#75 お久しのプッツン
よろしくお願いしますにゃ(=^・・^=)
闘技大会まで後3日となりました!
朝ご飯を食べてまったりしていると、インフォメーションが届く。
「闘技大会についてだにゃ」
「下に行きますにゃ?」
「だにゃ」
リフォ~ン。
「きゅあ!」
リフォンに顔を向けて頭で呼んだ瞬間、ドピュン!と僕の頭に飛んでくる。
以心伝心!これだけ!
食堂に下りると、皆も集まっていた。
「おはようございますわ。ナナキ様。ナティ様」
「おはようにゃ」
「おはようございますにゃ」
他の皆にも挨拶して席に着く。
「リーダーも来たので始めましょう」
「だな」
「インフォの内容は登録開始と簡単なルールじゃな」
「登録はツヴァートの冒険者ギルドでクランまたはパーティーのリーダーが行う。参加メンバーは大会前日までにツヴァートに到着していること。これは個人に該当するため、必ずリーダーがこれに該当すること。となってますわ」
「ということは……ナウラとマオ、チルッチは駄目なのかい?」
「チルッチさんは今、ツヴァートに向かってますわ。間に合えば大丈夫でしょう。ナウラ様とマオさんは流石に難しいと思いますわ」
「残念!」
「ですにゃ」
チルッチ移動してたのか。声掛けてくれればいいのに。
ナウラとマオは確かになぁ。無理矢理連れて行っても、レベル的に大会出ても辛いだけだよね。
「そしてリーダーは全試合参加しなければならない。リーダーが戦闘不能になった場合、その時点で敗北となる。つまりナナキが負けたら終わり」
「責任重すぎるにゃ!」
「そこも含めて大会」
「にゃあ~」
蘭羅が容赦ありません!
僕で勝敗決まっちゃうの?猫に何を求めてるんだ!
そこにナダがあることに気づく。
「ん?カップルシステムが使えるのか?」
「そのようですわ」
「にゃ?」
「つまりカップルは2人で1人扱い出来るということですわ」
「はぁ?それってやばくねぇか?」
「そうでもない」
「どういうことだい?」
「それが適応されるのはゲーム時間で1か月前までにカップル登録した者達だけだそうだ。つまり、前回のイベント終了直後までに登録した者達だけということだな」
「ってことは、うちは問題ないわね」
「ですわね。ニュウさんも適応されます」
「うん」
嬉しそうに頷くニュウ。かわゆい。
なるほど。本当に付き合っている者達だけに優遇していると。これはこれで不満が出そうだけどなぁ。
「特に問題がない私達には関係ありませんわ。途中でカップルシステム禁止になっても、それはそれですもの」
「じゃのう」
それもそうか。元々使えない前提で組めばいいのか。
「試合方法は複数と書いてある。つまり内容によってはカップルシステムが不利になる可能性もあるのか」
「ってことだな」
「とりあえず、ナナキ様は基本ナティ様と組んで頂きたいと思いますわ」
「にゃ?」
「なんで?ニュウは?」
「ニュウさんはマオさんが参加できないので、クラン唯一の【アサシン】ですわ。なので、ナナキ様と組まなくても試合に出ることは多いでしょう。そしてナティ様は回復職ですわ。ナナキ様の敗北リスクを減らすためには、これがベストである、ということですわ。もちろん内容によってはニュウさんとナナキ様で組んでもらいますわ」
「なるほどねぇ」
「戦略的にそれが正しい。だから問題ない」
「ありがとうございますわ」
ニュウにペコリと頭を下げる白蓮。
まぁ……理屈的にはそうだよね。
「ナダさんとモーカさんも場合に応じて組んで頂きたいのですが」
「構わん」
「えぇ。文句はないわ。毎回は嫌だけどね」
「そこまでは流石にしませんわ。お2人は後衛職ですから」
試合方法が異なるということは後衛職が少ない方がいい可能性もあるもんね。
難しいなぁ。
「次は予選についてですわね。これは試合当日に内容が発表されるみたいですわね」
「まずはこの予選突破だな」
