83話
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
いよいよ、戦いです。
ブックマーク、ページ下部の星タップをお願いします。
先週、スクレイが――今年初めて、水揚げされた。
それは、冬の到来を意味する。
その日を境に、村は――厳戒態勢に入っていた。
サンダーサークルのおかげで、沖合五百メートル以内にヴァイキングが入り込めば、その瞬間にわかる。奇襲を受ける心配がない、というだけでかなり、気持ちが楽だ。
今日も、そろそろ各部隊の訓練が始まる時間だ。
ここ数ヶ月というもの、俺はずっと、早起きを続けている。ヴァイキングが来たとき、すぐに対応へ入れるように。
もし奇襲を仕掛けてくるとしたら――狙うのは、きっと早朝だ。
夜の海は、彼らにとっても危険が伴う。かといって、昼間じゃ――村人は、皆すでに目を覚ましている。
薄明かりの中、まだ寝静まっている隙を突く――それが、一番の狙い目のはずだから。
さてと。
いつも通り、投擲部隊の訓練の様子を見に行くところから、回ろうか。
村の西側の浜辺へと向かう。
「おーい、エルくん! おはよう!」
「シグネさん! おはようございます!」
シグネさんは、投擲部隊の責任者だ。
家の場所が、ちょうど俺の家と浜辺の中間にあるので、こうして練習場所までの道すがら、よく顔を合わせる。
「ほら、りんごだよ。食べときな」
「うわ、やった! ありがとうございます!」
こうして顔を合わせるたび、浜辺まで歩く途中に食べる分を――ダイエットと言いながら、自分用の朝ごはんをおすそ分けしてくれる。
優しい人だ。親戚のおばちゃんみたいに。
りんごを頬張りながら、シグネさんの他愛のない話に相槌を打つ。
――その時だった。
サンダーサークルに、反応があった。
思わず、足を止める。
「それでね、うちの旦那ったら……あれ? どうしたんだい、エルくん?」
急に立ち止まった俺を、シグネさんが心配そうに覗き込んでくる。
「シグネさん! すぐに浜辺に行って、準備してください! ――奴らが、来ました!」
俺は、簡潔に、指示を飛ばした。
シグネさんの表情が、瞬時に引き締まる。
「わかったよ!」
そう言い残すと、シグネさんは浜辺へと駆けていった。
俺はすぐさま、連絡用に開発した魔法を発動する。
――サンダーケーブル。
サンダーサークルの応用で、村内の魔力を一瞬でスキャンし、そこから個人を識別、魔力を接続する。属性変換した電気に、声を乗せて届ける。
今のところ、通信は――一方通行でしかないけれど。
「各責任者の方、聞こえますか。俺の魔法で、ヴァイキングを検知しました。現在、沖合五百メートル付近にいます。槍部隊、そして最後の砦のメンバーは、配置についてください。あと――事前の取り決め通り、鐘は鳴らさないでください。まだこちらは気づいていないと、思わせておいたほうが都合がいいので」
通信を切ると、すぐさま――浜辺へと向かった。
――じいちゃんは、間に合わなかったか。
残念だが、今ある戦力で――何とかするしかない。
覚悟を、決めろ。
浜辺に着くと、女性達とエランギルンの少年たちが忙しなく準備を進めていた。
「エルくん。大丈夫かい」
シグネさんが、声をかけてくる。
「大丈夫です。各部隊に、状況は共有しました。あとは――投擲部隊の準備が整い次第、すぐに攻撃を開始してください」
「任せな!」
シグネさんは、力こぶを作ってみせた。
――いよいよだ。
こうして――アルンヴィーク村の、総力を挙げた戦いが、始まった。
◆
【名前】エル
【レベル】5(+1)※誕生日を迎えたため
【力】95(+17)
【器用】80(+16)
【敏捷】130(+35)
【知能】85(+20)
【魔力】380(+179)
【運】10
【魔法】身体強化、雷魔法
【スキル】魔力操作、魔力同調、サムマスター
【名前】ギン
【レベル】9(+1)※誕生日を迎えたため
【力】90(+22)
【器用】58(+16)
【敏捷】85(+24)
【知能】20(+6)
【魔力】60(+25)
【運】4
【魔法】身体強化、身体強化(鬼身)NEW
【スキル】サムマスター
【名前】ラン
【レベル】9(+1)※誕生日を迎えたため
【力】50(+15)
【器用】65(+17)
【敏捷】78(+23)
【知能】35(+13)
【魔力】160(+92)
【運】4
【魔法】身体強化、光魔法
【スキル】予知夢、サムマスター




