表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸せ猫が通ります~キャット驚くOnline~  作者: 岡の夢
4章 ツヴァートと闘技大会
95/121

#87 闘技大会!準決勝

よろしくお願いしますにゃ(=^・・^=)

 お昼ご飯食べて、午後。

 もうすぐ準決勝が始まる。

 でもさ、思うんだ。


「ぶっちゃけ僕達、もう十分にゃ結果出してにゃいかにゃ?」

「出してますわね」

「俺らがベスト4にいるなんてな」


 別にフルレッドさんやバサラさんみたいにがっつり戦闘にのめり込んでいるわけでもなく、攻略も先頭争っているわけでもない。

 ツヴァートにだってバラバラに来たもんね。

 なんでここにいるんだろうって感じです!


「準決勝の相手は【風林花殿(ふうりんかでん)】。……どっかで聞いたことあるわね?」

「サバイバルイベントで3位になったクランじゃの」

「【虎玄楼】や【赤月旅団】と同格と言えるところだぞ!」


 ニナが対戦相手の名前を見て、首を傾げる

 それにアガタやオクリが答える。

 マジで!?でも、あんまり聞いたことないなぁ。

 

「戦闘ではバサラが目立ち、住民の人気はフルレッドやマヤウェルが持っていっておるからのぉ」

「人気はナナキ達も持っていってる」


 なるほど。

 なんか申し訳ないです。

 どんな人なんだろう?


「リーダーは真厳(しんげん)。【重戦士】のドワーフでパワーファイターだけど、頭もいい」

「それに【ハイ・プリースト】の賢真(けんしん)っていうエルフの相棒がいるんだぞ!」

「戦国時代デス!」


 歴史的瞬間!?

 名前と種族的には仲悪そうな2人!

 しかし勝てる気もしない名前!


「他のメンバーも粒揃いって聞いたことあるね」

「レイドバトルに強いってのも聞いたことあるわ」


 ファナとリュリィの言葉にもはや絶望しか感じない僕。

 試合形式がゲーム性が高いものであることを祈ります!




 

『準!決!しょーーーーーーーーーう!!!いよいよこのクソ長げぇ大会も大詰め!!笑っても怒っても残り4試合だってんだ、てやんでぇい!!』


 始まりました。

 ちなみに準決勝で負けたチームは3位決定戦がある。

 つまり勝っても負けても明日は試合がある。

 

『選手入場でやんす!!まずは意外な大健闘!!【眠猫庵】!』


 やっぱりそう思う?

 僕達がステージ前に出ると、歓声が届く。


『頑張ってーー!!猫ちゃーーん!』

「せんぱーーーい!!!ファイトーーーーー!!」


 黄色い声援!アヤナの声がはっきりと聞こえた。

 頑張ります!ナティと一緒に!

 だから瞳を細めてこっちを見ないでナティ様!!

 僕だけじゃないから!ナティへの応援でもあるから!

 

「うにゃ~……」

「ん?どうしたの?ナウラ」

「にゃ、にゃんでもにゃいにゃ……!」

「そう?」


『続いて!あんまり目立たないよね!ある意味頑張れ!【風林花殿】!!』


 反対側から出てきたのは和風甲冑を身に着けた集団。後ろの方では【風林花殿】の幟を掲げている。

 その先頭には赤と茶色の甲冑を身に着けたドワーフがいた。

 身長は低いけど、髭が妙に威厳があって名前にピッタリ。

 その横には銀色の甲冑を着た金髪ロングのエルフ。

 結構離れてるのに威圧感が凄い。

 怖いです!


『それでは試合形式を決めてくぜぇ?ベイビー!!』

 

 そして決まった試合形式は【旗倒し】。


「旗倒し……。棒倒しと似たようなものなのだろうか?」

「それだとバトル要素弱くない?」


 細かいルールを聞かないと、何とも言えないなぁ。


『続いて出場人数を決めます』


 サイコロが出した数字は【5】。

 ということは僕達は6人!