「かなりの数が参加するんだろう?まさかバトルロイヤルとか?」
「可能性がないわけではありませんが……それではリーダーを決めた意味があまりないので予選では行わないと考えてますわ」
「そうだよねぇ。可能性は競争みたいなの?数限定のアイテムを手に入れたチームが予選突破」
「それが一番可能性がありますわね」
「にゃあ」
どっちにしろ僕は頑張らないといけないのか。
まぁ、このメンバーだったら色んな事出来るから大丈夫だろう。
「とりあえず、まずは登録ですわね。後はチルッチさんが間に合うのを祈りましょう」
「じゃの」
「にゃ」
と言うことで解散。
僕とナティ、ニナ、ラドンナ、オグマで登録に向かう。
ボアンさんに声を掛けて、登録を依頼する。
「クランでの参加だな?」
「はいにゃ」
「リーダーはナナキだな?」
「はいにゃ」
「わかった。これで登録完了だ。頑張れよ。多分タマ様達も見に来るだろうしな。負けたらしごかれるぞ」
「……にゃ~」
でしょうね。本当に背負うものが重すぎる。
「で、これを渡しておくぜ」
「にゃ?」
「これは?」
「予選で使う。当日に説明がある。失くすなよ」
「にゃ」
渡されたのは1辺30cmほどの正方形の箱。蓋を開けるが中は空っぽ。正面には丸い窪みがある。
ポーチに仕舞って、ギルドを後にする。
途中でタマ師匠達に見つかって、連れ去られる。
そしてジュウベ師範の修行とタマ師匠との組み手でボロボロにされて、オグマに担がれて帰宅する。
大会2日前。
今日はマオとナウラの訓練に付き合う。
ちなみに2人とも服装を変えた。
マオは上は緑の振袖に紫の帯で、下が緑のホットパンツで草履に見えるサンダル。意外とニュウと似ているようで印象がかなり違う。
ナウラは白いシャツに赤の蝶ネクタイ、下は紫のキュロットパンツ。黒い前開きポンチョに黒の三角帽子を被った魔女っ娘風。似合いますね!
マオの服を作ってもらった時に、レベレッドさんは僕にも草履型のサンダルをくれた。
これで完全に和服スタイルになった。
ホームの食堂で準備していると、
「イエス!マイ!ホーム!」
ドバン!と扉を開けて、チルッチが入ってきた。
お!間に合ったんだ。
「ギリギリセーフ!デス!……か?」
「セーフにゃ」
「イエス!」
「新しく入った2人にゃ。マオとニャウラだにゃ」
「よろしく!」
「よ、よろしくですにゃ」
「ナイストゥーミートゥー!チルッチ、デス!【サイボーグ】デス!」
で?どこが変わったの?あんまり変わってなくない?
「ルゥーック!!ウィングがバージョンアップしてるデス!」
「にゃ?」
「……分からないねぇ」
「……分からんな」
「ピカピカになった!」
「ノォーーーウ!!」
僕、ラドンナ、オグマ、オクリの言葉に崩れ落ちるチルッチ。
よく見れば翼や腕の機械の見た目変わってるけど、それだけしか違いが分からん。
「重要なチェンジはソフト面デス!例えばマジックパワーが6%アップ!」
強くなったの?僕にはわからん!
「ノォーーーウ!!」
また崩れるチルッチ。
性格は変わってないようで何より。
「大会で期待してるよ」
「イエス!」
せっかくなのでチルッチも連れて訓練に向かう。
僕、ナティ、ラドンナ、ニナ、マオ、ナウラ、チルッチ、オグマ、オクリ。2パーティーに分けて動くことにした。
まずはクエストを探しに冒険者ギルドに向かう。
その途中で久々の連中に会った。
「あぁ?なんだ?この猫共。邪魔だ、どけ」
「うわっ。マジで猫じゃん。ちっちぇし」
「弱そ~。なんでそんなん選ぶんだ?かわいい自分に酔ってんの?」
ウォーリア、キャスター、シーフっぽい男3人組が僕達を見て絡んできた。
最近絡んでくる奴いなかったから、ちょっと新鮮。
ラドンナやオグマが見えてないのだろうか?
「おら。どけって。クソ猫共」
……あぁん?「共」?
それはつまりナティに向かって言ってる?ねぇ?言ってる?
