14 鑑定魔法の発表
ちょっと短いです。
予定どうりに鑑定魔法の新事実が発表された。国から他国に向けてだ。
【鑑定魔法とは各属性に限り発現する魔法である。魔法属性をもっているものは、その属性に限り鑑定を行うことができる。】
学院の発表では
【鑑定の魔法取得の方法が明らかになった。それにより本年度の魔法実技の授業を変更することにする。】
捕捉として、
これは二年生の全属性の授業で偶然発見されたものである。発見者は学院長、第二王子ジョルジュ殿下、ナイシール伯爵ヴィアンカ嬢の三名である。この発見は大変有意義であり称賛に値する。
新しく先生も来た。驚いたことにジャスがいた。ジャズは二年生の全属性の担任補佐だった。ほかの学年には全属性のクラスがないけどね。
「お二人にすると何が起こるかわからないので、私はお目付け役です。全属性ですし、ちょうどよかったらしいです。」
もうもっと詳しくと突っ込んだら、
「今回で更にお嬢の価値が上がりましたし、お嬢の護衛です。それに授業中に何か発見したり、不用意に発言されても、私ならお嬢の身内です。隠匿しやすいってことです。王子は、ほらあれだし。」
あれってなんだ。殿下は、少しキレ気味に
「よくよく気をつけてくれ。」
と懇願されてしまった。
確かにあの時殿下がいなかったら、あの場で話してしまったかもしれない。私の突発的な言動を抑えるためのジャズなんだ。
「まあ、公爵家からは給金がもらえて、さらに学院からも支給されますから、二重取りなので断る理由がありません。加えてお嬢の護衛もできますからね。一石三鳥ですか。」
ジャズに申し訳ない気持ちがゼロになった。
その日の魔法の授業は全学年対象だ。さすが学院の先生達は鑑定魔法を既に全員取得済みだった。だが同じ属性でも人によって微妙に鑑定に変化があるらしい。なかには【理解不能】とか、【分からない】とか出るらしい。ある土魔法の先生が適合不可から適合最適を0から10までと考えながら鑑定をかけたら数値で出たとか。
とりあえず学院では、鑑定魔法の全員の取得を目指し指導することに決定したようだ。あとは各自に委ねる。さすがに早いのが土属性の生徒だ。土と水を持っている生徒はこれで領地に少しは貢献できると喜んでいる。聞けば農業が主な領地だった。
全属性クラスは殿下と私と担任補佐のジャズだ。学院長は忙しくほとんどの授業が三人だ。
「ジャス先生。無属性の鑑定って。」
「知らん。」
「ジャス先生。意地悪しないで教えてください。」
「あのな。俺が知るはずないだろう。発見者のお嬢に聞く、分かるか。」
「分かりません。」
殿下は私とジャズの会話を聞いて、いつも笑っている。そんなに面白いか。
鑑定で一番苦労しているのは無属性しかもっていない生徒だ。それと風属性の生徒だ。
「風をどうやったら、鑑定できるのよ~。」
やや切れぎれに叫んでいる。
風属性の先生も苦労しているらしい。だが、先生は、必ず二属性を持っている。もう一つの属性で鑑定魔法を取得しているようだ。
風魔法しか持っていないリーナは、
「ヴィー。教えて。どうすればいいの~。」
私に聞かれても~。こまる~んだけど。必死な表情だ。
だから、冗談のつもりで、
「両手を使ってみたら。」
「両手?」
「うん。万歳して、風と並行に立って、片手から魔力をだして、もう片方でその魔力を回収するの。」
次男様の鑑定魔法の取得方法だ。
私とリーナは、早速ためしていた。
「ヴィー。何か出た。重い。だって。」
私は、全属性の魔力で試していたようで、
「水分が多い。」
風が、重い?水分が多い。まさか?でも……。
私は、万歳の格好で考え込んでいたようだ。
「ヴィー?そんなに長く鑑定しないとなの?」
「リーナ。もしかしたら雨が降るのかもよ。」
「えー。まさか~。」
その夜、雨が降った。
その後、風属性のクラスで検証を行った。それにより。風魔法により雨の降る予測ができるようになった。まだまだ、精密ではないが、この世界初の天気予報である。
ジャス曰く、
「お嬢、オレのいないところで……。」
殿下曰く、
「あれほど、頼んだのに。」
お嬢曰く、
「冗談だったのに。」
モントール子爵家令息アンリ様にも懇願された。
「アンリ様は、光魔法で鑑定ができるのでは?」
「オレは、無属性で鑑定魔法を取得したいんだ。」
他の無属性の生徒にも懇願された。
なら、と無属性の魔力をジャズ先生に流してみる。だが、無属性への魔力自体がわからない。
「無属性の魔力がわかりません。」
「そっからか。」
それから、いろいろな属性の魔力を試してみた。なぜだか無属性の魔力だけわからない。無属性の魔法は発動できるのに、なぜ?
殿下も、無属性の魔力を感知するのは難しいらしい。
「無属性は自分にかけることが多いからな。そのせいかもな。だが、匂いを消す魔法の要領でやってみろ。」
自分にかける?
「ジャス先生。身体強化してないからわからないのでは?」
ジャスが身体強化した後に鑑定したら、出来た。
魔力が感知できなかったのではなく、鑑定する対象が無属性の魔法にかかっていなかったからわからなかったのだ。
「なら全属性で試してみるか。・・・。何がわかったか。」
「魔力量が平均的だって。それで今は満タン。う~ん……。」
「他に何か出たんだろう言ってみろ。」
私としては昔みたいで嬉しいのだが最近ジャズの言葉遣いが遠慮がない。私は昔みたいで嬉しいのだけど、これは言えない…よね。
「早く言え。」
「ええと…。童貞だって。」
一瞬の後、殿下は笑いをこらえるの必死、ジャズは真っ赤になってプルプル震えている。
「殿下、ヴィアンカ嬢にどうぞ。教師命令です。」
恐る恐る鑑定をかける殿下。
「えっ、これは、まさか。」
「殿下。何が出ました。嘘は言わないように。あそうですね。試しに殿下が嘘をついてるかどうか鑑定してみてもよろしいですか。」
「ジャス先生、不敬です。殿下、拒否してください。」
「いや、大丈夫だ。不敬にはしない。嘘がわかるのなら便利だからな。ヴィアンカ嬢の結果だが、数字が三つ出てきた。上から七…。」
「ストップ。殿下。それは忘れてください。セクハラです。セクハラ。」
「「セクハラ?」」
多分私のスリーサイズだ。とんでもない鑑定だ。許しまじジャス。
「あとな、前世持ち。」
スリーサイズのことなんてぶっ飛んだ。二人の凝視にいたたまれない。
「お嬢。」
「ヴィアンカ嬢。」
「あのう、詳しい話は後でいいですか。」
私は逃げだしていた
逃げ出した後どう走ったか記憶がない。ただただ二人から遠ざかりたかった。これがいけなかった。
読んで頂いてありがとうございます。




