~森の奥へ~
森の奥へと進んだ主人公、その先にはなにがあるのでしょう…?
私はまだよくわからないまま、その風に背中を押されるように歩き出した。
リスと鳥の言葉に従い、私は草原を進んだ。
風は静かで、どこか導かれているような感覚だけがあった。
やがてたどり着いたのは、小さな森の手前にある広場だった。
そこには、思っていた以上に多くの動物が集まっていた。
兎、狐、鹿のような影、見たことのない小さな生き物まで。
誰もが静かに、けれど確かに“こちらを見ている”。
───……来たね
最初に声をかけてきたのは、先ほどのリスではなかった。
少し大きめの狐が、落ち着いた声でそう言った。
───やっぱり珍しい。目覚めたばかりなのに、ここまで来るなんて
私は警戒しながらも、その言葉の意味を探す。
『目覚めたばかりって……私はただ』
言いかけて、止まる。
その“ただ”の続きが、自分でもよくわからなかった。
そのとき、群れの奥から一匹の動物が前に出てきた。
体は猫。
ただの猫に見えるのに、周囲の空気が少し違っていた。
その猫は私をじっと見つめると、ゆっくりと首をかしげた。
───……白いな
低く落ち着いた声が、頭の中に響く。
周囲の動物たちが少しだけ道をあける。
狐がその猫を見て言った。
───この子、たぶん“同類”だよ。連れていく?
“同類”
その言葉に、胸の奥がわずかにざわつく。
黒い猫はゆっくりと一歩近づいてきた。
そして、まるで試すように言った。
───君、魔力の匂いがする。……まだ自覚してない顔だね
私はその言葉の意味を理解できないまま、ただその猫を見つめていた。
周囲の空気が、少しだけ変わる。
狐が静かに言う。
───じゃあ決まりだ。この子会わせようか
黒い猫は、尾を一度だけ揺らした。
───ついて来い
その一言だけを残し、森の奥へと歩き出した。
私は理由もわからないまま、その後を追うことになった。
3話目いかがでしたか?
動物達との会話も慣れてきた感じしますね。
次回は掴みどころのない人物が登場します。




