106/144
第106話 消された七人目
「七人目……?」
俺は呟いた。
リゼリアが青ざめる。
「……そんなはずない」
「知っているのか?」
「知らない」
「でも――」
彼女は頭を押さえた。
「怖い」
「何が?」
「その人の顔を思い出そうとすると……記憶が消える」
アクアが突然叫んだ。
「ボク、知ってる!」
「アクア?」
「七人目は――」
アクアの身体が激しく光る。
「……レオンを殺した」
「!」
「違う!」
リゼリアが叫んだ。
「あなたは殺されたんじゃない!」
「じゃあ、俺はどうして死んだ?」
リゼリアは答えられない。
そのとき。
ネメシスが口を開いた。
『七人目は存在する』
「誰なんだ?」
『それは――』
突然、黒い魔力がネメシスを包んだ。
『まだ教えられない』
「なぜ?」
『時が来ていない』
「ふざけるな!」
俺が剣を握った瞬間。
学院地下に警報が鳴り響いた。
――キィィィン!
『緊急事態』
『学院内に侵入者』
「侵入者?」
ノアが振り返る。
「……誰か来る」
足音が聞こえた。
コツ。
コツ。
コツ。
暗闇から現れたのは――。
黒いローブを着た少女だった。
「……久しぶりですね」
その声を聞いた瞬間。
リリスの姿が頭をよぎる。
「お前は……!」
少女は笑った。
「私はリリスではありません」
「でも――」
赤い瞳が光る。
「彼女の妹です」




