第33話 古代竜を縛る黒い鎖
「グレイガス!」
古代竜が叫んだ。
『その男を止めろ!』
「分かっている」
グレイガスが手を上げる。
すると。
古代竜の身体に黒い鎖が現れた。
――ジャララララ……!
「……!」
古代竜が苦しそうに呻く。
『グオオオオッ!!』
「やめろ!」
俺が走る。
だが。
グレイガスが立ちはだかる。
「邪魔をするな」
「その竜を苦しめるな」
「これは我らの兵器だ」
「兵器?」
俺は眉をひそめた。
グレイガスが笑う。
「千年前からな」
古代竜が苦しそうに叫ぶ。
『違う……!』
『我は……兵器などではない!』
「黙れ」
黒い鎖がさらに締まる。
俺は怒りを覚えた。
「……お前」
神剣を握る手に力が入る。
「その鎖を外せ」
「断る」
「じゃあ――」
俺は構える。
「力ずくで外す」
グレイガスが笑った。
「来い!」
二人が同時に走った。
――ドォォォン!!
剣と大剣がぶつかる。
炎が爆発する。
山が揺れる。
リーゼが叫ぶ。
「レオン!」
「大丈夫!」
俺はグレイガスを押し返す。
だが。
黒い鎖が俺の足へ飛んできた。
「――!」
避ける。
「これは……」
鎖そのものが意思を持っている。
「面倒だな」
アストラを鎖へ向ける。
「――断絶」
しかし。
「……切れない?」
神剣でも。
黒い鎖を完全には切れなかった。
俺は初めて。
明確に驚いた。
「なるほど」
グレイガスが笑う。
「その鎖は――神の力で作られている」
「神の……?」
「そうだ」
グレイガスが告げる。
「だから貴様の剣でも簡単には切れん」
俺は古代竜を見る。
『少年よ……』
竜が苦しそうに言う。
『我を救うには――』
『この山の地下にある――』
『封印の核を壊せ』




