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嘘つき!!


1時間ほど磯谷はマクドナルドで時間を潰し、山本が指定した漫画喫茶に向かった。

ふくろう交番から2本中に入った道に、その漫画喫茶はある。


山本は、きっちり3時半と言っていたので、馬鹿正直に携帯の時計で確認しながらエレベーターに乗った。


「えっと…まずは1階の下の白いボタンね」


磯谷は、おもいっきり怒りをこめて押す。すると山本の言うとおり、一瞬エレベーターの電気が消えてまたすぐ点灯する。

その先は、9階、9階、6階と山本が言ったとおりボタンを押した。するとエレベーターは下にゆっくりと下がっていく。


「勢いできたけど、いきなり着いたら銃で撃たれるってことはないよな…」


さすがに磯谷にも緊張が襲ってきた。非番なので仲間を呼ぶこともできない。

やがてエレベーターは止まり、ドアが開く。


「なんじゃここ?!」


磯谷は思わず声を上げた。かなり広い空間だった。全部白いコンクリートでできている無機質な感じが余計怪しさを増している。


周りを見渡すがエレベーターは見当たらなかった。(あいつ、また適当なこと言いやがって)と思ったがとりあえず周りを歩いてみる。そうすると壁に隠れている状態でいくつかエレベーターがあるのがわかった。


(これは、骨が折れるな…)


磯谷がへきへきとしていると急にバタバタと駆け足の音がする。後ろを振り返ると見覚えのある2人組がこちらに走ってきた。


あの時と変わらないダークスーツにサングラスの二人組、そうおっさんを攫っていった奴らだった。巨漢と格闘家と、磯谷は命名した。

あいかわらず体格がいい、まさに喧嘩上等という感じの2人だ。


「おまえら、あの…」


磯谷が言い終わらないうちにいきなり、巨漢が殴りかかってくる。磯谷は間一髪でかわし、そのカウンターで足に蹴りをいれた。


「うっ!!」


相手が怯んだところで、胸ポケットから三段警棒をとりだし顔に向かって一撃を食らそうとするがそれは、太い腕で止められそのまま押し返されて磯谷は吹っ飛んだ。

(やば、やっぱ強いか…こいつら)磯谷は冷静に二人をみる。一人ならなんとかなるが、この二人は辛い。やがてしゃがんだ状態の磯谷に格闘家の蹴りがとんでくる。その瞬間に磯谷は警棒で止めにはいるが、警棒ごと蹴り飛ばされた。


(む、無理〜)磯谷は一瞬で悟る。あとは格好わるいが逃げるしかない。



周りを見渡すと、1本の道がある。どこに通じているかわからなかったがそこへ全力で磯谷は駆け出した。当然2人も追ってくる。

(足もはえーのかよ!!)全力で走っているのにドンドン距離が詰まってくる。


「もうめんどくせー!!」


磯谷は喚くと振り返り、最後の武器のスタンガンを取り出し、いきなり格闘家にむかって殴りかかった。不意をつかれ、格闘家がよろめくそこに磯谷の会心の蹴りが格闘家の顔面に運良く当たった。格闘家が思いのほか吹っ飛んだ。(ザ、偶然!!)磯谷は思ったがまだ巨漢が残っている。


と、道の奥から車の音がする。すごいスピードなのがここからでもわかった。やがて黒のスカイラインが磯谷の前に現れた。

これは絶体絶命だ。あのインテリのいうことを聞いてバカをみたと思った。車は磯谷の前で急ブレーキで止まった。



ドアが開き、男がおりてくる。スーツ姿のその男はサングラスをしていてマスクもしていた。だが磯谷にはそのネクタイには見覚えがあった。


「喧嘩強いって言ってませんでした?」


その男は磯谷をみてすこし笑う。その声は…山本だった。

巨漢の男は、山本めがけて殴りかかってくる。大きいのにすごいスピードだ。しかし山本はその攻撃をひらりとかわすと、相手の首めがけてパンチを繰り出した。そして次の瞬間、蹴りで相手の体制をくずし最後は回し蹴りで、巨漢の頭を蹴り倒した。ながれるような連続技だ。


しばらくぼうっとみていたが


「なんだよ、喧嘩でも下か、俺…」


と磯谷はつぶやいた。

































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