『メンバーを決めてください』

「まだ出てないのは?」

「俺、シェーン、ラドンナ、ニナ、リリリだな」

「う~ん……見事に被ってないね」

「私は次でいいわ」


 ニナが手を上げて辞退する。


「いいのかい?」

「今あげた名前だと私が一番抜けてもいい感じだしね。勝っても負けても明日の方が盛り上がりそうだし」

「まぁな」

「ということで、決定!」


 なんか申し訳ないけど、明日の試合で頑張って頂こう!

 というわけで、僕とナティ、ディノ、シェーン、リリリ、ラドンナとなった。

 向こうは真厳さん、賢真さん、黒い甲冑を着た犬か狼のビーストマン、黄色の甲冑を着たウェア・キャットの男、青い忍装束を着たダークエルフの男の5人。


『それでは特設ステージを呼び出すのじゃ!皆のもの!出陣じゃ!チェ~ンジ!ステ~ジ!』


 途中まで武将ノリだったのに、いきなりいいつも通りの雰囲気でポーズを取るピョンさん。

 それにシャラプさんもポーズを取る。

 未だにあの2人のノリが分からない。


 現れたステージは凸凹している。ただしステージの中心15m四方ほどは平べったい白い床のまま。

 その白の平地の周りを囲むように凸凹しており、僕達側が青、向こう側が赤の地面になっている。

 青の凹と赤の凹を繋ぎ合わせて、その真ん中が白って感じ。

 そしてステージの端に青い旗と赤い旗が立っている。


『説明しよう!勝利条件は相手の旗を倒すかリーダーを倒すかの2択だ!』

 

 ですよね。


『ただぁし!!そう簡単にはいかねぇぞ!!赤と青の地面はそれぞれ相手の陣地を表してんだ!!相手の旗を倒すためには、相手の陣地に行かなきゃいけねぇが、そのままじゃあ相手の陣地に入ることも攻撃することも出来ねぇ!』


 え?じゃあ、どうればいいの?


『ステージのあちこちに宝箱が隠されてるでござる!その中にあるアイテムを装備して初めて相手の陣地に入ることが出来るのでござる!』


 なるほど。


『さらに真ん中の白い陣地は()()()()()()()()()()()!!そこに関しては自由に行き来出来るぞい!』


 じゃあアイテムの意味は?


『ただ~し!!白の陣地に入れるのは各陣営2人まで!!さらには相手と戦って勝てない限り、通る事は出来ないでゲス!!』


「つまり旗を守りながら、白の陣地も防衛して、相手の旗を倒しに行けと」

「難しいですね」

「装備が何か分からないのも怖いねぇ」

「どう分ける?」


 はっきりと役割分担しないとダメだよね。しかも決めた役割への負担が結構大きい。

 僕達はまだ6人だから分けやすいけど。


「正直、白の陣地に関しては倒せればめっけもんだろ」

「そうね」

「ということはディノとシェーンで時間を稼ぐ方がいいかい?」

「だな」

「問題は私達よね」

「僕達はアイテムを先に見つけた2人が攻めるってことでいいかにゃ?」

「それがいいかもねぇ。相手より先に入らないと防戦一方になりそうだよ」

「そうね」


 早く見つけるのが重要だな。

 動き回らないと!


「頑張るにゃ!」

「はいですにゃ!」


 開始時は全員は旗の下から。

 旗は物凄く適当な固定の仕方で、簡単に倒れそうだった。


「これは旗の近くで戦うのは避けたいねぇ」

「ホントね」

「「にゃあ」」


 しかもここからは宝箱は1つも見えない。

 本当にあるの?


『それでは!!準決勝!!ファアアイトォ!!』


 開始の合図と同時に全員が駆け出す。

 リリリはあまり旗から離れないように注意している。


『さぁさぁ!!まずは宝探しからスタートだべ!』


 僕はナティと2人で走り回る。

 どこ?どこにあるの?

