第38話 王都への帰還
王都へ戻る途中。
俺たちは久しぶりに普通の旅をしていた。
「やっぱり旅って楽しいな」
「戦いばかりではありませんからね」
エリシアが笑う。
リーゼも隣を歩いている。
「……ねえ」
「ん?」
「学院」
「学院?」
「二年後」
「ああ」
「私たち、本当に一緒に行くのよね?」
「もちろん」
リーゼは少し安心したように笑った。
「ならいい」
アクアが俺の頭の上で跳ねる。
「学校!」
「アクアも?」
「うん!」
「スライムだけど?」
「学校!」
俺は笑った。
「じゃあ、アクアも一緒だな」
「やった!」
そんな旅の途中。
遠くに王都が見えてきた。
「戻ってきたな」
俺は少し嬉しくなった。
だが。
王都の門に近づいた瞬間。
騎士たちが一斉に敬礼した。
「レオン様!」
「……え?」
「王都を救った英雄に敬礼!」
「いやいや、やめて!」
俺は慌てる。
リーゼが笑った。
「有名人ね」
「困る……」
エリシアも笑っている。
「もう諦めた方がいいですよ」
そして。
王城から。
セレナが走ってきた。
「レオン!」
「セレナ?」
「お帰りなさい!」
セレナは俺の前で止まる。
「無事でよかった……」
そして。
俺の手を握った。
「ずっと心配してたの」
「ありがとう」
セレナは嬉しそうに笑う。
その後ろから。
王城の騎士が慌てて走ってきた。
「殿下!」
「どうしたの?」
「国王陛下から緊急命令です」
騎士は俺を見る。
「レオン様を――」
「すぐに王城へお連れするようにとのことです」
俺はため息をついた。
「またか……」




