57話
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引き続きブックマークと、お手数ですが評価の方もしていただけると感無量でございます。
ランの家に足を踏み入れ、いつもの応接間とは違う――どこか神聖な気配漂う祈祷の間へと向かう。
「ジーンおばあちゃんー、連れてきたよー」
部屋に足を踏み入れると、奥の祭壇の前にジーンが座っていた。首から様々な動物の骨を下げ、静かに祭壇へと向き合っている。
――そうだった。
そういう作戦だったのだ。
俺が子供たちを連れてくる。おばあちゃんは祈祷のふりをする。そして俺は、みんながおばあちゃんに気を取られている隙に魔力同調を行い、魔力の知覚を促す――そういう手筈だった。
すっかり忘れていた。いつも通りの調子でずかずかと部屋に入ってしまった。せっかくジーンさんが厳かな雰囲気を作ってくれていたというのに。
内心で苦笑しながら、俺は子供たちをジーンおばあちゃんの前へと導き、横一列に座らせる。
誰もが物珍しげにきょろきょろと周囲を見回し、どこか落ち着かない様子だ。
エイリクも俺の方を振り返り、説明を求めるような目を向けてくる。
「いいから、いいから。前を向いて」
そう促すと、エイリクも渋々といった様子で視線を戻した。
「……全員、目を瞑りなさい」
見事なまでに厳かな空気を纏ったジーンおばあちゃんの声が響く。子供たちは疑うことなく、素直に目を閉じた。
そしてジーンおばあちゃんは祭壇に向かって、何やら唱え始める。
――よし、今だ。
横一列に並んだ子供たちの背後に回り込み、魔力同調を開始する。
全員に対して同時に施術を行う。魔力の糸を十四本伸ばし、それぞれの魔力へとアクセスしていく。
う――やはり、全員と同時に波長を合わせるのは容易ではない。
一人一人性格が違うように、魔力の波長もまた異なる。全員を同時に合わせようとすると、まるで脳がいくつも必要になるような感覚に陥る。
「エル。大丈夫?」
眉間に皺を寄せて試行錯誤していると、ランが声をかけてくれた。
「大丈夫」とだけ答え、再び集中し直す。
――発想を変えよう。
こちらから合わせにいくのではなく、相手の魔力から干渉を受け入れる。イメージするのは真っ白な布だ。どんな染料でも、染み込むように色を受け入れていく。
何度も繰り返すうちに、少しずつ感覚が掴めてきた。五人、十人と、次々に接続が完了していく。相手の魔力の波長が俺の魔力に染み込み、馴染み、繋がっていく。十四人全員との接続が完了する頃には、この技術は完全に自分のものになっていた。
そして全員分の魔力を集め、存在感を高めてやる。
すると――
「な、なんだか腹の中に、暖かいものが……」
「おれは、ひんやりした何かが」
「ぼくは胸のあたりに……」
感じ方は人それぞれのようだが、どうやら全員、魔力の知覚に成功したらしい。
「それは魔力じゃよ。そこにおるエルやギン、ランは、それを操って身体を強化しておる」
手筈通り、魔力の知覚が終わったタイミングを見計らって、ジーンおばあちゃんが魔力についてのレクチャーを始めた。そして、明日からはその魔力の操作を訓練していくこと、そうすればいずれギンのように動けるようになることを告げる。
それを聞いた子供たちの目には、わくわくが止まらない――今すぐにでも走り出し、跳び跳ねたくてたまらないといった輝きが宿っていた。
家を出たあと、解散するまで皆んなおおはしゃぎだった。
俺はそんな中、エイリクの元へと駆け寄り、残りの者たちがなぜ来なかったのかを尋ねた。
「ああ、あいつらはシグルの言いなりだからな。あいつが来ないなら、来ないだろうさ」
なるほど。たしかにあのロン毛のシグルはギンとの間に何か因縁があるようだった。
まぁ、とりあえず半数を取り込めたのだから、進捗としては十分だろう。まずはこのまま進めよう。予想通りに事が運べば、特に対策を立てずとも、残りの者たちもほとんどはこちら側に来るはずだ。
このたび、現在進行中のエピソードにおける主人公エルの年齢を、2歳から4歳に変更いたしました。
それに伴いギン、ランの年齢、及び三人のステータスが変更されています。
よろしくお願いいたします。
最新のステータスは以下の通りです。
【名前】エル
【レベル】4
【力】66(+2)
【器用】44(+5)
【敏捷】62(+3)
【知能】55(+4)
【魔力】170(+9)
【運】10
以下は9話に登場したギン、ランの初期ステータスです。
【名前】ギン
【レベル】8
【力】13
【器用】10
【敏捷】9
【知能】9
【魔力】8
【運】4
【名前】ラン
【レベル】8
【力】8
【器用】11
【敏捷】9
【知能】10
【魔力】27
【運】4




