いつか
「しんちゃーーん!終わったヨーーーー!」
サナから電話がかかってきたのは2時半をすこし回った頃だった。真田は、「おつかれ!」と一言いい、いつものところで待ってると伝えた。
真田は詳しい状況は知らなかったが、無駄にハイテンションなサナに若干心配になった。ぜったい不測の事態がおこってるなと予想した。
サナは、店の送りの車を丁重に断り、ふくろう交番前のマクドナルドへと向かう。走りたい気分だが、気力はない。
真田は電話では怒っていなかったが、なんとなく文句はいわれるだろう。(こえーよー)となるべく急いだ。
サンシャイン通りを抜け、横断舗道を渡る。たまに真田はこの付近の喫煙所でタバコを吸っていることがあるが今日はいなかった。
やがてマクドナルドの看板が見えて来る。その手前の松屋の前で真田の姿を確認した。
「あーーー、しんちゃん!お待たせしすぎて申し訳ない」
「いいけどよ…顔疲れてんなぁ」
と真田は笑った。あいかわらずそこかよとも思ったが「モーーーー疲れたよ!ほんとに!」とサナは思いっきり文句を言った。
「ほら、水とおにぎり」
真田はそう言ってコンビニで買ってきたビニールを手渡した。
「わぁありがとう!気がきくねん」
サナは、早速ビニールから水のペットボトルを取り出した。が、キャップが開かない…というか気力がない。
真田はしょうがないなと、サナからペットボトルを取るとサクッとキャップを開けてサナに戻す。サナは、美味しそうに水を三分の一くらいを一気に飲んだ。
「しんちゃん、今日はもう家に帰ろう。飲みに行く気力ない」
「だな。俺も眠い」
2人は交番前でタクシーを拾い、高田馬場へと向かう。サナはタクシーの中で、真田から貰ったおにぎりを一気に平らげた。
「あ〜、またダイエットの邪魔された…」
「じゃ食うなよ!返せ!」
「いーやーだー!!」
タクシーの中でも、しょうもないことで話している2人に運転手は笑っていた。
疲れて話すのも辛いはずなのに…と真田はすこし心配になったが。
高田馬場につくと、サナと真田は一気にエレベーターをあがり部屋に転がり込んだ。
真田はリビングのソファにうつぶせで倒れる。そこにサナが乗っかってくる。「ぐげっ!おい乗るな!」真田は文句を言うが、サナは全く気にしないで今日の店の出来事を一気にまくし立てた。
眠いはずのに2人はずっと話している。どちらともなく眠りに落ちたのは、5時だった…
「ねぇねぇ聞いて、しんちゃん!今日ね、私、告白されたの!」
「え?その疲れ切った顔のさっちゃんに!?」
「ほんといつか頭かち割るからね!」




