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孤児になった私が貴族⁉ 事故死した父が公爵家、母が男爵家出身だった。  作者: 田舎娘


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 28 シャーロット様のご結婚

少し、短いです。

 帰りは叔父様と二人だけの馬車だ。

「ヴィアンカ。お前に断りもなくすまんな。」

「いいえ。いつ話が出るかわからないより、真実を知りたいと思います。」

「うん。ただ知ってしまったら後戻りできぬぞ。」

「わかっております。それに、すでに後戻りできません。叔父様ありがとうございます。」

 思わず抱きついてお礼を言った。驚いたようだが、顔を真っ赤にして嬉しそうだった。

「昔はシャーロットもお父様と言って抱っこをせがんでいたな。忘れていたが温かい気持ちになったものだ。そのシャーロットが結婚か……。早いもんだな。」

懐かしそうにつぶやいている。


 王宮に呼ばれてから五日後に、シャーロット様の結婚式が行われる。

 叔母様とシャーロット様は式のために忙しく動いていらっしゃった。叔父様の仕事は書類関係で、既に終わっていて、手持ち無沙汰のようだ。ひとり書斎にこもって何やら思いにふけっていた。心配したのは公爵夫人だ。

「王城より帰ってから、あの人はどうしたのかしら。ヴィアンカ何か知らない。」


 娘が嫁ぐ日の父親の葛藤をお話しした。そして

「シャーロット様がお小さい頃、抱っこをせがまれ出た時が懐かしいと。抱っこをすると暖かくなったらしいですよ。」

 シャーロット様は母親とアイコンタクト。

「行ってきます。」

 シャーロット様は書斎に突撃していった。叔母様はそれを温かく見守っている。

「叔母様。ついでに式の後にでも、おじさまに抱きついて『私がいますよ。』なんて言ったらいかがですか。」

「フフ、そうね。やってみようかしら。」

 本気にしてしまった。でも仲の良い叔父夫婦っていいよね。


 いよいよシャーロット様のご結婚式だ

 式は公爵家と侯爵家の婚姻だ。それはそれは贅沢できらびやかだった。その中で目を赤くしている公爵は注目の的だった。もちろん私の考案したクレープも絶賛された。でも、創意工夫は、両料理長に丸投げしていたので、私は美味しくいただいただけだ。称賛は、厨房の人たちのものだ。


 シャーロット様のたってのお願いで、

「B級品の絹でいいの。どうしても絹のハンカチを引き出物に出したいの。」親族のみに、一家に一枚だけにしてもらった。アレク地区の負担を減らすため、糸のみを公爵家で購入してもらい織りからは二家の仕事だ。ハンカチの大きさなら簡易な織り機で充分だ。糸のつなぎ目は刺繍で隠した。さすが公爵家、侯爵家だ。短期間で完成させていた。両家ともに、

「これで、フローラル領との繋がりが公になった。」

なんだか腹黒い笑顔を見せていた。


 ただ、最初の完成品は、王室に献上するので、結婚式当日は、目録のみだ。それも、親族のみにお配りする。元々量が少ないので仕方がないのだが、

「家と懇意にすれば、この絹が手に入るのだ。これで、今以上の存在感を示すことができる。ヴィアンカ、良くやった。」

 長男ルーカス様の弁だ。貴族の笑みで、ヴィアンカを称えていた。


 新しく設立した商会も幸先よく、初仕事が絹糸を両家に下ろす仕事となった。設立早々、公爵家侯爵家ご用達の看板をいただけることになった。


 この時、活躍したのがアンビー地区の人たちだ。船の流通を考えて上流の川の状態も調査していた。それを利用して短期間で絹糸を王都に持ち込んだ。これで川を使っての流通の便利性が立証できた。

フローラル領の総力を挙げて、成し遂げられた。絹も船の運送も自信を持って進められる。



 シャーロット様は幸せな笑顔とともに嫁いでいった。叔父様は、あれから何度か娘に感謝のハグをされ、今朝も抱きつかれていた。

「お父様。今までありがとうございました。私はお父様やお母様の娘に生まれて幸せです。」

 挨拶されていた。もう涙目だ。誰が、勿論みんなよ。


ただ、長男様と次男様は

「私たちはあんな挨拶できないぞ。」

 だから

「それぞれのお嫁さんに叔母様に抱きついてもらい『旦那様を素敵に育てていただきありがとうございます。これからよろしくお願いします。』って言ってもらったら。」

「名案だ。」

 絶賛されてしまった。



 式には王族代表として第二王子がご臨席くださった。

「おめでとう良い式だった。公爵は…うん、いい父親なんだな。」

 実はと、暴露してやった。ついでに

「殿下もご成婚時、ご両親に抱きついて愛情を持って育てていただいたことを感謝したらいかがですか。」

「アハハ。抱きつくのはこの歳になって恥ずかしいがやってみようか。いや、まず兄上にやってもらおう。」

 ヤルノ?まあ親子だしオッケーでしょう。別れ際、

「祝いの席で不粋だが、王太子が帰国した。」

「心して伺います。」



翌日には、王宮からの招待状が届いた。名目は王妃様主催のお茶会の招待状だ。お茶会はシャーロット様の結婚式から三日後だ。叔母様にも、届けられている。心強い。

父様の小箱を手に取る。少し、ドキドキする。

いよいよだ。


読んで頂いてありがとうございます。

物語は終盤に入りました。

この章を含め、あと十話ほどで完結予定です。

最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

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