「なんだぁ?その目は。気持ちわりぃ猫が着物に魔女風にしたって、化け物感しかねぇよ」
はい。プッツ~ン。
男達の言動にオグマ達はもちろん、周りの住民達も顔を顰めて睨みつけている。
「あいつら……!」
「ぶん殴ってやるぞ!」
「待ちな。なんかナナキの様子が……」
オグマとオクリが怒り、男達に向かおうとするが、そこをラドンナが止める。少し顔色が悪い。
それにニナとマオが顔を押さえて、呆れる。
「あぁ~……これはやっばいかなぁ」
「そうねぇ。大人しいのが怖いわねぇ」
「……ナティも?」
「うん」
「あ、あの?2人とも?」
「おっと、ナウラストップ。多分、やばい」
「にゃ?」
ナウラも怒っていたが、ナナキとナティの雰囲気に怒りが引っ込んで、オロオロする。
それをマオがナウラを抱きかかえて避難する。
その時、
「あ?PvPだぁ?なんだぁ?やる気か?」
「猫が俺らに勝てるわけねぇだろ」
「やってやろうじゃねぇか!」
どうやらナナキがPvPを申請したようだ。
それに周囲が慌てだす。
「ちょ!ナナキ!待ちな!」
「にゃ?(^Φ ω Φ^)」
「う!?……ナ、ナティ!」
「にゃ?(^Φ ω Φ^)」
「ひぃ!?」
「あぁ~……やっぱりか」
ラドンナが止めに入るが、2人ともすでに目がヤル気だった。ラドンナはやられた記憶が蘇ったのか、顔を青くして引き下がる。
それにニナが諦めの声を上げる。
「同意と見てよろしいですわね!」
『ん?』
そこに女性の声が響く。
現れたのは茶髪縦ロールの貴族風の女性と、日傘を差しだしている巨漢スキンヘッドの男。
女性はドレスを着ているが、レフェリーだからなのか上が白黒ストライプなので違和感全開。後ろの男も執事服っぽいのだが、同じく白黒ストライプなので違和感しかない。
「誰だ!?」
「わたくしの名はレディ・アントワネット!ただいまこの戦いはPvP:Ver1として認められましたわ!これよりナナキ様・ナティ様チーム対愚か者チームの試合を開始しますわ!」
「「「おい!!」」」
「戦神の神使か?」
「思いっきりナナキ達贔屓だねぇ」
レディ・アントワネットの呼び方に、抗議の声を上げる男達。しかし、それは無視される。
「ルールは簡単ですわ!相手を『さっさと始めろにゃ(^Φ ω Φ^)』ひゃい!申し訳ありましぇん!ナナキしゃま!」
「負けるんじゃないよ。神使さん」
ナナキのドスの利いた声にレディ・アントワネットはピシッ!と気をつけし、謝罪する。
ラドンナは思わず突っ込む。それに周りも同意するように頷く。
レディ・アントワネットはしょぼんとする。
「あぁ……ナナキ様に怒られてしまいましたわぁ。くすん。……PvP……始めですわぁ」
『おい』
両人差し指をちょんちょんしながら涙目で落ち込み、沈んだ声で投げやりに開始の合図をするレディ・アントワネット。それに周囲の野次馬も突っ込みの声を上げる。
しかし、ナナキとナティはお構いなしに動き始める。
シャキン!
「「ニャーーーーーー!!ฅ(^Φ Α Φ^ )ฅ」
ナナキとナティは両腕を交えて、爪を研ぎらせると両腕を上げて吠える。その動きは完全にシンクロしている。
「舐めんじゃねぇぞぉわぁ!?」
「「はぁ!?」」
ウォーリアの男は剣と盾を構えた瞬間、足元に落とし穴が生まれて落ちる。
それにキャスターとシーフの男は目を見開いて驚く。
「やっぱり【ピット・フォール】は鬼畜だねぇ」
「簡単に出られないもんね」
「始めたばっかならまず無理だぞ!」
「そうだな」
ドピュン!とナナキは刀を抜きながら走り出す。その速さにシーフの男は目を見開いて固まる。
「はぁ!?は、速っ!?」
慌ててナイフを構えるが、その時にはすでにナナキはシーフの足元にいた。
「ひぃ!?」
「瞬地ニャ剣流……【猫跳閃】!!」
「ぎゃああああ!」
ナナキは全力で跳び上がりながら、打ち上げるように刀を振るう。
シーフの男は打ち上げられながら斬られ、血を噴き上げながら消滅する。
「こ、この野郎!『燃やせ!』【ファイヤー・ボール】!」
「【スイッチ】!」
「はぁ!?」
キャスターの男がナナキに向かって魔法を放つが、一瞬でナナキがナティの傍に移動して躱される。
そして再び走り出すナナキ。
「く、来るなぁ!『斬り裂け!』」
「にゃあ!」
「【スイッチ】!にゃ!【スナッチ】!」
「【ウィンドってはぁ!?」
キャスターの男が慌ててナナキに魔法を放とうとすると、ナナキが男に向かって何かを投げつける。それは男の近くに落ちる。それを無視して魔法を撃とうとするが、何かが落ちた所にナティが現れて、男の杖に触れる。
すると杖が男の手から消えて、魔法がキャンセルされる。
それに驚く男。ナティを見ると、ナティの腕の中に男の杖が抱えられていた。
ナティはそれをウォーリアの男がいる穴にポイッ!と投げ捨てる。
「にゃ!」
「あ!て、てめぇ!」
「にゃああ!!」
「げぇ!」
そこにナナキも到着する。
