ペラペラ
真田は、斎藤が降りていくのを見届けると(ふう)とその場所に腰を下ろした。
どっと疲れが出て目がまわっている感覚だった。天井が回っている。
ふとサナの玄関を見る。ドアの隙間から、サナの顔が見える。
「無事か?」
「うん…」
2人はそう言い合うと思わず笑い出してしまった。真田もサナもしばらくそこから動けない。
「さっきのあれは、客か?」
「うん。ねぇ、しんちゃん…」
サナは玄関の隙間から手を出して「来て…」と真田を呼ぶ
真田は、苦笑いしながらゆっくり這うようにしてサナの玄関に近づく。
真田はサナの手を握る。サナも握り返した。
「無事でなにより…」
「ねぇ、はやくこっちきてよ」
「チェーンとらねーといけねーよ」
「立てないんだよね…」
「俺もだ」
2人はそこで爆笑した。
玄関越しで二人は話しつづける。
「しんちゃんはどこで何してたの?」
「橘と飲んでた。」
「…しんちゃん、来てくれてありがとう」
「どういたしまして」
サナはクスッと笑う。
「ねぇ、しんちゃん…大好き」
「ははは、ここまでしてんだから頼むわ」
「そういうこと大人が言わない!」
「こりゃまた失敬!」
サナはまた笑ってしまう。なんでこんなロマンチックのかけらもない会話なのに私はこんなにも嬉しんだろうと不思議に思う。
その後、サナはなんとか足に力をいれて、中腰まで立ち上がりチェーンを外した。真田も立ち上がる。
ついにドアが開いた。
真田は無言でサナを上から抱きしめた。
「ほんとおまえの周りって事件で溢れてるよな!」
「知らないよ!!」
サナはそう言うと一気に涙が溢れた。真田の胸でまた大泣きする。
真田は、よしよしとサナの頭を撫でる。
「遅いよ!もっと早くきてよ!」
「ごめんな。ごめんな」
「でもね…ちょー嬉しかった!」
サナはそういうと真田にキスをした。そして真田に支えられて立ち上げる。
「やっぱり…毎日きて、ここに!」
「ああ…」
真田の言葉にサナは安心したように微笑んだ。
「しんちゃん、一緒にお風呂はいろ!」
サナは、そういうと真田をつれて浴室へ向かった。
「いやぁ、あの説得素晴らしかったよ!しんちゃん!」
「喧嘩じゃ勝てないから、口で勝負だ!」
「若干、カッコ悪いんですけど…」
「お前の泣き顔もな。美人だいなし」
「やすりに削られて、ペラペラになればよかったのに!!」
カポーン!




