第98話 五人の力
「みんな!」
俺は叫ぶ。
「手を貸してくれ!」
「もちろん!」
リーゼ。
「任せて!」
エリシア。
「はい!」
セレナ。
「分かった」
アリシア。
「やるぞ」
ノア。
そして。
「ぼくも!」
アクア。
五人の魔力が。
俺へ集まっていく。
「――連結」
アストラ・ゼロが輝く。
炎。
水。
風。
土。
雷。
光。
闇。
精霊。
剣。
翼。
そして。
神核。
すべての力が。
一つになる。
「これが……」
俺は息を呑む。
「みんなの力……」
神喰らいが。
初めて動揺した。
『……その権能』
『まだ存在していたか』
「知ってるのか?」
『当然だ』
『千年前、我を封じた力』
「……!」
『お前と、その仲間たちが使った』
「じゃあ」
俺は笑う。
「今度も同じだ」
『愚かな』
巨大な腕が迫る。
「――行くぞ!」
全員が叫ぶ。
「おおおおお!」
俺たちの力が。
黒い腕を押し返す。
――ドォォォォン!!
王都の空が。
白く染まった。
「まだだ!」
俺はさらに力を込める。
神喰らいの腕が。
少しずつ崩れていく。
『馬鹿な……』
「お前は」
俺は叫ぶ。
「一人だ!」
『……!』
「俺たちは――」
仲間を見る。
「一人じゃない!」
神剣を振る。
「――断絶!」
巨大な腕を。
完全に切り裂いた。
『――――!!』
神喰らいの咆哮が。
世界中へ響く。
裂け目が閉じ始める。
「勝った……?」
セレナが呟く。
だが。
アストラが。
静かに告げる。
《いいえ》
《神喰らいは撤退しただけです》
「……」
《そして》
《第五封印は――》
俺は地下を見る。
黒い結晶が。
完全に消えていた。
「……封印は全部壊れた」
《はい》
「じゃあ……」
空を見る。
赤い瞳は。
もう見えない。
でも。
世界のどこかで。
何かが。
目覚めた気がした。




