所詮 おじさんです
その一言に2人は「え?」となった。
混乱が得意な真田と橘はさっそくシンキングタイムに入る。コーヒーはじょじょに冷めていき、タバコは灰皿の上で息絶えていた。
しばらくするとゆっくりと橘が口を開く。
「それは、えっと…その日記の公開日みたいのがセットされてるんちゃいます?」
「とすると、1日経つたびに日記が増えていくのか…何のためにそんなことを」
「もしや、罠かもしれんけど…ん?えっ!」と橘は最後の3月17日の日記に目を通すと急に声をあげる。
「どうした?橘さん?」
「真田さん…日記の内容って現実と一緒だと言ってましたよね?」
真田に緊張が走る。橘は、もしや日記の秘密にたどり着いた…と真田は思った。そうしたらすごいことだ。
と、橘は顔を近づけてきて
「と、いうことは、あの超かわいいサナの…現役キャバ嬢のマンションに泊まったゆことですかい!?」
「は?」真田はあわてて、さなやんの日記をみる。そこには、結局仲直りした、ユキとさなやんの仲むつましい様子が描かれていた。
しかもご丁寧に、真田とサナが実際に行ったこととほぼ同じだった。
「いや…違うんじゃないか」真田はすこし慌てた様子で応える。その様子をみた橘は、完全に理解した。
「ちょっとー!この前の日曜日に全然連絡がつかなかった理由つうのはこれっすか?!」
「いや…一回落ち着こうか、橘さん…」
真田は、まぁまぁと橘を宥める。だが彼のショックは真田の予想をはるかに上回っていたようだ。
「俺かて、チャンスあったんに…結局騙されてもうたけど!!」
「どうした?なんかあったのか?」
「ありましたよ!!俺のは、俺のは…」
「まぁまぁ、ほら、俺もさなやんみたいに騙されてるかもしれんし…」
「いや…さぁせん。ちょっと嫌なことがあったもんやで…」
橘は、落ち着こうと自分を宥める。ケイのことは真田には関係がない、関係がないと呪文のように唱えた。
しかし、このなんとも切ない怒りはどこへぶつけたらいいものか…
このことは橘は一生忘れまいと決心した。
「ところで、サナって胸大きかった?」
「言えるか!!」




