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#39 防衛せよ!

よろしくお願いします。

 ついに侵攻が始まった。

 神殿にも多くの魔獣が降り立った。

 ちょっと多くない!?


「来たよ!」

「飛んでるのが多いねぇ!」

「よっしゃあ!来いやぁ!!【タウンティング・ハウル】!!」


 ディノが吼える。

 注意を引き、少しでも神殿から引き離す。

 白蓮、アガタ、オグマも続く。


「注意を引きますわ!【刀響】!」

「「【発気法】!」」


 刀を響かせて、闘気を体から飛ばし、敵を挑発する。

 魔獣達が白蓮達に襲い掛かる。

 僕もチョコチョコと動き回り、魔獣の動きを阻害する。


「【フリップ】!【フロート】!」


 1体をひっくり返し、その隣の1体を浮かべる。

 その隙をファナやニナが倒していく。

 横から魔獣が僕に体当たりしてくる。


「【スナップ】!」


パァン! 


 魔獣の目の前で両手を叩く。

 その音に魔獣は驚き、動きを止めてしまう。

 トリック【スナップ】、『猫だまし』である。

 そこを蘭羅が斬る。


「さすが」

「どうもにゃ!」

 

 ラドンナや後衛陣は空の魔獣を狙っていく。


「多いねぇ!!【バースト・アロー】!」

「全くだわね!空を駆け巡りて敵を討て!【シルフ】!」

「『ピピピピー!』【サンダー・レイン】!」


 放たれた矢が弾けて、魔獣達の翼を破って落とす。

 風の精霊が魔獣を切り刻み、雷が降り落ちて焼き焦がす。

 ナティやリュリィ、シェーンは回復しながら壁を作り、魔獣を神殿に近づかせないように頑張っている。


「ちょっと厳しいですよ!?」

「数が多いし、この神殿は守りに向いてないわ!」

「カバーしきれにゃいですにゃ!!」


 しかし、神殿は周囲に障害物がないため、360度守らなければならない。

 大きい建物を守るには、この人数は厳しい。


 そこに不運が訪れる。


『ほう。中々頑張っておるようじゃのう』

「「「!?」」」


 空から声が響く。

 上を見上げると、そこには青い馬にまたがる老騎士がいた。

 長い髭を蓄えており、左手には槍を持っている。


「……まぁ、味方じゃないよね?」

『当然だの。我が名はフルカス。魔神に仕える72柱の悪魔の1柱である』

「ソロモン72柱か」

「おぉう。ってことは魔神はソロモン?」

『あんな愚か者と一緒にするでないわ!!』


 フルカスが怒鳴る。

 ソロモンとは袂を別ったようだ。

 じゃあ、魔神って誰だろうか。


 しかし、これはキツイぞ。

 あいつと戦いながら魔獣とも戦うなんて無理だ。


「どうすっかねぇ」

「無理」


 ディノが悩むも、蘭羅はスパッと諦めている。


『なら、死ぬがよい』

「貴様がな」

『っ!ぬごぉ!?』


 フルカスが攻めようとすると、後ろから声がする。

 咄嗟に後ろを向こうとするも、頭に衝撃を感じて吹き飛ばされる。

 

 そこにいたのはバサラさんだった。

 右脚を振り抜いている姿が目に入る。


「バサラ!」

「あいつは俺らがもらうぞ」


 そう言いながらニヤァっと笑い、フルカスが飛んで行った方に駆け出す。

 その後ろから紅玻璃さんや鴉のビーストマンや女ダークエルフ達が付いていく。


「アイヤー!ボス!アタシにも残すヨ!」

「うるさいっす。レイツォン」

「こっちは無視してかまへんえ。おきばりやす~」


 そう言って紅玻璃さん達は去っていく。


「あっちはまかせますわよ!」


 白蓮の声で魔獣達に向き直る僕達。

 フルカスが居なくなっても、厳しいのは変わらない。


「むぅ。力が上手く出せん、のぅ!!」


 アガタが殴りかかる。

 数発殴って、ようやく倒れる。


「ちょっとアガタさん!何チマチマやってますの!?さっさと燃やしてくださいな!」

「じゃから打ち止めじゃと言ったじゃろうに……。お主の案じゃぞ?」

「……あらやだ」


 白蓮はアガタに怒鳴るも、牢獄でやらせたことを思い出す。

 アガタは後6時間は炎を使えない。


 白蓮は仕方ないと、切り替える。


「ならば私がやりますわ!【凍える大地】!」

「ちょっ!まっ!」


 白蓮が気合を入れて、スキルを発動する。

 アガタはそれを横で聞いて慌てる。

 

