#86 闘技大会!準々決勝
よろしくお願いしますにゃん♪
いよいよ闘技大会も終盤!
今日は午前に準々決勝。それに勝てば午後に準決勝だ。
ある意味今日が正念場でもある。
勝つぞ!!
と言うことで、やってきました闘技場。
『それでは続いて行きまっしょい!!次の選手共!!とっとと来いやぁ!!』
へ~い。
僕達はぞろぞろとステージ前に出る。
反対側には、
『【眠猫庵】バーサス【青兎忍軍】!!猫と兎の対決だぁ!!』
青影さんとかぁ。
忍装束の集団がこっちを見ている。
「機動力では勝てねぇな」
「ですわね」
「向こうにも鳥がいる」
「にゃ」
「なんか……モグラもいない?」
「いるわね」
万全やないかい!
地中まで対応できるのかよ!?
『ではではではぁ!!この試合はなんじゃろな!?』
いつも通り現れた御籤筒。
決まった内容は、
『【宇宙大決戦】!!』
宇宙……?
どういうこっちゃ?
『続いて人数を決定します』
これまたいつも通りサイコロが出現し、出た数字は【4】。
「4人か」
「まぁ、俺らは5人だけどな」
「それは向こうもでしょ」
「じゃの。青影と陽影は夫婦じゃしの」
そういやそうだ。
ならば実質5対5で戦うことになるな。
「宇宙ってところが、いまいちピンと来ないねぇ」
「無重力が関わるのは間違いないだろうね」
「なら、機動力より火力重視にしとく?」
「そうだな」
ということで決まったのは僕とナティ、白蓮、蘭羅、ツヴェルトとなった。
向こうは青影さんと陽影さん、ダックスフンドモデルのウェア・ドッグ、ウェア・リザード、両手と両足が妙に大きい女性の5人。
向こうは全員アサシンだもんな。
ある意味、魔法や弓矢などに注意はしなくていいから対策はしやすいけど。
「サブ職の【忍】がどのようなスキルを持っているのかは、未だ不明ですからね。注意はいりますわ」
「にゃ」
『それでは行ってら!!チェ~ンジ!ゾ~ン!』
飛ばされた先は……どこよここ?
「宇宙ステーション……でしょうか」
「にゃ?」
「外」
蘭羅が窓を指差すと、そこには宇宙空間が広がっていた。
おぉ!凄いな!
僕とナティは窓にへばりつく。
「「にゃ~……」」
「中々圧巻だね」
『YEAHHHHHHHHHH!!!ルール言うぞゴラァおぶえ!?久しぶべ!?』
2連撃!?
『ルール説明です。会場は宇宙ステーションとなります。勝利条件は相手チームの全滅orリーダーの撃破となります』
つまり特殊フィールドでのガチバトルか。
『注意して頂きたいのは、このフィールドは破壊可能ということです』
え?それってつまり……。
「この窓や壁を破壊することが出来る。宇宙空間に放り出すことによるリタイヤを狙える」
「自滅覚悟で、ですわね」
「だね」
「「にゃ~」」
僕には取れない手段だな。
でも、敵チームは僕狙いでやる可能性は高いよね。
なるほど。僕はどう動くべきだろうか。
『それでは試合、STARTです』
試合開始が告げられたと同時に、体の重さが無くなり体が浮かび上がる。
「「にゃにゃ!?」」
「なるほど。宇宙ステーションですものね。無重力でのバトルですか」
「ちょっと厄介」
「ただ向こうの機動力もいつも通りとはいかないはずだよ」
「ですわね。しばらくは固まったまま、無重力に慣れましょう」
「「にゃ!」」
この状況じゃ下手にバラけるのは危険だよね。
う~ん。感覚は【フロート】に近い。
僕はナティと尻尾同士で繋がる。ロープ代わり!
「魔法はあまり乱発できないね。吹き飛ばされるし、壁も壊しかねない」
「ですわね」
確かに。
どれくらいの壁の厚さかも分かんないしなぁ。
「このステーションは円形っぽい」
「ですわねぇ。ということは、隠れ場所は少ないでしょうね」
「っ!来た!」
え!?早くない!?
見ると僕達の左側から壁を猛スピードで走っている影が見えた。
あれ!?無重力は!?
「ウェア・リザード!張り付いてる!」
「そういうことですか!って、まさか!ナナキ様!反対側も注意を!」
「にゃ!って、にゃにゃ!?」
「反対側からも張り付いてきてる!」
右側からも壁を匍匐前進のように4本足で猛スピードで走ってくるくノ一がいた。
なんでよ!?
