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幸せ猫が通ります~キャット驚くOnline~  作者: 岡の夢
4章 ツヴァートと闘技大会
84/121

#76 闘技大会!予選

この連休で書きまくったので、連投。

よろしくお願いしますにゃ(=^・ω・^=)

 大会前日。

 今日は武器の手入れをしたり、アイテム補充に動くメンバー達。


「お兄さん!なんか運営からアイテム届いた!」

「にゃ?」

「【観戦チケット】だって!これがあったら大会期間だけツヴァートに宿泊できるみたい!」

「おぉ~!」


 マオが朝ご飯を食べている所に突撃してきた。

 へぇ~。そんなものが配られるんだ。


「ということは……ニャーマさんに部屋を取ってもらっとくかにゃ?」

「ですにゃ」

「今日から行けるみたい!この後、紹介して!」

「にゃ」


 ということはナウラもか。

 

「ニャウラは?」

「今、調薬の器材買いに行ってる」

「じゃあ、帰って来てからだにゃ」

「もちろん!」


 ナウラの【薬師見習い】のことをすっかり忘れてたので、ジェジェン先生に昨日質問した。

『ヒューマンやエルフのように全てを網羅出来ませんが、器材を選べば大抵はこの手でも出来ますにゃ』とのことだったので、モーカに付き合ってもらって器材を選んでいるらしい。

 エリマさんが紹介してくれた薬師さんがいるお店に行っているとのこと。

 これで本格的な猫魔女さんになるね。

 

「マオの【巫女】はにゃにが出来るにゃ?」 

「ん?お祈り!」

「「……」」

「そういえばお兄さんは【占い師】だっけ?」

「にゃ。もうすぐカンストするけどにゃ」

「水晶も買ってたよね?」

「にゃ」

「占って!」

「……にゃ~」


 まぁ、そうなるよねぇ。

 ……仕方ないか。

 僕はポーチから水晶を取り出す。水晶用の座布団も取り出して、設置する。

 マオを水晶を挟んだ位置に座らせる。

 ナティはスプーンを置いて、少しテーブルから離れる。

 

「じゃあ……やるにゃ」

「うん!」

「にゃにゃん!」

「うん?」

「にゃんにゃらり~にゃ!にゃにゃにゃにゃん!にゃ~にゃ~にゃ~」

「……うん」

「にゃにゃん!」

「……う~ん」


 バッ!と水晶に両手をかざして、呪文を唱えながら両手を水晶の上でユラユラさせる。

 マオの目が少しずつジト目になるのは気にしない。気にしないんだ!