 

「こっちににゃいにゃ!」

「こっちも見当たりませんにゃ!」


 見つかんない!


『おうおうおうおう!!白ステージでは睨み合いが始まったぞい!!』


 始まったみたいだ。 

 誰か気になるけど、先に見つけないと!

 どこ~!?



 

 ディノとシェーンは顔を顰めていた。

 

「まぁ、確かにあの面子から考えたらそうだけどよ」

「厄介ですね」

「ぬははははは!!さぁ、始めようではないか!賢真!」

「無茶しないで下さいよ。真厳」


 ディノ達の相手は真厳と賢真だった。

 真厳は両手斧を担ぎ、賢真は錫杖を握っている。


「……パワーと魔力じゃ負けてんな。俺達は守りに徹するぞ」

「はい」


 ディノは盾と片手剣を構える。

 

「さて、どうしたもんかの」

「恐らく向こうは守りに徹するでしょう。パワーでは真厳が、魔力では私が勝っていますからね」

「ならば、しばらくは向こうに合わせるとしよう」

「そうですね。あなたは死なないようにしてくださいよ」

「分かっておるわい」


 真厳達も焦らずにディノ達や他のメンバーの動向を見極めるつもりのようだった。




 宝箱が見つかりません!

 本当にあるの!?


「こっちもだめ!」

「見つからないねぇ!」


 リリリ達もダメか。

 本当にどこ?結構探し回ったよ?


「見つけたぞ!」

『お!?最初に見っけたんは【風林花殿】陣や!』

「「にゃ!?」」


 マジで!?

 ヤバイ!どこですかー!


「あ!ニャニャキ!あそこですにゃ!」

「にゃ!?」


 ナティが指差す方を見ると、壁の一部が網目状になっており、その中に2つの宝箱があった。

 埋め込まれてるんかい!?

 しかもカムフラージュされとるんかい!?

 とりあえず網目を破り、宝箱を取り出す。


「おい!中に3つ入ってるぞ!」

「本当か!」

『ちなみに宝箱のアイテムの数はランダムです』


 早く言って!?


「でも、なんだこれ?ベルトか?」

「いいから装備するぞ!」


 敵チームがアイテムを手にすると、突如光に包まれる。

 おお!?


「「「機甲装着!!」」」


 突如3人がポーズを決めて叫びながら、腰にアイテムを装着する。

 するとベルトがそれぞれ赤、黄、青に輝き、3人の全身を包んでいく。

 何が起こっているのでしょうか!?


「炎の咆哮で悪を焼き尽くす!!ヴォルフ・レッド!!」

「閃光の爪は悪を斬り刻む!!キャッツ・イエロー!!」

「鉄拳制裁!悪を打ち砕く!!ダクエル・ブルー!!」


 ビーストマンが全身赤い犬顔のロボットのような鎧を纏い、ウェア・キャットは全身黄色の猫顔の鎧、ダークエルフが全身青の鎧を身に纏い、ポーズを決めながら名乗りを上げる。

 

「「「3人揃って!!機甲戦隊・フウリンジャー!!」」」


ドォーーン!!


 3人がビシィ!!とポーズを決めると、背後で爆発が起こる。


「「「「「…………」」」」」


 僕達はもちろん。リリリ達やディノ達も唖然と3人を見つめる。

 フウリンジャーの3人は一糸乱れぬ動きで左手を腰に当て、右手でこっちを指差す。


「「「悪の手先【眠猫庵】!!我らが現れた以上、お前達の好きにはさせないぞ!!」」」


 グハハハ。待つのだ、フウリンジャーよ。こっちはまだ状況を飲み込めておらんのだ。

 どういうことでしょうか!?説明希望!!


『説明しよう!!宝箱に納められているアイテムは、実は変身アイテムなのだ!!』


 僕とナティはギギギギと首を軋らせながら、宝箱に目を向ける。

 ……つまりこれを開けると……あんな風になる?

