46話
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――これまでで一番、忙しい一日が終わった。
じいちゃんとの訓練を終えた俺たちは、日暮れとともに解散し、それぞれの家へと帰った。
俺は手早く寝支度を済ませて、ベッドに潜り込む。
……本当に、濃い一日だった。
朝は、子供たちを掌握するための宣戦布告。
午後からは、ジーンおばあちゃんとの魔法訓練。
そして最後に、じいちゃんとの戦闘訓練である。
魔法の訓練は――正直、楽しかった。
初めて本物の魔法をこの目で見たし、発動の仕組みも学べた。
実際に使えるようになるまでは、まだ時間がかかりそうだけど……早く、撃ってみたい。
なにせ、こっちには前世の知識がある。
雷とは、つまり電気。
自分の属性が"雷"だとわかってから、試してみたいことが山ほど積み上がっているのだ。
一方――じいちゃんの訓練は、控えめに言って、地獄だった。
内容は、シンプル。
「一時間半、ひたすら親指だけで立ち続ける」。……以上である。
トレーニング効率がいいらしく、全員、身体強化を発動した状態で行うのだが――それでも十五分を超えたあたりから、親指まわりの筋肉が悲鳴を上げ始める。
それが、一時間半。
ギンとランは、四十分で倒れるように脱落した。
俺は一応、最後まで耐えきったが――正直、限界だった。
……そして、その後に待っていたのが、じいちゃんとの模擬戦である。
メニュー自体は、この一ヶ月とあまり変わらない。
変わらないのだが――足がまるで言うことを聞かず、結果は散々。全然、だめだめだった。
おかげで、すでに下半身が強烈な筋肉痛である。
今日の夜の筋トレは、上半身だけにしておこう。
この年齢から体を酷使しすぎるのは、さすがに毒だ。
……さて。
そういえば最近、ステータスを確認していなかった。
目を閉じて、意識を集中する。
(ステータス)
【名前】エル
【レベル】1
【力】44(+10)
【器用】19(+2)
【敏捷】39(+15)
【知能】31(+2)
【魔力】110(+29)
【運】10
【魔法】身体強化
【スキル】魔力操作、魔力同調
……うん。すごい、伸びている。
力と敏捷は、じいちゃんとの一ヶ月の実戦訓練の成果だろう。
この調子なら、親指の訓練が本格化すれば――もっと跳ねるはずだ。
魔力は、相変わらず異常なペースで伸び続けている。
身体強化を維持したまま生活する、という無茶が、ちゃんと数字になって返ってきている証拠だ。
それにしても、と思う。
ステータスに"属性"の情報が記載されてるかな?と思ったけど。
そう甘くはないか。もう一つの属性が分かれば良かったんだけど。
それに雷の素養があると判明しても、表示はどこも変わっていない。……ということは、魔法を一つ覚えたら、【魔法】の欄に追加される、ってことなんだろうか。
――早く、この欄に魔法を追加したい。
雷とは、電気。
そして、神経を走る信号もまた、電気だ。
雷を極めるということは、もしかしたら――思考や反応の"速度"そのものにまで、手が届くのかもしれなくて。
……だめだ。
考え始めると、楽しくて眠れなくなる。
軽めの上半身メニューだけこなして、今日は終わりにしよう。
明日の午前は、いよいよ初めての"戦ごっこ"参戦なのだ。体を休めるのも、訓練のうち――。
そう自分に言い聞かせているうちに、筋肉痛の波に攫われるように、意識は泥の中へと沈んでいった。




