#37 監獄の島
ついに10万PVを突破しました!!
沢山の方に読んで頂きありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします!
準備を終えた僕達は地下に降りて、装置を使って最初の島に戻る。
装置は、僕達が竜に連れていかれた場所の真下にあった。
もし、竜に乗れなかったらここまで落ちてたかもしれないのか。
「にゃ~。すごいにゃ」
「あんたらの方がもっとすごいよ」
苦笑しながらラドンナが突っ込む。
頬の傷跡は大分薄れ、ナティとも普通に話せるようになった。
「竜さんはここに1人でいたんですかにゃあ?」
ナティが周りを見て、寂しそうに呟く。
その言葉に僕も周りを見る。
確かに上以外に竜が出れそうなところは無かった。
ずっとここに1人でいたのだろうか。
僕はナティの手を握る。
ナティも握り返し、笑顔を見せる。
そして、外を目指して歩きだした。
監獄がある湖は大きく、対岸が見えなかった。
うっすらと奥に見えるのが、監獄がある島らしい。
岸には小舟が数隻置かれている。
漕いでる時に襲われないよな?
「これを見ると、3日で山に付けたのは結構幸運だったな」
オグマの呟きに同意する僕。
ここの反対側になんか飛ばされれば、山に着くだけでもイベントが終わりそうだ。
舟の準備をしていると、近づいてくる集団がいた。
よく見ると、ニュウ達だった。
「ニュウざぁん!?」
僕が声を掛けようとすると、ニュウが飛び付いて抱き着いてきた。
こんな人だったっけ!?
「やっと見つけた」
ニュウは僕の腹に顔を埋める。
ナティの機嫌が急降下してきて、瞳が鋭くなってきている。
やめて。まだその目の餌食にはなりなくない!
「そろそろ降ろしなよ。奥方の機嫌が下がって怖いんだ」
ラドンナが朝の事を思い出して、顔を青くしながらニュウに声を掛ける。
「分かった」
大人しく僕を降ろす。
ナティが僕に抱き着き、ギュウギュウと力を込めている。
オグマがリリリに声を掛ける。
「ディノとツヴェルトはどうした?」
「死に戻ったのよ。それも2日目に」
リリリは疲れた顔をしていた。
2日目に死に戻りって早いな。
「何個か遺跡を見つけて攻略していたのですけど、そこのボスが自爆技と道連れ技を持ってまして。自爆技にディノが、道連れ技でツヴェルトが死に戻りまして」
「壁と砲台がなくなったから、紙装甲ばっかの私達じゃ助けようにも助けられない。協力者も探したけど、皆協力するなら遺跡を攻略するって言う」
「まぁ、そうじゃろうな」
「だから、遺跡攻略手伝いながらここで誰か来るの待ってた」
シェーンとニュウの説明に状況を理解する一同。
「そっちは誰が死に戻ったの?」
「チルッチだ」
「うちの魔術師全滅だね!」
「だから来たんだよ」
「なるほど」
「では、【眠猫庵】全員で行きましょうか」
舟を漕いで、島に乗り込む。
島には目で見る限り、特に建造物は見当たらなかった。
これ、捜さんとダメ?
「地下にあるんだろうけど。入り口って分かるのかな」
ニナが周りを見て不安そうに言う。
「大丈夫ですわよ。リリリがいますもの」
問題ないと白蓮が言う。
呼ばれたリリリは首を傾げる。
「ノームで地面を探してもらってくださいな」
「あぁ。なるほど」
言われて納得するリリリ。
「入り口を我らに示せ。【ノーム】」
召喚魔法を使うリリリ。
すると、僕達から10m離れた所の地面の一角が盛り上がり、穴をあける。
そこからピョコっと帽子を被った小人が顔を出す。
精霊って便利だな。
大きな階段がそこにはあった。
アガタとオグマ、ニュウを先頭に進んでいく。
中は今までの遺跡と違い、鉄の壁で構成された通路だった。
遺跡ではない?