 

「「………(^Φ ω Φ^;)」」


 僕達は冷や汗をダラダラと流しながら宝箱を見つめ、どうするべきか悩む。

 あ、開けなあかん?


「ヴォルフ・レッド!ダクエル・ブルー!ここは我が死守する!!お前達は先に行け!!」

「何を言っているのだ!?キャッツ・イエロー!1人では危険だ!」

「行くんだ!世界の平和のために!大丈夫だ!我はお前達を信じている!必ず勝って帰ってくると!」


 なんかドラマが始まっとるがな。

 あれだよね。間違いなく、強制的にロールプレイさせられてるよね?

 

「ナナキ!ナティ!こっちは私とラドンナで守るわ!2人は早くアイテムを使って!!」

「「にゃにゃ!?」」


 ズルイ!!自分が見つけられなかったからって!

 いや……待てよ?必ずしも僕とナティの分だけとは限らない。

 だって向こうは1つの宝箱に3つ入ってたんだもん!

 4人分来い!4人分来い!!4人分来いぃ!!!

 あ、違う!ナティはいいです!


「ニャティ。僕だけ開けるにゃ。ニャティは旗を守ってにゃ」

「だ、だめですにゃ!わ、わ、私もニャニャキと一緒に行くですにゃ!2人で頑張るですにゃ!」


 その言葉は嬉しいけど、めっちゃ涙目やないか!

 くそぅ!どうすればいい!?このままでは……!


「一緒に開けるですにゃ!どんにゃ時も2人で頑張るって決めたですにゃ!」

「ニャティ……!分かったにゃ!」

「にゃ!」


『なぁ~に、試合中にラブってんだぁ!!!リア充爆発しろぉ!!私らは彼氏もまだなんだぼあふぇ!!?』

『そんな実況いりません。それに私はいます』

『はぁ!?裏切りぼぐぅふぉ!?』


 なんか聞こえるけど、それどころじゃない。

 涙目のナティと頷き合って、いっせ~ので宝箱を開ける。

 そこには、


「……招き猫のワッペンにゃ?」

「こっちはコンパクトですにゃ」


 なんだ?これが変身アイテム?

 とりあえず悔しいことにそれぞれ1つずつ。

 くそ!


「急いでくれないかい!?敵はもう来てるんだよ!?」

「ディノ達だって厳しいみたい!長くはもたないわ!」


 あぁ!もう!

 僕達はやけくそ気味にアイテムを掴む。

 すると、アイテムが強く輝き出す。

 バッチこい!




 白蓮達はステージ外で憐みの眼でナナキ達を見ている。


「お兄さん……」

「にゃあ……」

「最後の最後でこれか」

「応援したいけど、応援しづらいね!」


 するとナナキ達が光に包まれる。

 

「にゃにゃ~ん!にゃん!!」


 ナナキと思われるケット・シーが空に飛び上がる。

 

「そこそこ戦えるけど、力よりも幸運でのし上がってきた世界一ラッキーにゃ立派にゃ雄猫!!」


 赤と白の装束を身に纏い、額には『幸運』と書かれた小判、上半身前面には招き猫マーク、腰には猫顔のバックルのベルト、背中のマントには大きく『ラッキーにゃんですよ』と書かれているコメディ感全開のコスチュームだった。


「ニャッキーマン!!」


 ドドドン!とどこかから太鼓の音が鳴り響かせながら、ピースをするニャッキーマン。


「ただいま見参!フニャハっハっハ~!」


 キラン!と小判を輝かせて仁王立ちして笑うニャッキーマン。



 それを見た白蓮達は、


「ラッ〇ーマン?」

「がモデルだと思う」

「それはなんですの?リヴァ、蘭羅」

「ラッキーだけで敵を倒すコメディバトル漫画のキャラ」

「「「「あ~」」」」


 間違いなくナナキにマッチしているヒーローだ。


 続いてナティが変身する。


「マジカル・ニャンニャン!ニャンダフル!」


 ナティが笑顔で合言葉を言いながらコンパクトを開く。

 コンパクトから虹色の光が溢れて、体を包み込んでいく。

 ピンクを基調とした白いフリルが付いている魔法少女コスチューム。スカートには肉球マークが付いている。胸には猫顔の宝石が付いた赤色のリボンブローチ、耳元にはピンクのリボン。