男はナナキに向き直るが、そこにナティが顔に向かって飛び掛かってきた。
「【爪技《連》】!にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!」
「いででででで!?」
ナティは男の顔を思いっきり引っ掻く。
男は慌てて顔を背けるが、何故かナティはそれを追いかけてきた。
「な!……なん…で!いでで!追いかけ!」
男の身長の半分以下のナティが何故ずっと顔を引っ掻き続けられるのか。それも追いかけてくる。男は腕で顔を庇いながら、下を見る。
「(^Φ ω Φ^)」
「ひぃ!?」
ナティの真下に男を見つめる猫がいた。瞳が鋭く、わずかに笑っており、開いている口からは牙が見えた。
男はそれに顔を引きつかせる。
それを遠目で見ていたラドンナ達も顔を引きつかせながら2人の戦いを見ていた。
「いつの間にあんな戦い方を……」
「……勢いじゃない?」
「それであんな連携出来るんだぁ……」
引っ掻かれている男はよく分からないだろうし、猫2匹は大真面目なのだろうが、離れてみると非常に滑稽な姿だった。
ナティはただナナキに肩車をされているだけだった。男が顔を背けると、ナナキが物凄い速さで追いかけ、再びナティが爪を振るう。
それだけだった。
「ナナキの敏捷が半端ないから厄介だねぇ」
「それ以前にキレたお兄さんはしつこいからなぁ」
「ナティもね。あぁ……だからこそ出来るコンビネーションなのね」
「……凄いですにゃあ」
「……あたし、デカくて良かったよ」
「俺もだ」
「まぁ、あの猫夫婦もそうだけど……」
ニナはレディ・アントワネットを見る。
「そこですわ!もっと抉って!あぁん!」
レディ・アントワネットは白熱してシャドーボクシングのような動きをしながら、明らかにナナキ達を応援していた。
それをマオ達もジト目で見ていた。
「いいの?あれ」
「……まぁ、後ろの男は公平に見ているだろう……と思いたいが……」
「日傘持ってるのに?」
「神使にすらファンがいるんだねぇ」
「……にゃんか怖いですにゃ」
「あ。キャスターが死んだ」
「顔だけ引っ掻かれたで死に戻るって嫌だねぇ」
顔を引っ掻かれ続けただけで死に戻るキャスターの男。
ちょっとだけ哀れだった。
残ったのは穴に落ちているウォーリアの男だけ。
ナナキとナティは穴を覗き込む。
「こ、この野郎!出しやがれ!卑怯だぞ!」
「にゃ?猫にゃんかに負けにゃいんじゃにゃかったのかにゃ?」
「にゃ?猫にゃんかが作ったあにゃから自力で出られにゃいですにゃ?」
「「(^Φ m Φ〃^)ぷぷっ!ダサイですにゃ~」」
「て、てめぇらぁ……!」
完全に言いたい放題の猫2匹。その言葉にウォーリアの男は目を血走らせて、2人を睨む。
「にゃあ。審判さん」
「はい!何でございましょう?ナナキ様!」
「PvP中は周りの人にスキルの影響は出ますかにゃ?」
「大丈夫でございます!ご存分に!」
「ありがとうございますにゃ」
「あぁん!ナナキ様にお礼を言われちゃいましたわぁ!」
「本当に大丈夫か?あの審判」
自分を抱きしめながらクネクネするレディ・アントワネット。それに誰かが突っ込むが、全く聞こえていないようだった。
「ニャティ」
「はいにゃ」
ナナキに呼ばれたナティは耳を塞ぐ。
それに周囲は首を傾げると、
「フニャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン」
穴に向かってナナキが変に間延びした鳴き声を上げる。
それにズコォ!と周りがズッコケる。
「あ、あれが噂の?」
「多分ね……」
「あんなに間抜けな声なのかい?」
「……あれは私も出せるのですかにゃ?」
「レベルが上がれば出せるみたい」
「……にゃあ」
「無理に使わなくていいと思うよ?」
穴にいた男は力が抜けて、武器を落として倒れ込んでしまう。
「ち……ちひゃらが……ぬへるぅ?」
鳴き終わるとナナキもグデェっと座り込む。
ナティがナナキに触れ、次に足元に転がっている石ころを掴む。そして、チョコチョコと走って穴から離れる。
「ナナキも影響受けるんだっけ?」
「そう聞いてるな」
「ナティは何してるんだい?」
「さぁ?」
ある程度離れると、
「【スイッチ】!」
石ころを横に転がしてスキルを使用するナティ。すると、ナナキがポン!と現れた。
「あぁ。【スイッチ】は他の人にも使えるんだったね」
「でも、離れてどうするんだい?」
すると、穴の真上に巨大な盾が現れる。
「ウワァオ!?ビッグ!」
「まさか……」
「エグイ……ですにゃあ」
チルッチが目を見開いて見上げ、マオと抱っこされてるナウラは一緒に顔を引きつかせる。
巨大な盾が輝き出す。
それを穴の底で男は何も出来ずに見上げるだけだった。
「なんひゃ?ひゃにをしゅりゅひだぁ?や……やめへぇ……」
「【ビッグシールド・レーザー】!」
「ひゃ、ひゃあああああああ!?」
チュドオオオオォン!!