 そしてバッ!と両手を上げる。

 完全に胡散臭い目で見てくるマオ。

 しかし、ちゃんと水晶がボワ~と白く輝く。


「おお!」

「……『これから楽しい出来事が待ってるにゃ。けれでもあにゃたは見てるだけにゃ』」

「大会の事かな?」

「……『大切にゃ人との大事にゃ時間を見逃さにゃいように。それがあにゃたの最も近い幸せへの道にゃ』」

「う~ん?」

「これだけにゃ」

「え?それだけ?」

「ゲームだったらこんにゃものじゃにゃいかにゃ?」

「そう?ってナティは何で蹲ってるの?」


 僕の後ろに目を向けたマオは、ナティが蹲って震えているのを見つけた。

 僕はそれを達観した顔で聞く。


「……僕の呪文をとにゃえるのがツボみたいだにゃ」

「あぁ~」

「あんにゃ呪文とにゃえるのに、あれだけしかうらにゃえにゃいから封印してるにゃ」

「なるほどね!ごめん!」

「構わにゃいにゃ。カンストしたらすぐ変えるにゃ」

「そうだね!」


 僕は水晶を仕舞って、食事を再開する。

 悲しい気持ちなのに、食事は美味しいですね。

 ナティは両目に涙を浮かべながら食事を再開する。楽しそうで何よりです。



 買い物を終えて帰ってきたナウラとマオを連れてツヴァートへ。

 ギルドを通っていくので、ボアンさんにナウラを紹介する。


「おう。そいつが新しく来た奴か?」

「はいにゃ。ニャウラですにゃ」

「ナウラでいいのか?」

「は、はいにゃ」

「安心しろ。食いやしねぇよ。オグマの方がデケェだろうに」

「顔の問題ですにゃ。多分」

「ニャニャキ……!」

「あぁ……てめぇらの所にはライカンスロープはいなかったな。なら仕方ねぇか」

「すいませんにゃ」

「気にすんな。まぁ、大会の間だけらしいが楽しんでいきな。次はちゃんと来いよ」

「はいにゃ」


 猪顔に上から覗き込まれるって怖いよね。僕とナティは叫びました。あの時はすいません。

 そして、ナーマさんの宿に向かう。

 ……タマ師匠にも合わせなきゃ駄目だよね。


「ニャウラ」

「はいにゃ」

「多分、宿にはタマ師匠達も入るにゃ。大会中はもしかしたら一緒に行動するかもしれにゃいからにゃ。マオも頼むにゃ」

「は、はいにゃ」

「分かった!」


 そして宿に到着。中に入ると、エリマさんとシィナさんもいた。

 ナーマさんと並ぶとマジでそっくりだなぁ。


「おや。いらっしゃいん。その子が噂のナウラさんなのん?」

「はいにゃ。ニャウラとマオですにゃ。大会中お部屋をお願いしたいですにゃ。こちらはニャーマさんにゃ。エリマさんとニャラルスさんの娘さんですにゃ」

「ナーマだよん。初めましてん。お部屋は問題ないよん。母様からも聞いてたからねん」

「よろしくお願いしますにゃ」

「お願いします!わぁ~!エリマさんとそっくり!」

「娘だからねん」


 そしてエリマさん達は?


「もちろん大会のお手伝いよ~。ナラルスは宿があるから来れなかったけどね~」

「今回は参加人数凄いらしいからねぇ。ベテランが集められたみたいだねぇ」

「にゃあ」

「応援してるわ~」

「ありがとうですにゃ。タマ師匠達はいますかにゃ?」

「上にいると思うよん」


 どうもです!

 2人を連れて、上の部屋に行く。そして扉をノックする。

 エドラードさんが開けてくれた。


「おや。ニャニャキ君」

「こんにちはですにゃ。エドラードさん。タマ師匠はいますかにゃ?」

「はいにゃ。どうぞですにゃ」


 笑顔で頷いて、中へと招いてくれるエドラードさん。

 中でタマ師匠がソファでダラけていた。他のソファではジュウベ師範とジェジェン先生も座っていた。

 まぁ、大会には出れないしね。


「あん?ニャニャキじゃねぇかにゃ。どうしたにゃ?」

「こんにちはにゃ。ニャウラを紹介に来ましたにゃ」

「ニャウラ?新しく来た奴かにゃ?」

「はいにゃ。大会には出れにゃくて観戦で来ましたにゃ。それと猫又のマオですにゃ」

「ニャウラですにゃ。よろしくお願いしますにゃ」

「マオです!初めまして!」


 2人のあいさつに、タマ師匠は起き上がって、ソファの上で胡坐を組んで座る。


「おう!おれぁタマだにゃ!よろしくにゃ!」

「拙者はニャギュウ・ジュウベと申すにゃ」

「僕はエドラードですにゃ」


 【ケット・シー】が7匹って豪華だね。


「ニャニャキ!明日からの大会はもちろん出るよにゃあ?」

「もちろんですにゃ」

「よし!優勝しろにゃ!じゃにゃきゃ山籠もりさせてやるにゃ!」

「にゃ!?」

「ニャティもニャウラもにゃ!」

「「にゃにゃ!?」」

「がにゃははははは!!気合入れろにゃ!」


 まさかの優勝以外の罰ゲーム!?しかも大会に出れないナウラまで!?

 やべぇ……!勝たんと!

 山籠もりなんてこの4人と行ったらボロボロなんて生温いと思うほどの修業が待っている!!

 僕は冷や汗をダラダラと流す。ナティも冷や汗をダラダラと流す。ナウラは僕達の様子を見てオロオロとしている。マオは憐れんだ目を僕達に向ける。

 それを4人の師匠達はニコニコニヤニヤと見ている。

 やっぱり……誰も止めない!