「なんか、ここだけ様相が大分違うわね」
「遺跡ではないみたいだな」
「死に戻りが集められてますからね。特別エリアなんでしょう」
「今のところ罠はない」
近代風の通路のためか、定番の罠はあまり設置されてなかった。
しばらく歩く。
ガラガラゴンガラ!
何かが転がってくる音がする。
全員が武器を構えると、目の前に鉄の玉が3つ転がってくる。
オグマが吹き飛ばそうとすると、
キュイン!
ギャギャギャギャ!
ガチャンッ!
『はぁ!?』
玉から足のようなものが4本出て、急ブレーキをかける。
次に玉の上部が展開され、そこから【機銃】になった腕が現れる。
急にSFになったよ!?
あ、でもチルッチがいたか。
全員がその光景に固まり、慌てる。
「か、壁を!早く!?」
「り、り、り、【リフレクト・ウォール】!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダっ!!
ナティが壁を作った瞬間、弾丸の雨が叩きつけられる。
雹が降り注いでるみたいだ。
すると、オグマが慌てる。
「ダメだ!鉄のせいで岩が動かせない!」
「あんたってなんでここぞって時にそんなのばっかなんだい!?」
その言葉に僕も魔法を使うも、発動しない。
まさか、下に空間があると発動しないのか!?
「落としあにゃも作れにゃいにゃ!この下にも通路があるみたいにゃ!」
「変な制限が多い連中ばっかり!」
「これはマジでスマンのぅ」
「アガタもかい!?」
「燃やすと鉄が溶けたり、引火しそうでのぅ」
『あぁ……』
ナティ、シェーン、オクリが交代しながら壁を展開する。
「どうする?」
「リリリさん。精霊で妨害できません?」
「う~ん。やってみる。ウンディーネで行ってみるわ」
リリリが前に出る。
「敵を押し流せ!【ウンディーネ】!」
壁の向こうに水の乙女が現れ、通路を覆うほどの水を生み出す。
マシーンは押し流されないように、身を低くする。
「今ですわ!!」
ニュウが飛び出す。
すると、ニュウを追い越していく影がある。
ナナキである。
「……え?」
ニュウは目を見開く。
僕は【立体機動】のスキルで壁や天井を縦横無尽に走る。
そうして、一番奥のマシーンに迫る。
「【フリップ】!【スリップ】!【爪技《衝》】!」
マシーンはひっくり返り、思いっきり殴り飛ばす。
マシーンは滑り続け、前にいたマシーン達を当たり飛ばしながら滑り続ける。
それをオグマが叩き潰す。
他のマシーンはニュウが1体蹴り壊し、白蓮が氷を吹いて凍らせる。
「あれ、なに?」
ニュウが僕に詰め寄る。
顔近いです!
僕は壁に追い詰められる。
「あれ、なに?」
再び問うてくるニュウ。
目が怖いです!
「こ、このブーツのおかげにゃ。敏捷が上がって、【立体機動】が手に入ったにゃ」
「………グスっ」
「にゃっ!?にゃ!?」
突然ニュウが泣き始めた。
なんで!?どうしたの!?
猫君に言ってごらん!?