「世界中に幸せお届け!!魔法少女ニャティニャン!!ただいま参上にゃん♪」


 キラン!とポーズを決めるナティニャン。

 その横には胸を張って仁王立ちしているニャッキーマンがいる。


「「「ブッフゥ!!あはははははははは!!」」」


 ニナ、マオ、リヴァランが噴き出し、腹を抱えて笑う。

 他のメンバーも口元を押さえて、震えている。

 笑っていないのはニュウとナウラ、オグマだけだった。


「ちょっと……可哀想」

「ですにゃあ……」

「【ニャニャニャ】と言い、似合ってはいるが強制的だからな」


 3人はナナキ達を憐れむ。

 特にナウラは他人事ではないため、笑う気にはなれなかった。



 ちなみにその頃のプレイグ様。 

 

『むっはーー!!あのナナキ達もかぅわいい~!!絶対作ろ!』


 鼻息を荒くし、ナティんとナナキんを抱っこしながら悶えていた。

 


 

 なんかナティがかわゆいことになってる!?

 でも、言葉に出来ない!

 ちくしょう!やっぱり、これも強制力あるな!


「ニャティニャン!一緒に戦うにゃ!」

「はいにゃ!ニャッキーマン!」


 ガシ!と両手を握り合う僕達。

 僕はナティニャンをお姫様抱っこして駆け出す。

 どうやらセリフと一部の行動だけ縛られるようだ。

 それに基本的には元々のジョブのスキルを使って戦えるが、1個だけ必殺技があるようだ。

 どんなものか全くわからんけどね!

 

 相手の陣地に入り、旗を目指す。

 リリリ達はもう任せるしかない。

 ディノ達は大丈夫だろうか?




 ディノ達は追い込まれていた。


「ぐぅ!?」

「やはりパワーの差は大きいようじゃのぉ!」

「ちっくしょうが!」


 ディノは真厳のパワーに押され負けしていた。

 受け流そうにもドンドン攻撃が飛んできて、エリアの隅に追い込まれていく。

 シェーンが援護するも回復で手一杯になってしまう。

 それにより賢真は真厳にバフや防御魔法をドンドン使い、ディノの攻撃が届かなくなっていた。


「ディノ!もう魔力が……!」

「こっちももう盾がもたねぇ!」

「さて、どうするかのぅ?」

「……このまま、ここにいますか?あの状況では話が通じるか分かりませんし」

「そうだの」


 真厳と賢真はあのフウリンジャーと関わりたくないのが本音である。

 その言葉はディノ達にも聞こえており、相手にされていないと分かり歯軋りする。


「くそ……!」

「しかし、このままの方が私達的にはありがたいです。悔しいですが、このまま耐えましょう」


 ディノ達は突破されないことが最優先なので、悔しいがこのまま耐えることになった。




 僕達が旗に近づいていくと、


「そこまでだ!これ以上先には行かせないぞ!」


 キャッツ・イエローが現れる。

 猫仲間じゃん?見逃してよ。


「仲間が戦っているのだ!俺だけのんびり出来るわけがない!」


 ですよね!