僕は驚きながらも刀を抜く。
すると、くノ一が口を開いて舌を伸ばしてきた。
舌はさらに伸びて僕の右足に巻き付く。
マジで!?
「にゃ!?にゃあああああ!?」
「にゃあああ!?」
「しまった!」
「ウェア・フロッグでしたか!」
蛙なの!?
「ケロ。わたくちは雨影。この程度の無重力。森を跳ねるより簡単」
「そういうことで御座る」
「にゃ!?」
雨影の元に引っ張られていると、すぐ近くまで青影さんと陽影さんも高速で壁を跳ねながら来ていた。
「拙者達は毎日、夜の森で木々を飛び移る訓練をしているで御座る。視界が悪く、重力がある森に比べれば、この程度の無重力など何にも影響はないで御座る」
マジでか!?
やばい!?3対2になる。
僕は足に巻き付いてる舌に触れる。
「【リバース】!」
「ケロォ?」
「雨影!?」
「ニャティ!反射にゃ!」
「にゃ!【リフレクト・ウォール】!」
「「!!」」
雨影は体から力が抜けてふらつく。
陽影さんが叫んでいる隙にナティに指示を出す。
ナティは僕の考えを理解してくれて、青影さん達の前に壁を生み出す。
こっちに飛んできていた青影さんと陽影さんは避けきれず、壁にぶつかり反射されて反対側に飛ばされる。
今の内に!
僕は舌を掴んで思いっきり壁に向かって振り投げる。
「ケロオオオオオ……!?」
投げた勢いを利用して、雨影を叩きつけた壁の反対側の壁に飛ぶ。
そして刀を構えて、脚に力を込めて思いっきり飛び出す。
「にゃああああ!!【猫迅閃】!」
「ゲロ゛ォ!?」
ダランと浮かんでいた雨影をスキルで斬りつける。
雨影は体から血を噴き出して、消滅する。
『【青兎忍軍】雨影選手リタイヤ!』
よし!
僕はナティの所に戻って、また尻尾で繋がる。
そして白蓮達の元に戻る。
「【凍える息吹】」
「!!?ざ……ざむい。か、からだが……うごか……」
「えーい」
「ぎゃあ!?」
「渡影!くそ!」
白蓮の氷でウェア・リザードの忍者は動きが鈍り、その隙を蘭羅は逃さずに一気に詰めて、薙刀を振るって倒す。
『【青兎忍軍】渡影選手リタイヤ!』
渡影て。もうちょっといい名前考えてあげてよ!
しかし、白蓮とは相性悪かったね。
トカゲだから寒いのには弱かったか。
これで残り3人!
「おのれ!【シャドウ・ステップ】」
「むお!?」
「蘭羅!」
ウェア・ドッグ忍者はスキルで一気に詰め寄り、蘭羅を蹴り飛ばす。
蘭羅は渡影への攻撃後、グルグルと回っていて体勢を崩していたため、避けられなかった。
白蓮が蘭羅を庇おうと動くが、
「【風遁・鎌鼬】!」
「な!?」
「まずい!『防げ』【マジック・バリア】!」
忍法使えんだね、やっぱ!
白蓮は風で後ろに流され、ツヴェルトは窓に当たりそうな鎌鼬をスキルで防ぐ。
蘭羅は完全にバランスを失ってバタバタと手足をばたつかせながら浮かんでいる。
その隙を逃さずに、ウェア・ドッグ忍者といつの間にか接近してた青影さんが、蘭羅に向かって手裏剣を数枚投げつける。
もちろん蘭羅はどうすることも出来ず、全身に突き刺さり消滅する。
ちょっと頭に刺さったのはエグイですね!?
『【眠猫庵】蘭羅選手リタイヤ!』
結構ピンチ!
挟まれたし、飛び道具に差がある。
スキルか魔法しか飛び道具がない僕達では、壁を壊すリスクが大きすぎる。
「困りましたわね」
「白蓮の氷って地面に触れてないとダメだっけ?」
「そうですわね。空中からでは岩を放り投げるのと変わりませんわ」
「つまり飛び道具を放つなら確実に相手に当てないとダメか」
「ですわ」
「「にゃ~……」」
少し手詰まり感。
接近戦では向こうの隙を突くのは難しい。
下手に突っ込んだら、蘭羅の二の舞だ。
でも、それは向こうも同じのはず。
ということで、睨み合いになってます。
どうしよっかね?