「全身全霊で勝ってきますにゃ!」

「にゃ!」

「おう!」


 そして部屋を後にする。

 食堂に下りてエリマさん達を見ると、僕とナティは崩れ落ちる。

 それにナウラとマオは慌てる。


「わぁ!?大丈夫!?お兄さん!ナティ!」

「し、しっかりするですにゃ!」

「あぁ~……優勝逃したら修業付けるとでも言われたかい?」

「山籠もりさせるって言われましたにゃ。私達3人で」

「やっぱり~。期待してるんだろうけどね~」

「ナナキ君からしたら恐怖しか待ってないだろうねぇ」


 エリマさんとシィナさんは苦笑する。

 笑い事ではないです!勝たないと!優勝しないと!

 とんでもないことになってしまった!





 大会当日!

 いよいよです!

 楽しみ!……なんて言ってる場合じゃない!


「大丈夫かい?」

「全く大丈夫じゃにゃいにゃ」

「にゃあ」

「少しは気を抜かんか。勝てるものも勝てぬぞ?」

「あの怖さを知らにゃいから言えるにゃ……!アガタンは!」

「アガタン言うでない!」

「大丈夫なのか?」

「タマ師匠達のしごきは半端ないからな」


 僕達はナーマさんの宿の食堂に揃っていた。

 僕とナティは今のも心臓が破裂しそうな程緊張している。

 タマ師匠達の本気の鍛練を知ってるのはオグマだけ。

 あの地獄がパワーアップするかもしれないんだぞ!?それ以上の恐怖はあるか!

 あった!ナティに嫌われた時!


「お2人とも。まずは予選を突破しないといけませんわ。それに落ち着かないと、それこそタマ様に優勝関係なく連れて行かれますわよ?」

「「にゃあ」」

「一瞬で萎んだぞ!」

「これはこれで駄目じゃない?」


 白蓮の言葉にへにゃりとテーブルに倒れ伏す僕とナティ。それにオクリとリヴァランが突っ込んでくる。

 テーブルの真ん中にはボアンさんから渡された箱が置いてある。

 何に使うんだろうね?

 そして時間になる。


キィーーーン!


 放送時によく聞くハウリングがどこからか響いてくる。


「お?始まるかね?」

「いよいよだな!」


『イエーーーーーーイ!!グッド・モーニィーーーング!!エブリバディ!!いよいよカミィーーング!!第354回【ツヴァート・闘技大会】!!だあああ!!』


「すげぇやってんな大会」

「チルッチと友達になれそうだね」


 超ハイテンションのアナウンスが始まった。声色的には女性だろう。

 祭り感は出るよね。


『バァーーーット!しかし!何が起こったのか何をしたいのか分からないが、なんとこんな大会に今年はエントリー数1876組も来た!Why!?』


 そんなにいるの!?


『そんなもん面倒見きれるわけない!!だろうがぁーー!!連日徹夜のブラック企業も真っ青のデス企業入りだぁ!!ちょっとは開催側の事も考えやがれこのすっとこどっこい共!!』


 苦情だった!?

 まぁ……他のギルドからもヘルプ呼ぶくらいだもんね。通常業務も考えると確かに地獄か。

 

『というわけで今年は予選を行うんでぇよろしくぅ!!』


 キャラが整いませんね、この司会者!?

 よほど辛かったのか。


『登録した際にもらった箱がありやがるでしょうか!それは必要不可欠!壊したり、失くした奴は今すぐ名乗り出ろぉ!罰として出店の呼子して街に貢献しろ!もしくは闘技場で事務員しろ!給料?出るわけねぇだろ私だってボランティアだよ馬鹿野ぼへぇ!?』


 どうした!?何があった!?

 お姉さーーん!!


『ルールは簡単です』


 いきなり始まったよ!?新しいお姉さんになった!!

 さっきまでのお姉さんは!?


『昨日よりこの街にいる旅行者や住民の皆様に1人につき【黄色のコイン】10枚をお渡ししています。参加者の皆様には箱にコインを合計100枚集めて頂き、先着40組が本選進出です』


 淡々と冷静にルール説明してる!?

 何が起こったのかが気になりすぎるよ!!