「行くぞぉ!?」


 剣を抜いたキャッツ・イエローだったが、振り被った瞬間すっぽ抜けて後ろの壁に深く突き刺さった。

 ニャッキ~♪

 僕はその隙に走り抜けようとすると、


「ま、待て!?ぬ、抜けん!ぬううううぅぅ!!うお!?ぐえ!?」


 キャッツ・イエローは慌てて、突き刺さった剣を引き抜こうとする。

 力を入れて思いっきり引っ張ると、再びいきなりすっぽ抜けて後ろに倒れて後頭部を強打する。

 ちなみに剣は抜けて、どこかに飛んでいく。

 ニャッキ~♪


 僕達は凸凹したステージを飛び移りながら、上がって行く。

 そして旗が見える位置に立つ。


「行くにゃ!ニャティニャン!」

「はいですにゃ!ニャッキーマン!」


 せっかくなので必殺技です!

 2人で同時にビシィ!とポーズを決め始める。

 

「ひぃ~っさつ!!!ニャッキー!!ビィーーム!!」

「マジカル・ニャンニャン!ニャンダフル!!ニャニャン!!フラーーッシュ!!」


 僕がポーズを決めると、腰のバックルから光線を放つ。

 合わせてナティは胸のブローチから光線を放つ。

 ちなみに両方猫顔型光線。

 光線は混じり合いながら、まっすぐ旗に向かって飛ぶ。

 

「させない!!仲間の帰る場所はぁ!!我がぁ!!守るんだああああ!!」


 キャッツ・イエローが光線と旗の間に割り込み、両腕を広げて受け止めようとする。

 甘いぞ!!


「「ニャニャーーン!!」」


 僕とナティが手を繋いで叫ぶと、2つの光線は完全に混ざり合い、ハート形に変化する。


「な、何ぃ!?こ、これは……愛の力だとおおおおおお!?」


 キャッツ・イエローは何やら驚きに叫びながら、光線に飲み込まれる。

 キャッツ・イエローを飲み込んだ光線はそのまま旗に向かって飛ぶ。


チュドオオオオォォォン!!!


 光線が旗に当たった瞬間、大爆発が起こる。

 僕とナティは手を繋いだまま並び立ち、その爆発を見つめる。

 よくある必殺技を決めたときの余韻に浸っているシーンの再現中のようです。

 恥ずかしいけれど、勝ったね!!


『そこまで!!勝者は……【風林花殿】!!』


 …………え?

 僕とナティはカチン!と硬直し、ギギギギと振り返って僕達の陣地を見る。

 

 目に入ったのは確かに倒れている僕達の旗。

 ただ気になるのは、その旗を跨ぐようにリリリが四つん這いになって固まっていること。

 リリリは倒れた旗を見下ろしてダラダラと冷や汗を流しながら、顔を真っ青にしている。


 ……リリリさん?その姿は……どういうことでっしゃろか?

 ……え?負けたの?あんな恥ずかし格好良く決め技と愛を叫んだのに?

 ……あれ?それってつまり……山籠も……り?

 

 余りの衝撃に僕は意識が遠のいていった。

 



 ナナキとナティが必殺技を決める少し前のこと。


「あぁ!もう!『敵を阻め』【シルフ】!」

「【バースト・アロー】!」


 リリリとラドンナは必死に敵の接近を阻んでいた。

 しかしヴォルフ・レッドとダクエル・ブルーは2人の攻撃を躱して、距離を詰めてくる。


「甘い!!待ってくれている仲間を持つ我らにそんな攻撃が届くと思うな!」

「ちぃ!前に出るよ!」

「お願い!」


 ラドンナは剣を抜いて飛び出す。

 リリリはそれに頷きながら【シルフ】を操る。

 ヴォルフ・レッドは拳を構えており、ダクエル・ブルーは短刀を構えながら走る。


「厳しいわね!!」

「全くだね!って、ぐぅ!?」

「ラドンナ!?っ!!【シルフ】まで!」

「正義の拳は止められない!!」


 ヴォルフ・レッドに攻撃を仕掛けていたラドンナに横からダクエル・ブルーが突撃してラドンナを吹き飛ばし、ヴォルフ・レッドはその隙にスキルで【シルフ】を攻撃して、強制的に帰還させる。

