なんで増えてるん?
入った寿司屋は1Fがカウンターのお店だった。お昼時で混んではいたが、真田たちは運良くすぐに席に着くことができた。
とりあえず、オススメ寿司ランチを注文する。
「真田さんの方はどうでした?」橘は寿司が相当待ち遠しいのかにガリをつつきながら質問する。
真田は、お茶をすすりながら一息おくと、サナとTOTOの大冒険の話と、たまたま見つけた「さなやん」に日記の話をした。
橘は、サナとTOTOの大冒険の話は聞いてはいたが、日記の話は初めてきいたのでかなり驚いた。
「残念ながら、さなやんの日記というのはほとんどが「ユキ」への事柄や想いでな。デート内容なんかはかなり詳しく書いてあるが、残念ながらTOTOの事はあまり書いてない。だが、おもしろいのはユキとの出会いの場所が、TOTOだということだ」
真田は、すまなそうに言う。それでも橘にはかなりの前進に感じた。サナがなぜか隠している「ユキの日記」のこともすこしわかるかもしれない。
反対側から目線だが、一緒にいたことは紛れもない事実だ。その日記が本物であれば…だが
「その、日記は本物っていえるのか?」
「それは間違えない。俺が保証する。なにより俺とサナがしてきたことと、ほとんど同じだしな」
橘は、急いでiPadを取り出し真田からアドレスを聞き開く。だがそのタイミングで寿司が来てしまった
「中とろとアジです」
ご主人がカウンター上の置き場に、一貫づつ並べる。橘は迷ったが、やはりここは寿司に手を伸ばした。
真田もそれをみて、笑いながら食べることにした。
食事は30分ほどで終わったが、まさか寿司屋のカウンターに陣取ることはできないので、2人はすぐそばにある喫茶店に入った。
コーヒーを注文し席へ座る。珍しく橘は、灰皿よりもiPadに先に手をつけた。真田はすこし苦笑したが、橘にとってそれくらい面白い内容なのだろう。
「だがな。日記は3月13日までしか、ないんだよ。」
橘は、その言葉に曖昧な返事をしながら、日記を食い入るようにみている。真田の言葉通り、ユキの事柄が確かに多いが気になるとこも幾つかあると橘は感じた。(それにしても…)橘は日記の内容を見てすこし涙ぐんでしまいそうになった。これは…日記というよりラブレターだなとも思う。もちろん今まで「さなやん」と「ユキ」について調べているので感情移入したところはあるにせよ、橘にこの文章をかける自信はなかった。
「ん?」
橘は急に手を止めた。「どうした?」と真田がタバコを吹かしながらきくと
「3月17日まであるやん。」
「は?」
真田が驚いて、橘からiPadを受け取る。恐る恐る見てみると日記は確かに17日まであった。つまり…日記が増えていたのだ




