第68話 魔王グレイヴとの戦い
「――《魔王拳》!」
巨大な拳圧。
俺は正面から受け止める。
――ドォォォン!!
城壁が揺れる。
「……!」
俺は後ろへ飛ばされた。
「レオン!」
「大丈夫!」
俺は空中で体勢を整える。
「なるほど」
「強いな」
魔王が笑う。
「当然だ」
「私は千年以上、生きている」
「千年……」
「お前のような少年が勝てる相手ではない」
俺は笑った。
「やってみないと分からないだろ」
魔力を上げる。
身体強化。
剣術。
全属性。
そして。
「――アストラ!」
神剣が輝く。
魔王の拳。
俺の剣。
再び衝突する。
――バァァァン!!
衝撃波が王都を駆け抜ける。
リーゼが結界を張る。
「危ない!」
エリシアも精霊を呼ぶ。
セレナは住民を避難させる。
アリシアは父親を見つめていた。
「父上……」
魔王の拳が俺を吹き飛ばす。
だが。
俺は空中で止まった。
「……!」
魔王の目が細くなる。
「まだ立つか」
「これくらいなら」
俺は剣を構える。
「まだまだだよ」
魔王は。
なぜか嬉しそうに笑った。
「なるほど」
「やはり――」
「お前は、あの方の器か」
「……あの方?」
魔王の表情が変わる。
「しまった」
「今のは忘れろ」
「いや」
俺は追及する。
「誰のことだ?」
魔王は答えなかった。
その代わり。
「――今日はここまでだ」
魔王が魔法陣を展開する。
「待て!」
「また会おう」
魔王は消えた。
残された俺たちは。
ただ呆然と空を見上げていた。




