第40話 特別冒険者
「特別冒険者……?」
俺は聞き返した。
国王が頷く。
「通常の冒険者とは違う」
「どんな仕事をするんです?」
「基本的には自由だ」
「……自由?」
「王国から依頼がある場合だけ協力してほしい」
「それならいいです」
俺は即答した。
国王が笑う。
「報酬も出す」
「それもいいです」
「住居も用意する」
「……え?」
「王都に屋敷を一つ」
「いらないです」
「なぜ!?」
国王が本気で驚いた。
「大きな家って掃除が大変そうなので」
「…………」
セレナが吹き出した。
「ふふっ……!」
リーゼも笑う。
エリシアは口元を隠している。
国王は頭を抱えた。
「……本当に変わった少年だ」
結局。
屋敷は断り。
代わりにギルド近くの小さな家を借りることになった。
「これならちょうどいい」
俺は家を見る。
二階建て。
庭付き。
部屋も十分ある。
「気に入った?」
セレナが聞く。
「うん」
「じゃあ……」
セレナが少し恥ずかしそうにする。
「今度、遊びに来てもいい?」
「もちろん」
「……本当?」
「うん」
セレナが笑う。
リーゼが隣から口を挟む。
「私も行くから!」
「え?」
「魔法研究するの!」
エリシアも微笑む。
「私も時々お邪魔しますね」
「みんな来るんだ」
俺は笑った。
――この時の俺は知らなかった。
この小さな家が。
後に。
多くの仲間たちが集まる――
俺たちの拠点になることを。