『コインを渡す枚数、理由はコイン所持者の自由となっています。奪ったり、殺害した場合は衛兵が飛んでいくので注意してください』


 ほう。つまり持ち主の要望に応える必要があるのか。


『他にはクエストをクリアすることでもコインを獲得できます。獲得枚数はクエスト票に記載されています』


 なるほど。暴れたい奴はそっちで手に入れろと。


『ただし、注意があります』


 なに?


『箱の正面に窪みがあるのはご存知かと思います』


 うん。ある。


『そこには【赤いコイン】を嵌めないといけません。それは住民、または旅行者の中から選ばれた40名が持っています。【黄色いコイン】【赤いコイン】合わせて100枚。それが予選突破条件となります』


 ただ無作為に集めるだけじゃダメなのか。

 ちょっと大変そうだなぁ。


『制限時間は明日の正午までとなります』


 ……長い?短い?

 コインを持っている人次第か。


『それではスタートです』


ゴォオオオン!!


 全く盛り上がらないスタートの言葉と銅鑼の音。

 さて、どうしようか。


「クランで参加している私達は少し有利ではありますわね」

「手分けするか?」

「そうですわね。では」

「おう!始まったにゃあ!ニャニャキ!」

「にゃ?タマ師匠?」


 タマ師匠やジェジェン先生達が現れた。

 どうしたの?


「箱貸せにゃ!」

「にゃ?」

「これかい?」

「おう!エドラード!」

「はいですにゃ」


ジャラララララララララ!!


『え?』


 ラドンナが箱をタマ師匠の前に置くと、エドラードさんがでっかい袋を取り出して、大量のコインを箱に注ぎ込む。

 それに僕達は目を見開いてポカンとする。

 え?なんでそんなにあるの?

 エドラードさんがコインを入れ終わると蓋を閉じる。


「で!最後はこれだにゃ!」


カチン!


『え?』


 タマ師匠が()()()()()を窪みに嵌めた。

 あれ?それって……。


パンパカパ~ン♪!!


 突如ファンファーレのような音楽が街に響き渡る。


『予選開始2分13秒が経過。登録名【眠猫庵】予選突破。1位通過です。おめでとうございます』

「「「「はあああああああ!?」」」」

「がにゃはははははは!!」

「にゃんで!?どういうことですかにゃ!?」

「俺達もコイン貰ってたにゃ!それでニャーマ達この宿の従業員達からもコイン預かったんだにゃ!俺には赤いコインも渡されたからにゃ!弟子であるニャニャキに使うのは当然だぜにゃ!」


 ……そうか。旅行者にも渡したって言ってたね。

 タマ師匠達で4人。ナーマさん達従業員から6人分集めれば揃うのか。

 ただね。タマ師匠。従業員さんからはカツアゲしてないよね?

 そこにナーマさんが苦笑しながら現れる。


「安心してねん。私は初めから君達に渡す気だったからん。他の従業員からは渡してもいいって子だけから、渡していいっていう分だけ貰ったのん。それでもほとんどの子が10枚渡したけどねん」

「……にゃ~」

「タマ様達はコインを渡された時点でこのルールを?」

「はいにゃ。にゃん枚いるのかは流石に分かりませんでしたが、キリが良い100枚集めるだけでも十分手助けににゃるかと思いましたにゃ」

「所持者同士の受け渡しはにゃにも言われにゃかったからにゃあ!」

「流石だねぇ……」


 メンバー全員力が抜けて椅子に座り込む。

 なんだろう……。突破した気が一切しない。

 すると、


ピコン!


 ん?メール?

 開こうとしたら、


ピピピピピピピピピピピピコン!


「にゃにゃ!?」

「どうしましたにゃ?」

「メールが大量に……」

「あぁ~……俺にも来てんな。まぁ、多分『どうやったんだ?』っていうことだろ」

「ですわねぇ」

「うるさいのぅ」


 確かにフルレッドさんやアヤナ達からだった。

 内容もその通り。『なにしやがった?』一色。

 僕にも分かんにゃい!

 とりあえず返信しよう。


『【ケット・シー(番長)】は恐ろしい』


 送信。

 これで良し。

 明日まで暇になってしまった。


 ナーマさん!お魚定食!大盛りで!

 予選突破を祝って!


 やけ食いだぁ!!

 

ありがとうございましたにゃ(=^・・^=)

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