31 新学期と新入生勧誘チラシの波乱
三年次はAクラスになった。三年生はクラス単位で行動する事も殆ど無い。年に数回、連絡事項等で集まるだけなのだ。だが、王族として発表されるとBクラスでは、護衛とかの関係で問題となり、私だけが異動となった。Cクラスは誰も該当なく、Aクラスがニクラス、Bクラスが一クラスとなっている。
試験の結果はAクラスは上位貴族で、ほとんど変わりはしないクラス分けだった。だが、私のクラス移動の理由をまだ公にできない。
その為、約一名騒いだ女がいた。いつも私に突っかかってきた???子爵家令嬢だ。
「あなただけがクラスの移動なんておかしいわ。あなたズルをしたんでしょう。なんて恥知らずなの。」
わざわざAクラスに来て喚いていた。
私がAクラスになった理由は、Aクラスの令息令嬢は親に教えられているようだ。同じクラスでキャサリン様とご一緒にお茶会した伯爵令嬢の妹が
「あなたは???子爵家令嬢ね。もともと伯爵令嬢がBクラスだったのがおかしいのよ。あなたはもう少し立場を考え直した方がいいわよ。ここはAクラスです。クラスの違う方はご遠慮してください。」
権力に弱いのか、反論することなくすごすごと帰っていった。彼女はBクラスだ。
因みに、リーナは二クラス目のAクラスだ。モントール子爵家令息もだ。
「ありがとうございます。助かりました。」
「いいのよ。一年生の時のお茶会といい、何を勘違いしてるのかしらね。それより今年の新年会は楽しみにしているのよ。お父様に頼んで今年は出席できるようにしてもらったの。ほかの方々も出席希望みたいよ。」
周りを見渡せば、頷いている。新年会は費用はかかるが、未成年の令息令嬢でも申請して許可が出れば参加できる。
例年、未成年者が参加する事は稀だが、今年は親から参加を促されたらしい。
「おもしろい発表があるらしいわね。」
「光栄なことだわ。」
好意的な意見が多かった。安心したのが顔に出たのか、第二王子から
「心配だったのか。まさかな。」
まさかなって何ですか。私はか弱い女の子ですよ。
今年も、クラブや同窓会の勧誘がすごい。そこにリーナがチラシを持って走ってきた。
「ヴィー。貴方、飛行紙クラブの名誉会員になってるわよ。」
驚くことにみんな知っていたらしい。身に覚えはない。抗議しようとしたら、殿下に止められた。
「いいではないか。飛行紙は、其方の発案なのだから。」
確かにそうだが……。近くにいた飛行紙クラブの面々が、静かにどっか行くのが見えた。仕方ないのか?
リーナによると、今年の飛行紙クラブのイベントは、的当てだそうだ。自分の折った飛行紙で10メートル先の的に当てる。的は紙でできていて、的に当てるだけでなく、その紙を飛行紙が突き抜ければ尚よろしいらしい。
昨年は、飛行紙の飛んだ距離を競ったとか。
二年目にして、勧誘時期の名物になっているようだ。
でも、チラシの文言が、
『伯爵家令嬢ヴィアンカ嬢の発明、【飛行紙】をさらに発展させよう。あなたの手で、魔力を使わずに空を飛ぼう。』だって。
頭が痛くなってきた。
周りの皆様は笑っている。殿下に、そっと聞く。
「良いんですか。これ。」
「良いだろう。これくらいのお遊びが無いと、学院生活は面白くない。ほっとけ。」
「何かあったら、フォローをよろしくお願いしますね。」
「それは、自分でしろ。」
「無責任です。何かあったら、巻き込みますからね。」
殿下は、笑っている。
なので、新しくいろいろな折り紙を折ってやった。もちろんチラシでだ。
二年前に折ったのを再現。もちろん折鶴も折った。ついでに一番薄い大きなチラシで紙風船を折りあげた。手のひらサイズになった紙風船を、ポンポンとしてみた。見事、誰もが食いついた。主に女の子が。
即席の折り方教室となった。今回は、堂々と教えだ。殿下を見ると、口をパクパクしてる。
「ヴィアンカ。お前こそ無責任だろう。」
知りませんヨーダ。
ついでに、その辺に落ちていたどんぐりで独楽を作ってみた。全属性だからね。加工もすぐできる。二つ作って土俵も作って、
「殿下、勝負です。」
殿下は、言われるまま、独楽を回している。そこに私の独楽を参加させて、弾き飛ばしてやった。これも、見事に食いついた。主に男の子が。
これも、作り方教室だ。どんぐりではなく、形さえ整っていれば木で作っても大丈夫と教える。
これで、玩具が増えたね。どや顔の私に、
「ヴィアンカ。私たちは楽しいが、これをどう収拾するつもりだ。」
殿下の一言で我に返った。
「どうしよう・・・。」
「私は、知らん。」
見捨てられてしまった。
こういうときは、誰かに丸投げだ。丸投げした相手は、アールベアル公爵家の長男ルーカス様だ。
「おもしろい。私に任せろ。」
「お願いいたします。」
この後、ルーカス様と私の商会で、玩具部門を立ちあげていた。
もちろん、特許も申請した。その結果、綺麗な紙が作られ、紙風船はカラフルな紙で作られた。独楽も定形の独楽を使った大会まで開催された。まあ、長男様が仕掛けたんだけどね。
でも、もっとないかと。ルーカス様、食いつきすぎ。だから、ジグソーパズルとか、積み木とか、ブランコを教えといた。さらに、我が領の綿を詰めたまん丸いボールを作り色んな球技もどきを考えた。増々、フローラル領が忙しくなってしまった。これ全部、丸投げだ。私は、口だけ。
「ゴメン、みんな。」
丸投げって良いな。
「お嬢。丸投げはダメだと言ったのに。」
ジャスに怒られた。
その年、学院に新たなクラブが発足した。
もうすぐ新年会だ。私のことが発表される。落ち着こう。
あと六話です。
よろしくお願いします。




