#69 告知とプレゼント
台風怖かった( ;∀;)
皆様は大丈夫でしたか?
よろしくお願いします。
ツヴァートに着いて数日。
僕達はエアストとツヴァートを行ったり来たりしていた。
「行ってきますにゃ!」
「にゃ。お迎え行くにゃ!」
「はいにゃ!」
ナティは僕の刀を打ってくれるために、修行先の工房に通っている。なんでも満足する物を作りたいから、もうちょっと練習してくれるらしい。
嬉しすぎて鼻血が出そう!
僕はタマ師匠達と修行をしたり、ツヴァートの街中で簡単な依頼を受けている。
今はナティを工房まで送って、サバスさんの店に来ている。
「ふむ。なるほど。それならば3日ほどで出来るでしょう」
「お願いしますにゃ。でも、大丈夫にゃんですか?予約で埋まってるって聞きましたにゃ」
サバスさんにある依頼をする。
それをサバスさんは快く引き受けてくれたが、依頼がいっぱい来てるって聞いたよ?
「確かに予約待ちにしてますが、それは私達がやりたいことに時間を割いているからですな。予約ばかり引き受けると飽きますし、修行も出来ませんから」
「にゃるほど。でも、僕達も依頼ですにゃ?」
「ナナキさん達の装備は普通の依頼とは違って、工夫が多く必要ですからね。修行や気分転換にはちょうどいいのですよ」
手間がかかることがちょうどいいと。
まぁ、単調な作業よりは集中出来るのかな?
「そういえば、かたにゃの柄ってサバスさんですにゃ?」
「私の時もありますね。カラナが自分で仕上げることもあれば、他の職人に任せることもあります。その話をすると言うことは【侍】になったのですか?」
「正確には【ニャムライ】ですにゃ」
「……と言うことは普通の柄ではダメなんでしょうね」
「にゃ。この剣やニャイフと同じ加工がいりますにゃ」
駄目だと思われます。ジュウベ師匠の刀も柄が違うからね。ナティはそれも含めて頑張っているようだ。
「なるほど」
「ニャティが頑張って作ってくれてるんですが、柄の装飾は流石に出来にゃいですにゃ」
「ふむ……柄が出来たら見せて頂けますか?それで私か、他の職人がいいか決めましょう」
「ありがとうですにゃ!」
「構いませんよ。あぁ、それと……」
「にゃ?」
「こちらを」
帰ろうとすると、サバスさんが何かを手渡してきた。受け取ると、それはキーホルダーのような物で、円の中にハットを被った三毛猫っぽいのとロザリオを首にかけたペルシャ猫っぽいのが寄り添っている。
え?これって。
「エアストにいたプレイヤー、NPCに関わらず、お2人の姿をロゴやキーホルダーにして欲しいとの依頼が多すぎまして。本来はお2人の許可がいるのでしょうが、クラン【眠猫庵】からも依頼がありましたので、お作りしました。流石に売るのはお2人に知らせてからでないとと思いまして」
「にゃ!?」
キーホルダー!?しかも住人の皆様まで!?
それにクランの皆も何してん。依頼したって。
あれ?クランリーダーって僕だよね?形とはいえ。メンバーよ、君達から言うべきではないかね?
「まぁ、クランはいつかロゴ作るってはにゃしはあったからいいけどにゃあ」
「流石に看板やロゴはクランのみ。他の方々はキーホルダーや服のイラストでと言う話になってます。商売などでは使えないと言うことも決まってます」
話がデカすぎるで。猫2匹に何を求めてるんや。
「……まぁ、白蓮さんが主体だと思うので、白蓮さんが文句言わにゃいにゃらいいですにゃ」
「ありがとうございます。利益の3割は【眠猫庵】に入る事になってますので。販売も私達【シャンバラ】のみとなってます。ちゃんと裏にシャンバラのマークが浮かび上がる様になってますので、そう簡単に偽物はでないでしょう」
もう怖いよ。3割が高いのか低いのかは分からないけど。僕達は今、どのような立ち位置なの?
「マスコットですな」
あぁ。姉さんも言ってたな。マスコットカップルって。
……いいや。もう諦めよう!