僕はもちろん周りも慌てる。
リリリ達はなんとなく分かってるのか苦笑している。
「このチームでは唯一の斥候タイプだからね。【立体機動】も取れるように頑張ってたし。罠発見も鑑定で出来てるし、ニュウのお株ほとんど持って行ったわね」
リリリの説明に全員が納得する。
まぁ、あの動きはアサシンだよね。
でも、この靴はナティがくれたものだしな。
ニュウは壁に向かって蹲っている。
シェーンが背中をさすって慰めている。
「けど、ナナキにあの動きするなっていうのもねぇ」
「まぁ、ナナキ様は決め技がありませんからね。ナナキ様を囮にニュウさんが隙を突くって方法が一番でしょう。それこそ斥候の花形ですわ」
その言葉にニュウのたれ耳がぴくッと動く。
「そうだにゃ。ニュウさんが決めてくれるって分かってるから僕も前に出れるにゃ」
ぴくぴくッて動くたれ耳。
どうやら、褒められて喜んでいるようだ。
その後も褒めちぎり、回復するニュウ。
もしかして、ニュウって僕より年下かもしれない。
そう僕は考えていた。
その後も歩いてはマシーンが襲ってくる。
僕とニュウが動き回って、隙を突くという方法を繰り返していく。
部屋を探索するも、全くアイテムなどはなかった。
「完全に牢獄だねぇ。囚人を助ける以外は旨味はないってか」
「じゃの」
広間が見えたので、中を覗く。
「……これは、厳しくない?」
ニナが冷や汗を流しながら呟く。
広間の奥には格子がある。
その奥は階段が見える。
しかし、格子の前には5mほどのロボットがいた。
さらに左右には先ほどと同じマシーンが10体ずつ並んでいた。
あれを倒さないと進めないか。
「オグマ。スキルは?」
「……無理だ」
「落としあにゃはいけるにゃ」
「この広さなら儂も燃やしても大丈夫じゃろう」
「……なら、少し試してみましょうか」
白蓮が考えながら呟く。
白蓮の作戦を採用し、準備を始める。
「いくわよ!水で溢れさせよ!【ウンディーネ】!」
広場を大量の水が広がっていく。
「続けていきますわ!【凍える大地】!!」
一気に冷気が広がり、水を凍らせる。
その上にさらに氷が出来る。
2人が下がると、入れ替わりにアガタが出てくる。
「ゆくぞ!【フレア・ノヴァ】!」
広間の上空に巨大な火の玉が出来る。
それを氷の大地に叩きつけるように、両手を振り下ろすアガタ。
「【ピット・フォール】!」
「「「【リフレクト・ウォール】!」」」
アガタの足元に落とし穴が生まれて、アガタが落ちる。
さらに、僕達がいる通路の入り口に3枚の壁が出来る。
火の玉が氷に接触した瞬間、氷が一気に解けて大爆発が起こる。
水蒸気爆発である。
広間内が爆発で包まれる。
作った壁にも大きくヒビが入る。
爆発が落ち着くと、広間の様子が見えてきた。
天井は大穴が開き、上の階にも穴が開いている。
壁もあちこちに穴が開き、格子は吹き飛んでいる。
巨大ロボットは下半身が吹き飛び、上半身が倒れている。
他のマシーンは跡形もないようだ。
アガタが落とし穴から這い出てくる。
よく無事だったな。
「これは二度とやりたくないのぉ……。何度死ぬかと思ったか」
「お疲れ様でしたにゃ」
「これで儂の炎は品切れじゃからの。白蓮」
「分かってますわ」
アガタの【フレア・ノヴァ】は一度使用すると、12時間炎が使えなくなる。
それだけ火力があるので、爆発もすさまじかった。
巨大ロボットの姿が消える。
すると、ロボットからカードキーがドロップする。
「牢屋の鍵だといいですわね」
「あれが中ボスとかだったら、諦めるしかないねぇ」
「行ってみるにゃ」
僕達は階段を降りる。
「……治まったか?」
「だと思うけど。しかし、すごい爆発音だったね」
「ようやく誰か来たんだろうなぁ」
「僕達も出してくれるといいけどね」
ディノとツヴェルトは爆発音と振動に驚き、しゃがみ込んでいた。
「ノォーーーーウ!!!来ないで!!来ないでーー!!ヘルプミーー!!」
叫び声が響く。
「チルッチの奴。どんな奴と一緒に閉じ込められてんだ?」
「プレイヤーだけではないのかな?」
「そんなところ舐めないでーーー!!いやーー!ヌルヌルするーーー!」
「「………………」」
状況が状況だけに変な妄想をしてしまう2人。
チルッチはここに来てから、ずっと何かに襲われている。
ディノ達の所からは全く見えないし、周りのプレイヤー達も特に反応ないのでどうなっているのか分からない。
「ンノォーーーーウ!!」
チルッチの叫びを聞きながら、助けを待つプレイヤー達だった。
ありがとうございました。