 白蓮の前の魔獣や地面が広範囲で凍り付く。


「さっ寒!っ!?ちょっ!?」


 アガタは冷気に震えるも、魔獣が空から突撃してくる。

 殴ろうとするも、誰が見てもアガタの動きは遅い。

 アガタは魔獣の体当たりをもろに食らい、後ろに吹き飛ぶ。

 アガタはそのまま神殿の壁を突き破ってしまう。


「アガターーン!?」


 オクリがその魔獣を殴り飛ばす。


「ちょっとアガタさん!?なにボケっとしてるんですの!?」

「いやいや白蓮。弱ってるアガタの横で、その氷はダメっしょ」

「……あらやだ」


 白蓮は怒鳴るもリヴァランに突っ込まれる。

 

 アガタは【イフリーテ】、つまり炎の精霊だ。

 強い水気や冷気の中では、極端に動きが悪くなる。

 普段なら体内の熱気を強めて対応している。

 しかし、今のアガタは炎を使えない。

 だから、白蓮の冷気を浴びてしまったのだ。

 ちなみに、逆も然りでアガタの熱気が強まると、白蓮が弱る。

 正直、『なんで一緒にいるん?』と言えるコンビなのである。

 

「アガタさん!?」


 シェーンがアガタが開けた穴から入り、声を掛ける。

 しかし、アガタは、


「……きゅう~」


 と、完全に目を回して気絶していた。


「だ、ダメです!気絶してます!!」

「ちぃ!」


 ディノが舌打ちする。

 ここで戦力低下はデカイ。

 

 さらに不運は続く。


「ちぇい!!」


 リヴァランが鎌で魔獣を倒していく。

 倒すも倒すも、すぐに突撃してくる。


「ぐぅ!?」


 リヴァランはそれを防ぐ。

 そこに魔獣の尻尾がリヴァランの顔に当たる。


「あっ!?」


 リヴァランの頭が体から離れて、飛んでいく。

 すると、


パクッ!


「え!?」

「あっ」


 蘭羅が飛んできた頭を受けとめようとしていたが、その前に魔獣がリヴァランの頭を咥える。

 そして、そのまま飛び上がる。


「ちょ!?助けてーー!!」


 リヴァランの頭を咥えた魔獣は何故か戦場から離れていく。


「なんでだい!?えぇい!!……ダメだ!他が邪魔する!」

「魔法だと頭ごと吹き飛ばしそうだ!」

「シルフは今、使えないわ!?」


 ラドンナ達はなんとか助けようとするも、他の魔獣が何故か妨害してくる。

 魔獣はどんどん離れていく。


 リヴァランの体は混乱して暴れている。


「あぶね!?」


 敵味方関係なく、鎌が襲ってくる。

 頭がないから見えないのか!?


「【ピット・フォール】!」


 僕がリヴァランの体を穴に落とす。

 体は穴の中で暴れ続けている。

 ホラーだな!?


 一気に2人戦線離脱した。


「もう無理だぞ!?」


 オグマが悲鳴を上げる。

 確かに魔力も厳しくなってきたな。

 どうする!?

 中にはリフォンもいる!

 

「遅くなったぜ!」


 限界を迎えかけた時、フルレッドさんが現れた。

 後ろにはルナイラさんやケーンさんもいる。

 マヤウェルさん達もいる。


「他の島は十分な戦力がいますから大丈夫です!」

「この島に来る装置にも魔獣が襲ってきてて、倒すのに時間かかったわ!ごめんなさい!」


 マヤウェルさんとルナイラさんが戦いながら、状況を伝えてくる。

 そうか。島の装置に手を出していたのか。


「あ。あとこれを」


 マヤウェルさんの仲間が持っていたのは、目を回しているリヴァランの頭だった。


「う~。ぎぼぢわるい~」

「お騒がせ女が」


 ディノの言葉に全員が頷く。

 白蓮が頭を受け取る。


「少し休んでください」

「ある程度回復したら交代してね」


 マヤウェルさん達はそう言って魔獣の群れに突っ込んでいく。


「お言葉に甘えよう。私も矢が尽きたから、魔力がないと矢が討てない」

「アガタとリヴァランも少し休ませないといけませんし」

「アガタンは炎使えないけどね!」

「まだマシ」


 とりあえず休ませてもらおう。

 こいつら倒せば終わりだろうか。


 ……終わってほしいなぁ。





ありがとうございました。


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