巨大な光線が盾から放たれて、穴の周囲の地面ごと吹き飛ばす。
もちろん、男は跡形もなく吹き飛んでいる。
出来上がったクレーターに、レディ・アントワネットや周囲の野次馬達も顔を引きつかせて、クレーターを見て、2人を見る。
「「にゃっふ~(=^Φ ω Φ^=)」」
2人はどこか誇らしげに、そして満足感を顔に浮かべて前を向いていた。
『こ……怖い……!怒らせないようにしよう!』
全員の思いが一致する。
「しょ、しょ、しょ、勝者!な、ナナキ様チームで御座いますわ!」
若干震えながら勝者宣言するレディ・アントワネット。流石に怖かったようだ。
勝者宣言と同時に地面が元に戻る。
やってやったぜ!
しかし、しばらく起き上がれないなぁと思ったら、体が軽くなったのを感じた。
「にゃ?」
「大丈夫ですにゃ?」
腕をぐるぐる回すと、いつも通りの感じだった。立ち上がると、特に問題なく動けた。
PvPだと終わると、スキル効果は消えるのか。
「お見事で御座いましたわ!ナナキ様!ナティ様!……怖かったですけど」
「「にゃ!?」」
審判さんが物凄く鼻息荒く、近寄ってきた。
おぉう!?
「大会も楽しみにしておりますわ♪では、失礼いたしますわ」
ペコリと頭を下げると、ピュン!と消える審判さん。
……なんだったのだろう?
そこにラドンナ達が近寄ってきた。
なんでナウラはマオに抱っこされてるの?いつの間に?
「2人が暴れると思ったから避難させてたの」
マオがジト目で僕に突っ込んでくる。
失礼な!そんなに酷いことしてないぞ!
「怖かったですにゃ」
「「ごめんにゃさいにゃ」」
速攻で謝る僕とナティ。
マオはナウラを降ろす。
「まぁ、あれだよね?ナウラも馬鹿にされたから、あそこまでキレてたよね?」
「ナティもそうね」
「……にゃあ?」
「「にゃあ?」」
何のことでしょう?
まぁ、確かにナウラも馬鹿にされて、かなりイラっとしたけどね。
「……ありがとうございますにゃ」
「「にゃ!」」
「まぁ、一番馬鹿なのはあいつらだけどね」
「今後住民達に酷い目に合わされないと良いねぇ」
「そうだな」
いいや!あいつらには苦しんでもらおう!
「にゃ~~」
「何唸ってるんだい?」
「あいつらがもっと苦しむようにと」
「やめな。十分怖い目にはあったよ」
「にゃあ」
ちぇっ!
あ。ナウラはしばらく出かけるときは気を付けてね?クランの誰かと行くんだよ?
「分かってますにゃ」
「まぁ、住民さん達も目を光らせてくれてるしね」
『あたぼうよ!!奴らは許さねぇ!!』
マオの言葉に周りの店の親父さん達が頷く。奥様陣も頷いている。
おぉう。すげぇな。ありがとうございます!
この日を境にエアストの街には【小さい猫を怒らせてはいけない】という暗黙の了解が広がったのであった。
ありがとうございましたにゃ(=^Φ Φ^=)




