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翌朝。
案の定、ロゼは熱を出していた。朝起こしに来たメイドは慌てて看病をはじめる。
主治医との対面はベットの上で行われた。
「疲労による熱でしょうな。滋養のある物を食べ、良く寝ることが1番の薬だろう。」
「ありがとうございます、先生」
潤んだ瞳でそれだけ言うと、ロゼはまた意識を飛ばしてしまう。
そんな新たな主人に、メイド達は甲斐甲斐しくお世話を始めるのだった。
ロゼはその日一日、物を食べることもなくベットで過ごした。
晩餐。
「ロゼは本当に体が弱いのね。ナオレックから移動するだけで熱を出すとは思わなかったわ。」
「あぁ、これまで都市部に出たこともないという話も頷ける」
ツユリリーの言葉に、ノルバルトも頷く。ナオレックはロゼが生まれ育った地域の名称だ。
「アルケリーは何度か会いに来たが、ロゼとは私も初対面だ。...あの子は、本当にアインベリーに似ている」
「正妻であるモナリーの娘には到底見えませんよ。年齢を考えても、社交界で悪意ある噂の種になるでしょう。あなたの責任ですよ、ノルバルト。」
ぐっ、と喉を詰まらせる。アインベリーはナオレックに住む男爵家の娘だった。ノルバルトの一目惚れで、アルケリーとロゼを産んだ女性だ。
「ロゼが社交界で苦労しないように、わたくしが後見するのです。その点は安心なさい。」
『姉』の顔をするツユリリーに、ただ頭を下げることしかできないノルバルトだった。




