見上げながら声を荒げた。


「でもよ…何もできねぇんだよ…俺たちには。助けに行ったらギルドの立場が危うくなるしよ…。何もできねぇんだよ、俺たちには…」


クリフの握りしめた拳からは血が滲み出ていた。


「すまない…」


ギンジは手を差し伸べてクリフを起こし上げる。


「一発貸しな」


立ち上がったクリフは、服についた誇りをパンパン叩きながらニッと笑った。


「んじゃあ、憂さ晴らしにでも行くかっ」


クリフは、もういつもの軽いクリフだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