「もう、後は色々よろしくお願いしますにゃ」
「分かりました」
サバスさんの店を後にして、ナラルスさんの宿にお邪魔する。
そしてサンドイッチを頂きながら、マスコットの話をする。
「私達もキーホルダー依頼してるわよん」
「……」
パクっと齧り付いたところで固まる僕。
「諦めた方がいいねぇ。多分近いうちにツヴァートでも同じ事が起こるよ」
「そうねん。ナーマからも手紙でキーホルダー送れって催促来てるわよん」
「……」
モニュモニュと食べながら無の心でサンドイッチを味わう。
ナーマさん……何してん。
話題を変えよう。
「お2人ってお子さんはニャーマさんだけですかにゃ?」
「後3人だねぇ。1人は第3の街【ドリト】にいるよ。他の2人は故郷にいるねぇ」
「3人とも宿を?」
「ドリトにいるのと1人はそうねん。末っ子は自衛団団長してるわん」
子沢山ですな!?いや、長寿だからそんなもん?分からん。
「シィニャさんは」
「言わないでおく方がいいねぇ」
「了解しましたにゃ」
地雷踏まない。絶対。
そこにインフォメーションが届く。
なんじゃい。
開くと『ツヴァートでの闘技大会とそれに伴うアップデートについて』だった。
そう言えばツヴァートって闘技場があったな。プレイヤーはまだ参加できなかったみたいだけど、これを機にってことかな?
アップデートは闘技大会についてと『おしゃれ機能』追加だそうだ。
簡単に言えば、装備の見た目が気に入れなければ、見た目だけ変えられますよ!というものだ。
ふむ。これを使えば、ブーツやハットは身に着けたまま色々とおしゃれが出来ると。
ちょっと嬉しいかも。
「ツヴァートの闘技大会って有名ですかにゃ?」
「そうだねぇ。かなり有名だねぇ。各地方の第2の街で毎年行われているよ。各地方の猛者や他国の冒険者も来たりするからねぇ」
「今年は出場者多そうねん。予選会とかあるんじゃないのん?」
「その可能性は高いねぇ」
「……タマ師匠は」
「出れないと思うねぇ。大分昔に10連覇して出禁になってるはずだよ」
流石っす。タマ師匠。ちょっと安心した。
タマ師匠が出るなら僕はもう諦めるよ。絶対勝てねぇもん。
いや他の師匠達にも勝てないけどさ。
「今年は面白そうだねぇ」
「多分エマ達は応援で呼ばれるんじゃないのん?」
「あぁ~……その可能性はあるねぇ」
まぁ、人で溢れそうだもんね。
ちょっと気合入れないとな!修行頑張ろう!
お昼ご飯も食べて、ちょっとまったり。
せっかくなのでステータスオープン。
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名前:ナナキ
性別:雄
種族:ケット・シー(妖精族)Lv35
メイン職業:ニャムライLv3(フェンニャ―Lv30)
サブ職業:占い師Lv29
称号:愛され過ぎなスケコマシ猫
生命力:D
魔力:A
筋力:D
防御力:E-
精神力:B+
知力:B+
器用さ:D+
敏捷力:A
幸運:A+
・スキル(パッシブ)
ケット・シーの性
敏捷強化:Lv10(MAX)
CTR強化:Lv11
危機感知:Lv12
方向感覚強化:Lv11
魔力強化:Lv10(MAX)
知力強化:Lv10(MAX)
見切り:Lv1 New!
闇視
キャットステップ
・スキル(アクティブ)
剣術:レイピアLv25、ナイフLv19 刀Lv1
占術:Lv22
魔法:妖精魔法Lv30
トリック:Lv30
爪技:Lv30
鑑定:Lv14
ニャニャニャ
ニャラン
・ユニークスキル
妖精族の加護
女神?????の加護
女神ルナマリアの加護
女神プレイグの加護
猫の呪い
金目銀目
愛弟子
ケット・シーの加護
愛し合うもの
竜の友
迷宮の攻略者
王を倒した者
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生命力、筋力、器用さがちょっと上がった。
その他はそこまで変化なし。
【ニャムライ】
ケット・シーが侍を志して誕生した。手の構造のため、小太刀と脇差しか持つことが出来ない。
*太刀・薙刀装備不可
太刀は長さと重さかな?薙刀は長柄で両手持ちになるからかな?
薙刀は使ってみたかったけどなぁ。
でも、じゃあ【ニャンサー】はどうなるんだ?
教えてエリマさん!
「ん?【ニャンサー】かい?ん~……確か短槍を投げることがメインだったかねぇ?」
「そうねん。あんまり直接戦闘はしてなかったわん。長柄持ちは出来ないわけではないけど、振り回せないみたいよん?」
「にゃるほど」
投擲専門になっちゃうのか。ってことは【ニャーチャー】もボウガン専門とかになりそうだな。
他の皆に憧れて転職すると大変なことになりそうだなぁ。
う~ん……魔法攻撃職がなぁ。いつか選択すべきかな?
後日。
アップデートも終わり、本日から『おしゃれ機能』が追加された。
闘技大会はGWの土曜日。現実だと後10日。ゲーム内だとかなり時間はある。
明日はクラン・ホームが完成するらしい。ちょっと楽しみ!