「困った状況になったねぇ」
「互いに手出ししにくくなったな」
「ステーションの全体図を把握してれば、もう少し打てる手もあるでしょうけど」
「あの状況から抜け出すのは少し厳しいな」
ディノ達は顔を顰めてモニターを見ながら考察している。
マオとナウラも心配そうに見ている。
「しかし、俺達の誰が出ても同じ状況になるだろうな」
「そうね」
ナダとモーカの言葉に全員が頷く。
睨み合いが続いている。
でも、そろそろ動かないとどうしようもない。
……かなり賭けだけどなぁ。
フワリフワリと白蓮とツヴェルトに近づく僕達。
「いいかにゃ?」
「なんでしょう?」
「なんか策思いついた?」
「博打だけどにゃ」
思いついた策を話す。
その内容に顔を顰める白蓮達。
「確かに博打ですわね」
「でも、当たればデカいか」
「外れれば私達の負けですが……この状況では一番可能性はあるでしょう」
「じゃあ、やるってことで」
「「にゃ」」
覚悟を決めた僕達。
青影さん達は壁際でお互いに距離を取りながら、こっちを観察している。
では、行きましょう!!
僕は少しだけ前に出て、青影さん達3人を見つめる。
それに構える青影さん達。
その瞬間、
「フニャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン」
「「「なぁ……?っ!?」」」
「にゃあ~」
【フニャン】を発動する僕。
声を上げる直前に白蓮達は耳を塞いでいる。
武器を構えて、耳が人間とは違う青影さん達は耳を押さえることが出来ず、体から力が抜けて目を見開く。
もちろん僕も力が抜けて、空中に投げ出される。
そこにナティが僕に抱き着いてきて、さらにその上から白蓮が抱き着き、思いっきり跳ねて移動する。
ダランとしている青影さん達の横を抜けて、僕達を抱えた白蓮は壁際に足を着ける。
「【凍える大地】」
スキルを使用して氷を生み出しす白蓮。
その際に自分の足にも氷を張り、壁に固定する。
「今ですわ!」
「了解!」
白蓮の言葉に頷いたツヴェルトは、背後の窓に体を向ける。
「『吹き飛ばせ』!【ファイヤー・ブラスト】!」
「「「!?」」」
ツヴェルトが魔法で窓と壁を吹き飛ばす。
壁には大穴が開いて、ステーション内の空気が穴に向かって暴風となって飛んでいく。
「くぅ!?」
「にゃああ!?」
「にゃ~……!?」
白蓮とナティは全力で僕に抱き着いて、僕が飛ばされないようにしてくれる。
僕は力が入らないので成すがままです。
や、柔らかいし、いい匂い!?
ツヴェルトは目の前にいたので、もちろん穴に吸い込まれて宇宙に放り出される。
「うわああああ!?」
ゴメン!!ツヴェルト!!
ゲームで大会の試合とはいえ怖いよね!?
そして、力が入らずダラけていた青影さん達もなすすべなく穴に吸い込まれていく。
「無茶過ぎるだろ!?」
「……お見事に御座る」
「ちょっと怖いわああああ!?」
お3人さんもゴメン。
そして3人も宇宙空間に放り出されて、流星になっていく。
これで勝ちでしょうか?
そろそろきついんですけど!?
『【眠猫庵】ツヴェルト選手リタイヤ!そして【青兎忍軍】全滅!試合終了!!【眠猫庵】の勝利!!』
勝利宣言が聞こえた途端、景色が歪んで闘技場に戻る。
「「ふにゃ~」」
「ふふふ♪お見事ですわ」
「白蓮もありがとうにゃ」
白蓮は未だに僕達を抱っこしたまま、メンバー達の元に戻る。
「大胆な手段に出たな」
「にゃ。でも、あれくらいしか青影さんをだし抜ける気がしにゃかったにゃ」
「だろうな」
「……怖かった」
「お疲れ。ツヴェルト」
「さて、これで午後の試合を乗り切れば決勝だな!」
相手はこの後の試合で決まる。
勝ちたいな。
「準々決勝からは戦闘メインの試合になるのよね?」
「ステージが特殊らしいけどね」
「次もガチンコか。ナナキとナティはゆっくり休めよ」
「「にゃあ」」
ナティにも無理をさせるなぁ。
だからこそ、勝たないとね!
頑張るぞ!
ありがとうございましたにゃん!