 

「行くぞ!!」

「マズ!?『焼き払え』!【イフリート】!」


 何やらポーズを決めるヴォルフ・レッドを見て、リリリは炎の精霊を召喚する。

 炎の巨漢がヴォルフ・レッドに飛び掛かる。


「リミット・ブレイク!!オーバーヒート!!ハウリング・バスター!!!」


 ヴォルフ・レッドの全身から炎が噴き出し、直後に両腕を突き出す。

 両腕から巨大な狼型の炎が放たれて、【イフリート】とぶつかり合う。

 ぶつかり合った2つの炎は一巡混ざり合って、直後に爆発する。


「ぬぅ!?」

「きゃあああ!?」


 ヴォルフ・レッドとリリリは間近で爆風浴びる。

 ヴォルフ・レッドはしゃがんで耐えたが、リリリは後ろに飛ばされる。

 慌てたリリリは咄嗟に手を伸ばし、触れた何かに思いっきり抱き着く。

 そして抱き着いたままリリリは地面に倒れる。


「うぐぅ!」


 爆風が収まり、状況を確認するラドンナは目に入った光景に固まる。

 ヴォルフ・レッドとダクエル・ブルーも思わず、動きを止める。

 リリリは体を起こし、目を開ける。


「いったぁ~……」

「リリリ……あんた……」

「へ?」


 ラドンナの方に顔を向けるリリリ。

 ラドンナはリリリの下に目を向けていた。

 それに気づいたリリリも下を見る。

 そこには棒状の物が倒れていた。


「……」


 リリリは嫌な予感がして顔から血の気が引く。

 少しだけ視線を動かすと、そこには青い布が棒に巻き付いていた。


「……や、やっちゃっ……た?」


 リリリは顔を引きつかせながら呟く。

 直後、敵陣営側も爆発が起こる。

 しかしリリリはそれどころではなかった。

 現実逃避したかったリリリだが、


『そこまで!!勝者は……【風林花殿】!!』

 

 現実を叩きつけられたリリリとラドンナは、ショックから戻れなかった。

 ステージが戻っても四つん這いのままでいると、


「そろそろ戻ってこい」

「退場ですよ」


 ディノとシェーンの声が聞こえてくる。

 リリリは恐る恐る顔を上げると、ジト目のディノと苦笑いのシェーンがいた。

 そしてディノの両脇にはダランと項垂れている猫2匹が抱えられていた。

 

「……ご、ごめんなさい」

「とりあえず一度下がるぞ」

「立てますか?」

「……ごめん。腰、抜けてる」

「あたしが抱えるよ」


 リリリはラドンナに抱えられて、仲間の元に戻っていく。

 戻った先ではほとんどのメンバーが苦笑していた。


「……やっちゃった」

「あれは仕方ないですわ」

「タイミングが悪かったわね」


 白蓮とモーカが慰める。

 ディノがニナとニュウに近寄る。


「わりぃ。2人、頼めるか?」

「うん」

「はいはい」


 ニュウがナナキを、ニナがナティを抱っこする。

 ナナキ達の顔を見た2人は、


「「あぁ~……」」


 ナナキとナティは白目を剥いて、ただただ涙を流していた。

 

「まぁ……仕方がないけどねぇ」

「頑張ってたからのぅ」

「ナウラも固まっちゃった」


 ナウラは両手で顔を覆ったまま、マオの腕の中で固まっている。

 

「……宿に戻るか。明日もあるしな」

「そうね」

「俺は次に試合を見ておく」

「頼むわ」 


 オグマに次の試合の観戦を頼み、ディノ達は宿に戻ることにする。


 こうしてナナキ達は3位決定戦と山籠もりが決定したのだった。


ニャッキーマンをどうしても書きたかったのです。またどこかで出したいですね。

ありがとうございましたにゃ(^T ω T^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