僕はナティを修行場に迎えに来た。
結構気合入れて時間をかけて作ってくれてる。嬉しいですね!
何回か試作を渡されてバランス調整や長さの調整をしている。
「ニャニャキ!カタニャが出来ましたにゃ!」
ナティが布に包まれた刀を抱えて駆け寄ってくる。
おぉ!いよいよです!
ナティの後ろからフォンフォ親方とサバスさんも付いてくる。
「かなり頑張ってたからね。出来は保証するさね」
「ですな。カラナにも負けないでしょう」
2人も太鼓判をくれる。
それはすごい!
「見てもいいかにゃ?」
「はいにゃ!」
僕はナティから包みを丁寧に受け取り、近くのテーブルの上にそっと置く。包みを開くと青紫の鞘に納められた小太刀だった。鍔口近くには肉球のマークが描いてある。
柄は両手でも握れるようになっていて、柄は凸凹しており指がフィットするようになっている。そこにナックル・ガードを付けることで、すっぽ抜けるのを防ぐ作りになっている。
僕はゆっくりと刀を抜くと、綺麗に輝く刀身が現れる。抜き切ると綺麗な波紋が浮かぶ刀が現れる。
長さは65cmほど。両手で構えて、軽く振る。
バランスも問題ないし、柄もしっくりくる。
最高の刀ではないですか。本当にナティは凄いよ。
「にゃあ~……凄く綺麗でかっこいいにゃ」
「にゃあ」
ナティは頬を薄っすらと赤くして笑顔で僕を見ている。
僕は鞘に納めて刀を抱える。
「ありがとうにゃ!ニャティ!頑張って強くにゃるにゃ!」
「にゃ!」
この刀に相応しくならないと!
「手入れならナティ1人で出来るからね。安心しな」
「はいにゃ!」
「さて、では行きましょうか」
「「にゃ?」」
サバスさんが急に促してくる。
ん?何かあったっけ?
ナティの知らないようで2人で首を傾げる。
「まぁ、行けば分かりますよ」
サバスさんはにっこりと笑って、先導する。
僕達は首を傾げながらも付いていく。
向かった先はレベレッドさんのお店だった。
「ふっ。よく来たね。子猫ちゃん達。完璧に仕上がっているよ」
「「にゃ?」」
え?なんか服なんて依頼したっけ?
「ふふっ。では、お楽しみと行こうかな?」
レベレッドさんは教えてくれずに微笑む。
え?本当に何?
僕達は訳も分からず、レベレッドさんに連れられて試着室に別々に入れられる。
僕には店員の女性が付いた。
「はい。こちらになります」
「にゃ?これって……和服?」
「はい」
店員さんが持ってきたのは和服だった。
「『おしゃれ機能』が追加されましたので。侍になったということなので、せっかくならば服も合わしてみてはということです♪」
笑顔で説明してくれる店員さん。プレイヤーだったようだ。
なるほど。理由は分かったけど。
「でも、依頼してにゃいですにゃ?」
「それについては後程ご説明があるかと。まずは着てみてくださいませ」
「にゃ~……分かりましたにゃ」
少し迷うけど、逃げれそうにないので受け取る。一度ポーチに仕舞い、装備欄を開く。【おしゃれ装備】のスロットがあるので、そこにもらった和服セットをセットする。
そして服が変わる。
「おぉ~!」
「お似合いですよ!」
上は白を基調にした和服。肩から袖口にかけて水色のラインが走り、両胸と背中に水色で肉球とハットのマークが刺繡されている。袴は青色。右脚の裾に同じく肉球とハットの白色のマークがある。
そしてハットが黒基調で、縁が水色の笠になった。
おぉ!かっこいい!
店員さんもクネクネと悶えながら褒めてくれる。ちょっと怖い。
「刀はお持ちですか?」
サッ!と店員さんは営業スマイルに変えて、質問してくる。
その変わりようが怖いです!
「持ってますにゃ」
僕は小太刀を取り出す。
ついでに細剣をポーチに仕舞う。
「ちょっと失礼いたしますね」
「にゃ?」
「腰に吊れるように紐を付けさせていただきます」
紫の紐を2本取り出して、鞘に結ぶ店員さん。
おぉ。ありがたいかも。
「はい。これで装備してみてください」
「はいにゃ」
言われた通りに装備欄に小太刀をセットする。
すると、小太刀が腰に吊られた形で現れる。
おぉ!
「素晴らしいです!立派な猫侍様ですよ!」
「ありがとうございますにゃ!」
「さぁ!そのお姿を奥様に!」
店員さんは拍手をして褒めてくれる。そして試着室の扉を開けて、ナティに見せるように勧める。
これはぜひ見てもらいたい!
