とあるものをきらしておりまして
次の日、真田は10時頃目覚めた。
仕事は午後から行けば良かったので、午前中はゆったり出来るなと一応携帯のメールをチェックする。特に会社では非常事態はおきていないようだ。
ふと、左をみるとサナが静かな寝息をたててサナが寝ている。真田は、サナの幸せそうな寝顔をみながら、彼女の髪を撫でる。寝ているときは、本当に天使かお姫様のようだ。サナはいつも横向きで寝ている。
二人は勢いで、半同棲のようなことになってしまっているが真田には急な感じはなぜかしなかった。
よく、すごく気の合う親友や本気で愛し合った恋人など会ったばかりなのに、ずっと前から一緒にいるような感覚に陥ることがあるがまさにそんな感じだと真田は思った。なんかずっと前から仲が良くて…そして大好きだった気がしてしまう。
だが、サナはもうすぐ遠くにいってしまう。
そう、フランスへの留学だ。
最初はあまり気にならなかったが、最近はそれがすごく寂しいことのように思える。だが、真田はそれを止めることはできないと思った。
サナは一度決めたことは、周りが何を言ってもきかない性格だ。それにTOTOの件もあるしこの先どうなるかわからない。
一緒にいれる今の時間を大切にしよう。
真田はそう決意し、サナを抱きしめた。
「ん?」
とサナが目を覚ました。真田は、そのままサナを抱きしめている。
「おはよ、しんちゃん」
「おはよ、さっちゃん」
サナは、真田の胸のなかで目をこすりながら、いかにも眠そうだ。
「まだ眠いね…」
「そうだな。さっちゃんはもう少し寝てろよ」
「ううん。起きなきゃ…」
「なんで?」
「なんか横で、愛が満ち溢れすぎて大変なことになってる人がいるから」
真田は思わず笑ってしまった。ここまでいろいろ素直にいってくる娘は初めてだなと彼は思った。
「バカ。とっとと寝ろ、今日も仕事だろ?寝とかないとキツぞ」
「今日も迎えにきてくれる?」
「俺はいいけど…さっちゃんは辛くないか?」
「私のことはいいの!しんちゃんは今日もサナに会いたい?」
なんだろう。この幸せな感じは…と真田は思った。
「ああ…逢いたいかな」
「あはは、ありがとう!しんちゃん、嬉しいぞ。でも今日はいいよ。毎日だと辛いだろうから今日はゆっくりしてくれ」
とサナは真田の胸の中で、見上げて悪戯っぽく笑う。
「あーーーー、試したな!?」
真田も笑いながらつっこむ。サナは何も言わずにニコニコしている。
「だから、今晩は会えないから…今いいよ」
「すいません、とあるものを、きらしておりまして…」
「…コンビニに走って!いますぐ!」
「…はい」