試着室を出ると、ナティも出てきた。
ナティの姿を見た瞬間、僕は目を見開いて固まる。
「ど、どうですかにゃ?ニャニャキ?」
ナティは巫女服姿になっていた。
上は僕と同じデザインだが、ラインやマークの色が赤。下はピンクの袴だ。黄色の帯を使っており、所々に赤の肉球マークがある。
「すごく……すごく似合ってるにゃ!」
「にゃ、にゃあ~。ニャニャキもかっこいいですにゃ!」
それしか言えなかった。素晴らしすぎる。言葉に出来ない美しさ!
ナティは真っ赤な頬に手を当てて嬉しそうに笑い、僕の姿も褒めてくれる。
「うんうん。これは素晴らしいじゃないか。頑張ってよかったよ」
レベレッドさんも僕達を見て、満足そうに頷いてくれる。それにサバスさんや他の店員さん達も頷いてくれる。
「でも、これはにゃんで?」
「これは【シャンバラ】からの謝礼ですよ」
「謝礼?」
「えぇ。例のお2人のロゴやキーホルダー。クランのご依頼があったとはいえ、やはりご本人達に事後承諾でしたから。お詫びですよ」
それにレベレッドさんも頷く。
でも、僕達のクランにも利益が入るんでしょ?
「それはそれです。私達はあなた方に直接何か謝礼がしたかったのです」
「それで衣装を、というわけだね」
「ぜひ、そのままお受け取りください」
いいのだろうか?
ナティを見ると、僕に任せる的な視線を向けてくる。
……このナティの姿は捨てがたい!
「分かりましたにゃ。ありがたく着させてもらいますにゃ!」
「にゃあ!」
「それはよかった」
「ありがとうございます。それとナナキさん」
「にゃ?」
「これを」
サバスさんが箱を取り出して渡してくれる。
これって……。
「ご依頼のものです。せっかくですので」
「ありがとうございますにゃ!」
僕はお礼を言い、ナティに向く。
「にゃ?」
「はいにゃ。ニャティ。プレゼントだにゃ」
「にゃ!?」
ナティは目を見開いて、僕が差し出す箱を見る。
「いいですにゃ?」
「もちろんにゃ!ブーツにハット、カタニャと貰ったのに、僕は手袋にエプロンだけにゃ。ちゃんと普段から身に付けられるものをあげたかったにゃ」
「ニャニャキ……ありがとうにゃ!」
「にゃ!」
ナティは僕の言葉に笑顔で受け取ってくれる。
そして箱を丁寧に開けると、
「ブローチ?」
ピンク色の4枚の花弁の花を模した装飾品だった。留め具を見るとピンではなくクリップになっている。
「これはブローチにもにゃるし、イヤリング?イヤーカフの方がいいのかにゃ?ににゃるにゃ」
「にゃあ?」
「失礼するよ。子猫ちゃん」
僕の説明にナティは少し首を傾げる。そこにレベレッドさんが近寄ってきて、プレゼントを手に取る。
「じっとしてておくれ」
それをナティの右耳の根元に装着してくれる。
「ふむ。こんな感じかな?はい。子猫ちゃん」
「にゃ?っ!?……にゃあ~」
レベレッドさんは着け終わるとナティに鏡を見せる。
ナティはそれを見て目を見開いて、ポォ~っと鏡を見つめる。
ナティの右耳元にピンクの花が咲いた。
「綺麗ですにゃ……」
「それは『カランコエ』っていう花だにゃ」
「カランコエ……?」
「にゃ。はにゃ言葉は『幸福を告げる』『たくさんの小さな思い出』『あなたを守る』だにゃ」
「にゃあ~……」
ナティは僕の話を聞いて、もう一度鏡を見る。
目が少し潤んでいるように見える。
そこにサバスが声を掛ける。
「それは耳だけでなく、帯などにも着けることが出来ます。ただ……私が見る限りでは、そのままの方が輝いている様に見えますよ」
「そうだね」
レベレッドさんや他の店員さん達もサバスさんの言葉に同意してくれる。
僕もそう思う!もう女神様だ!
「装備欄に登録しておけば、装飾品は壊れないよ」
「はいにゃ!ニャニャキ、ニャニャキ!ありがとうにゃ!大事にするにゃ!ずっと着けておくにゃ!」
「にゃあ」
ナティは花のような笑顔で僕に言う。
これで少しはお返し出来たかな?
でも、まだまだ。
僕がナティに貰ったものは、花1つじゃ足りないんだ。
だから、君を守って、たくさんの小さな思い出を花畑のように咲かせて、君といることが何よりの幸福だと告げ続けよう。
今はそれが僕の精一杯だから。
ありがとうございました。




